イギリス・スポーツ大臣

ロンドン・オリンピックではカナビス容認を

Source: Evening Standard, London
Pub date: 12 Dec 2006
Subj: Allow athletes to use cannabis, says sports minister
http://www.ukcia.org/news/shownewsarticle.php?articleid=12014


イギリアスのスポーツ担当リチヤード・カボーン大臣は、今日、2012年のロンドン・オリンピックに参加する競技者たちに対してはリクレーショナル・ドラッグの使用を禁ずるべきではないと語り、禁止薬物リストからカナビスを除外することを示唆して議員たちを唖然とさせた。

大臣は、7月に出された下院科学・技術特別委員会の報告を示しながら、オリンピック大会の真の脅威は成長ホルモンや遺伝子操作された新世代の競技力増強薬物で、警察はソーシャル・ドラッグを使う競技者に関心を集中させるべきだ、と述べた。

世界反ドーピング機構(WADA)の禁止リストには、カナビス、コカインなどの薬物が含まれているが、大臣はリストを改めることを示唆している。この介入姿勢は、自身の担当するスポーツ省やイギリス・スポーツ協議会から出てきた詳細な報告で、2012年オリンピックでの「著しい脅威」になるのはデザイナー・ドラッグ(designer drugs)だとする指摘がもとになっている。

「われわれの仕事は、社会の秩序を維持することではありません。スポーツでのいかさまを根絶することなのです。それが、WADAの中心課題なのです」と述べた。

また、反ドーピング規約は、競技力の向上、競技者への害、スポーツへの害の3原則をベースにしていると説明し、「この中でも、競技力の向上に関する原則により重点を絞り、熟考の上でソーシャル・ドラッグ分類の一部をリストから除外するつもりです」 と語った。

さらに加えて、大臣は、ロンドン大会ではドーヒングを刑事犯罪とする法律を導入する意向も示した。同様の法律は、すでに、スペインやイタリア、ギリシャで導入されているが、そのままでは 「均衡がとれていない」 として反対だとも述べている。

一方、国際オリンピック委員会医学部会のアルネ・ユングビスト氏は、「ドーピングとの闘いに加わることが、競技者にとっても最大の恩恵になるという強力なメッセージを送る」 ために、ロンドン市も2004年のアテネ市のように、ドラッグ・テストで陽性になった競技者をすべて告発する方式を継承すべきだと委員会で語っている。

イギリス・スポーツ協議会に研究報告では、人間の成長ホルモンを使ったり、遺伝子操作や血液ドーピングが「新しい脅威」になっているという認識を示し、「無節操な科学者が、検査システムをあまねくために、特に検知しにくい新しい薬物を開発する可能性がある」 と指摘している。

「2012年までには、遺伝子ドーピングが非常に現実的な脅威になる可能性があり・・・人体システムで本人のDNAを操作すれば、検知や証明は難しくなる。」