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2007年5月17日


カナビスの使用が統合失調症患者の認知機能を改善する
ワシントン州、修正医療カナビス法が成立
汗パッチ・テストでは、カナビス中断後4週間でもTHC検知可能



●カナビスの使用が統合失調症患者の認知機能を改善する
2007年5月17日 - ドイツ・ベルリン発

精神薬理学&生物学的精神医学の進展ジャーナルに掲載された臨床試験データのよると、カナビスの使用は、統合失調症患者の認知機能を改善することが明らかになった。

ベルリン大学の研究チームは、統合失調症患者の認知機能について、発症前からカナビスを使っていた患者と全く使っていなかった患者を対比して、カナビスがどのように影響しているかを調べた。

その結果、研究者たちは、カナビスの使用が認知機能を低下さることは全くなく、精神病と初めて診断される以前からカナビスを使っていたと自己申告している人では、一部の試験において、ノンユーザーよりも認知機能が改善していることが示された、と報告している。

「驚いたことに、カナビスを多用している統合失調症患者では・・・ノンユーザーの統合失調症患者と同等のテスト結果を達成しているばかりではなく、時には良好な結果さえ示した・・・精神病と初めて診断される以前からカナビスを使っていた人では、精神心理テストの結果が悪くなるよりも、むしろ一部のテストでは認知機能が改善していた」 と結論を書いている。

研究者たちによると、統合失調症と診断された患者の80%以上に、認知機能の障害が見られると言う。

2005年に行われたイギリス・マンチェスター大学の別の 
研究 では、発症前からカナビスを使っていた統合失調症患者の10年後の認知能力は、ノンユーザーよりも高かったと報告している。

健康な人を対象に行われた神経認知機能の関する研究全般では、カナビスの使用は、たとえ長期にわたるのもであっても、顕著な機能低下や長期的な機能低下とは関連していない ことが示されている。


For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at: paul@norml.org.

Full text of the study, "Cannabis induces different cognitive changes in schizophrenic patients and in healthy controls," will appear in a forthcoming issue of Progress in Neuro-Psychopharmacology & Biological Psychiatry.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7267


●ワシントン州、修正医療カナビス法が成立
2007年5月17日 - アメリカ・ワシントン州オリンピア発

クリス・グレゴリー・ワシントン州知事は、先週、約9年間続いてきた医療カナビス州法に修正を加える上院6032号法案に署名した。1998年に実施された住民投票では、有権者の59%の賛成を得て 
条例案が認められ、医師の監督下でカナビスを使う患者に対して州全域で法的保護が適用されることになった。

今回の修正法では、州保健省に「認定患者に供給が必要と考えられる60日分のカナビスの量を算定する合理的なルールを導入する」ことを義務付けている。この法律が発効するのは2007年7月22日からで、当局に対して、2008年7月1日までに議会にその内容を報告させる内容になっている。

現在の州法では、認定患者は、医療目的で最高60日分のカナビスを所持または栽培できるように定められている。だが、法律では60日分のカナビスの量については明確な規定はなく、実際的には、それぞれの地区の執行当局の裁量にまかされた格好になっている。

また、修正法では、保健当局が認めた量よりも多量にカナビスを所持している患者については、認定された医療状態の治療に使う妥当性を証明できれば、引き続き法的保護を受けられることになっている。

上院6032号法案では、以前から 州の医療向上化委員会が求めていた病気の適応リスト を拡張することも約束している。拡張される病気のリストには、クローン病、C型肝炎を始め、拒食症なども含めて、吐き気、嘔吐、消耗、食欲不振、筋けいれん、発作、筋肉の痙縮などを伴うあらゆる疾患が含まれ、標準的な治療や医薬品では症状の軽減が見られない場合の適応される。

新しい法律では、警察が医療カナビスを押収する際にも制限を設けて、「法に従って、認定患者が法的に所持できる量を決定して」 から執行するように定めている。

上院6032号法案は圧倒的多数の賛成で承認されたが、ワシントン州の医療カナビス患者のコミュニティでは、賛否が鋭く分かれており、多くの患者グループは、60日分の量を合理的に決める適切な方法がないとして、積極的に 法案に反対 していた。


Full text of Washington’s amended medical cannabis law is available online at:
http://www.leg.wa.gov/pub/billinfo/2007-08/Pdf/Bills/Senate%20Passed%20Legislature/6032-S.PL.pdf

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7268


●汗パッチ・テストでは、カナビス中断後4週間でもTHC検知可能
2007年5月17日 - アメリカ・メリーランド州バルチモア発

国際法医科学ジャーナルに掲載された臨床試験データによると、カナビスの主要活性成分であるTHCは、カナビスを毎日常用しているユーザーでは、カナビスを中断しても最高で4週間にわたって汗の中に低レベルの代謝物が検知できることが分かった。

連邦ドラッグ乱用研究所(NIDA)の研究チームは、11人のカナビス常用者を対象に、汗パッチ技術の感度について調べた。その結果、カナビス中断後1週間では、全員がTHCに陽性反応を示し、2週間目には3人が、4週間後でも1人が陽性になった。

これに対して、経口摂取で毎日カナビスを使っていた人では、汗パッチに陽性反応を示すことはなかった。

汗パッチは、吸収性のあるセルロースのパッドで、皮膚に接着してから一般に1週間ほどそのままに放置して汗を吸収する。このテクノロジーは、主に、ドラッグ治療の現場や刑事裁判などで使われている。


For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at:
paul@norml.org.

Full text of the study, "Excretion of Delta(9)-tetrahydrocannabinol in sweat," appears in the May issue of the journal Forensic Science International.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7269