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2006年9月7日


連邦麻薬局の報告書、除去した98%が雑草化したヘンプ
サティベックス、イギリスとヨーロッパ3国で認可申請



●連邦麻薬局の報告書、除去した98%が雑草化したヘンプ
2006年9月7日 - アメリカ・ワシントンDC発

麻薬取締局(DEA)が最近発行した 「
国内カナビス根絶・撲滅作戦」 と刑事裁判統計資料によると、アメリカで関係当局が除去したカナビス植物のうち、98%以上が雑草化したヘンプで、栽培されていたカナビスはほとんどなかった。

データ では、2005年に当局によって刈り取られたカナビスの総数は2億230万本となっているが、そのうちの2億190万本が「雑草化」したカナビス(ditchweed)だった。

関係者の間では、「雑草化」したカナビスを 「広範囲に散らばった植物で、植えられたり、肥料など人手が加えられていない」 ものと定義されている。人手で栽培されたカナビスとは違って、野性に雑草化したものは検知出来るほどのTHC(カナビスの精神活性成分)が含まれておらず、ブラックマーケットの取引の対象にはならない。

麻薬取締局の 前回の報告書 でも、撲滅した植物の98〜99%が雑草化したカナビスだったとされている。

NORMLのアレン・ピエール事務総長は、麻薬取締局の作戦が単なる野性化したヘンプの除去だけのために膨大な税金を浪費している、と批判している。「皮肉なことですが、よく知られているように、ほとんどの西側諸国では、産業用ヘンプが繊維目的などで合法的に栽培されています。しかし、アメリカ政府は今だ、同じ農作物の根絶のために税金を注ぎ込んでいるのです。」

アメリカ議会調査部の 2005年の報告書 によれば、「先進国の中で、産業用ヘンプが作物として認められていないのは、アメリカだけしかない。」

アレン・ピエール事務総長は、当局によって除去されたヘンプの大半が、第2次大戦以前に政府の助成金で栽培された作物が野性化したもので、「実質的には、公共の安全の脅威なるという理由で、すべての野性ヘンプを刈り取ろうとすることは正当化できません。このようなことに、連邦政府や執行当局は関与すべきではありません」 と語っている。

麻薬取締局の数字によれば、雑草化したヘンプについては、インディアナ州の除去本数が2億1200万本で他の州を圧倒している。ミズリー州では450万本、カンサス州はおよそ120万本を除去している。しかし、半数以上の州からは報告があがってきていない。

栽培されたカナビスの押収本数ではカリフォルニア州が最も多く、麻薬取締局では200万本以上を潰したと報告している。

国内カナビス根絶・撲滅作戦は、連邦と州の合同事業で、資金の一部は麻薬取締局が負担している。

2005年州別カナビス除去本数ランキング

雑草化ヘンプ   栽培カナビス
(雑草化したものも含む)

インディアナ 212,441,768   カリフォルニア 2,011,277
ミズリー 4,529,695   ケンタッキー 510,502
カンサス 1,177,976   テネシー 440,362
ウイスコンシン 272,650   ハワイ 255,113
オクラホマ 100,736   ワシントン 136,165


For more information, please contact NORML Executive Director Allen St. Pierre or NORML Senior Policy Analyst Paul Armentano at (202) 483-5500.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7033


●サティベックス、イギリスとヨーロッパ3国で認可申請
2006年9月7日 - イギリス・ソールズベリー発

今週、イギリスのバイオテクノロジー会社である 
GW製薬 の代理人が、天然のカナビスの抽出液で製造した、多発性硬化症治療用の経口スプレー サティベックス の医薬品認可を求める申請をイギリスと他のヨーロッパ3国に提出した。

サティベックスは、現在すでに カナダ で処方医薬品として利用できるようになっているほか、限定的ながら、スペイン やイギリスでも多発性硬化症などの病気で神経因性疼痛に苦しむ患者も使えるようになっている。

提出された申請書には、多発性硬化症患者約700人にサティベックスを処方した臨床データが含まれており、イギリス、デンマーク、スペイン、オランダの医薬品許認可担当局に評価を求めている。臨床データ では、サティベックスがプラセボに比較して、痛みや筋肉のけいれんや膀胱失禁など数多くの症状を緩和することが示されている。

イギリスの許認可担当局は、決定にあたっては3国それぞれの関係者と協議することになっているが、イギリスが認可すれば、3国ともそれを受けて自動的に許可するものとみられている。

GW製薬では、当初、2003年にもサティベックスの認可を求めたが、その時は、イギリスの医薬品許認可担当局から、認可ライセンスの審査には薬の効果を示すもっと多くの臨床エビデンスが必要だとして先送りされていた。

サティベックスについては、その他にも、末梢神経性疼痛や ガンの痛み などに関しても臨床試験が続けられている。

For more information, please visit: http://www.gwpharm.com.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7034