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2007年2月22日


長期死亡事故分析、カナビスの交通事故リスクはアルコールよりも低い
コロラド州ラファイエット市議会、カナビス罰則強化案を突如取り下げ



●長期死亡事故分析、カナビスの交通事故リスクはアルコールよりも低い
2007年2月22日 - カナダ・オンタリオ州サンダーベイ発

カナダ公衆衛生ジャーナルの最新号に掲載された対照研究のデータによると、過去のアメリカでの自動車死亡事故の分析で、血液または尿に微量のカナビスが検出されたドライバーは、アルコールで低レベルの陽性反応を示した人よりも危険な運転をすることが少ないことが分かった。

カナダ・オンタリオのレイクランド大学公衆衛生計画学部の研究チームは、1993年から2003年に死亡事故を起こした20〜49才のアメリカ人で、ドラッグとアルコールの使用状態について分析している。分析では、過去に最低1回は衝突事故につながるようなスピード違反などの不注意運転の記録が残されているグループと、そのような記録のない対照グループに分けて比較している。

その結果、アルコールに陰性でカナビスにのみ陽性反応を示したドライバーでは、どちらも陰性の人に比べて危険な運転をする傾向が見られた。調査期間の10年間では、アルコールに陰性でTHCが血中または尿中に検出された人は1647人になっている。

研究者たちは、年齢や性別、過去の運転歴などの交錯因子を補正したデータをもとに、カナビスに陽性でアルコール・フリーのドライバーはどちらも素面の人に比較して危険な運転をする可能性が若干高くなるとしながらも、アルコールに関しては低レベル(血中アルコール濃度0.05%)の陽性反応の場合でも素面のドライバーに比べて危険な運転をする傾向が著しく高くなる、と結論付けている。

「この結果は、カナビスが死亡事故のリスク要因になることを示している。カナビスに陽性でアルコールに陰性の人では、どちらにも素面の人よりも衝突事故を起こすリスクが29%高い状態で運転していたことになる。……だが、この数字は、アルコールや一部の医薬品のリスクに比べれば小さいことも示されている。」

アメリカで飲酒運転の許容限度となっている血中アルコール濃度0.05%のドライバーのリスクは素面に人に比べて101%高く、0.1%の場合は200%に上昇するとしている。また、カナビス陽性反応のドライバーは若い男性に多く、カナビス陰性ドライバーに比較して過去3年間の違反歴が悪かったことも示されている。

この研究についてカリフォルニアNORMLのデール・ギイリンガー代表は、「長期間研究とすれば最新のものですが、この研究でも、アルコールよりもカナビスのほうが事故が少ないことが示されています。皮肉なことですが、国のドラッグ政策はいまだにアルコールのリスクを過小評価する一方で、カナビスによる僅かなリスクを誇張することばかりに力を注いでいるのです」 と語っている。

2005年にイギリス医学ジャーナルに掲載された 
フランスの事故分析 でも同様に、血液検査でカナビス陽性になったドライバーは、血中アルコール濃度が0.05〜0.08%の人に比べて交通死亡事故を起こすことがはるかに少ないことが 報告 されている。

衝突事故のデータの分析した以前の研究によれば、尿テストでカナビスの代謝物が検出された場合でも、カナビスの使用から時間が経って酔いが残っていなければ事故の リスクが増えない ことが示されている。これに対して、使用直後の酔いの状態が分かる血液検査で5ng/ml以上のTHCが検出されたドライバーでは、一般に、カナビス陰性またはごく低いレベルのTHC陽性の人よりも事故の リスクが総じて高くなる ことも示されている。

リクレーショナルでたまにカナビスを吸う人の場合は、一般的に喫煙後1〜2時間で 血中のTHC濃度 が5ng/ml以下に下がるとされている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500
or Dale Gieringer, California NORML Coordinator, at (415) 563-5858.

Full text of the study, "The impact of cannabis on driving" appears in the January/February issue of the Canadian Journal of Public Health.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7189


●コロラド州ラファイエット市議会、カナビス罰則強化案を突如取り下げ
2007年2月22日 - アメリカ・コロラド州ラファイエット発

コロラド州のラファイエット市議会は、カナビスの少量所持に対する市の罰則を大幅に引き上げることを求めた法案を突如取り下げた。

市議会では、先週末にラファイエット市の郡裁判所のフリーリング陪席判事が法案に抗議して 
辞職 したのをうけて審議を棚上げした。NORMLの 法務委員会 の生涯委員でもあるフリーリング氏は、この法律が施行されたならば 「道徳的にも倫理的にも市の裁判官の椅子に座っていることはできない」 と議会に告げている。

提案されていた6号条例案では、少量のカナビス所持違反の罰則を1000ドルの罰金と1年以下の懲役に引き上げることを求めているが、コロラド州法 の少量所持違反では、100ドルの罰金だけで懲役には処せられないことになっている。

市議会では、この法案は廃案にすることになったが、その代わりに4月の公聴会を開いて意見を聞くことを決めている。

昨年の11月には、1オンス以下のカナビス所持についてのすべての刑事罰の撤廃を求めた州条例修正44号の住民投票が行われたが、ラファイエットの選挙民の過半数が賛成票を投じている。

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, at (202) 483-5500.

An interview with Attorney Lenny Frieling is available on the February 20, 2007 edition of the NORML Daily AudioStash.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7188