From Hempire Cafe

害はあるが

心の健康には打撃にならない


英、ドラッグ乱用諮問委員会


Source: The Daily Telegraph
Pub date: 21st January 2006
Subj: Cannabis use 'will impair but not damage mental health'
Author: Philip Johnston, Home Affairs Editor
Web: http://www.thehempire.com/index.php/
cannabis/news/cannabis_use_will_impair_but_not_damage_mental_health


20日に発表された政府のドラッグ乱用諮問委員会の報告書によると、カナビスを常用していると心の健康に対して 「はっきりと目立つ」 ほどの害を及ぼすが、統合失調症までは起こりにくい、と結論を出している。

また、カナビスは、精神及び精神運動能力を害し、急性中毒症状を引き起こしたり、過去の心の病を再発させる可能性があるが、現在明らかになっている証拠によれは、カナビスが統合失調症まで発展する可能性は1%以下である、とも述べている。

政府が過去行ったカナビスのB分類からC分類へのダウングレード決定を見直して以前の状態に戻すべきかどうかという諮問に対しては、戻すべきではないとの勧告を出した。

また、大臣は、ドラッグの活性成分がより強力になったことで、心の病に陥る危険が増えたかどうか医学的な面から再検討するように諮問していたが、委員会は、「現在の証拠からは、最悪に見積もっても、カナビスの使用によって統合失調症まで発展する生涯リスクは1%以下であると思われる。」 と結論を出している。

「一部のグループの人たちはカナビス使用によって統合失調症に発展するリスクが高いが、現在のところ、特定の個人がそのグループに属するのかどうかを確認する方法はない。」

「カナビス使用の頻度と心の病への発展が関連しているかについては、現在の証拠からは関連性は薄い。本委員会としては、カナビスのBクラスへの逆分類は奨めず、Cクラスのまま留めることを勧告する。疑いなくカナビスにも害はあるが、Bクラスのドラッグ程ではない。」

2003年にカナビスをダウングレードすべきという勧告が出た後で、「カナビスの使用とそれに伴う精神症への発展の可能性を示す新たな証拠」 が提出されていたが、「それらの研究では、間違いなくそのような関連があると断言できたわけではなく、集めた証拠が因果関係を示唆しているだけで、統合失調症にまで発展するのにカナビスの使用が必要かつ不可欠なことを示しているわけではない。」 としている。

「昨年1年間に300万人以上の人がカナビスを使用したと考えられるが、統合失調症ような悲惨で障害のある状態にまで陥った人は極めて少ない。これに対して、カナビスを使用していなくても多くの人が統合失調症になっている。」

「利用できるデータをもとに考えれば、カナビスの使用が統合失調症に発展するリスクは最悪でもごく小さいものにとどまっている。」

「しかしながら、委員会はカナビスの使用が気管支炎や癌などの害になることも強調しておきたい。従って、カナビスを使わないようにする教育や情報の提供を引き続き行い、心の病との関連性についてさらなる研究を続けることが望まれる。」

昨日、チャールス・クラーク内務大臣は下院で、カナビスを現状のままCクラスにとどめることを提示し、警察が個人の所持について寛大な路線を維持し、罰則も低いままにすることを承認した。

所持できるカナビスの量ついては、昨年の専門家の報告書で示された個人使用4オンス以下にするガイドラインを警察関係者に示した。この量は細めのジョイントで約512本、太めで約256本ほどになる。

クラーク大臣はカナビスの逆分類は提案しなかったが、カナビスには害があり、「身体・精神の広い範囲にわたって危険である」 というメッセージを出し続けなければならない、と述べた。

また、1971年に作られた分類システムが混乱し誤解を招いているとの批判に応えて再評価するように要請し、現在Cクラスに分類されているロヒプノールやGHBなどの、いわゆるデートレイプ薬の分類見直しも諮問した。

影の内閣のデビッド・デビス内相は、カナビスが安全なソフト・ドラッグだと思い込ませかねない混乱したメッセージを出さないように逆分類すべきだったと断罪した。

しかしながら、自由民主党報道官マーク・オーテンは、「チャールス・クラークは、ヒステリーや政治圧力に屈せず、最高の証拠に基づいて正しい決定を行った。カナビスは無害ではないが、他の多くの違法ドラッグよりも害は少ない。」 と語った。

参考:   イギリス、ドラッグ乱用諮問委員会報告書全文