Weekly News

2007年6月21日


コネチカット、州知事が医療カナビス法案に拒否権行使
州のライセンス保持者、産業用ヘンプの連邦規制を提訴
カナダ、サティベックスのガン疼痛治療を許可



●コネチカット、州知事が医療カナビス法案に拒否権行使
2007年6月21日 - アメリカ・コネチカット州ハートフォード発

コネチカット州のM・ジョディ・レル知事(共和)は、今週、認定患者が医師の監督下で医療カナビスを使っても州内では刑事訴追の対象にしないことを求めた法案に対して拒否権を行使して成立を阻んだ。

下院6715号法案 では、州の認定患者が医療目的でカナビスを所持したり少量の植物を栽培することができるように求めていた。この法案は、下院を89対58で通過し、上院でも23対13の賛同を得ていた。しかし、この票数は、知事の拒否権を覆えすのに必要な多数までには至っていない。

もし仮りに成立していれば、1996年に医療カナビス患者を保護する州法がカリフォルニアなどで認められて以来、13番目の州になっていた。

乳ガンから生還した経験の持ち主であるレル知事の 拒否声明 では、法案を通過させれば若者に 「悪いメッセージを送ることになる」 と述べ、さらに、カナビスの医療効果を示す証拠がないという理由と、カナビスに替わる「合法的な代替医薬品」を医師の処方で利用可能なことを上げている。また、連邦法ではカナビスが依然として違法状態にあるので、法案は患者たちを連邦法で起訴されるリスクに追いやることになる、とも主張している。

NORMLのポール・アルメンターノ・シニア・アナリストは、知事の拒否理由を冷笑的で誠意のないものだと批判している。

「レル知事の声明は、安らぎを求める患者には空虚にしか響きません。知事は、州の医療カナビス認定患者に対する連邦の訴追が極めて少ないことを知っているはずですし、さらに、現在ではカリフォリニアのように何十万人もの患者たちが医師の承認のもとでカナビスを使っている州さえあることを分かっているはずです。それなのに拒否権を行使したということは、皮肉なことですが、連邦に代わって州や地域の警察がコネチカットの患者を逮捕し続けることを請け負ったと宣言したことになります。」

コネチカットの州法では、レル知事が署名しないで6715号法案を通過させるオプションも用意されていた。

2004年にコネチカット大学が実施した世論調査では、州の有権者の 83% が、医師が認めた場合に医療カナビスを使えるようにすることを支持している。


For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at: paul@norml.org

or visit NORML’s online "Take Action" center at: http://capwiz.com/norml2/issues/alert/?alertid=9314826.

An in depth discussion of Gov. Rell’s veto will be broadcast on next Tuesday’s edition of the NORML Daily Audio Stash at: http://www.normlaudiostash.com

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7285


●州のライセンス保持者、産業用ヘンプの連邦規制を提訴
2007年6月21日 - アメリカ・ノースダコタ州ビスマルク発

ノースダコタ州選出のデビッド・モンソン国会議員と農業を営むウエイン・ハウゲの両氏は、連邦麻薬局(DEA)を相手どり、産業目的のヘンプ栽培を認可した州のライセンスを持つ農民に対して、連邦の規制薬物法が栽培を認めないのは不当だと訴える訴訟を起こした。

ヘンプは、カナビスの主要な活性成分であるTHCをわずか1%以下しか含んでいないカナビス・サティバ種で、精神作用目的のカナビスとは 
明確に異なっている

州法で栽培が認められている原告の両氏は、「ヘンプがマリファナの市場に転用される恐れはなく、禁止された当時の議会でも産業用ヘンプの栽培を禁止する意図は持っていなかった」 が。連邦の許可が得られなかったと訴えている。訴状 では、ヘンプ栽培が許可された原告に対して、連邦警察当局が刑事犯罪として取り上げることに禁止命令を出すことを求めている。

2006年の第8回連邦巡回控訴審では、「活性成分を持つ品種と区別して扱うことは難しく、禁止する正統な理由が認められる」 として、連邦政府がネイティブ・アメリカンの居住地でのヘンプ栽培を禁止できる、という 判決 を下している。

今年の2月には、ロン・ポール国会議員(テキサス州、共和)と9人の民主党議員が、州に対して産業用ヘンプの生産をライセンスして規制管理する「排他的権限」を認めることを求めた議員法案 を共同で議会に提出している。

また、2005年の議会調査部の報告 によれば、「産業用ヘンプを作物として認めていないのは、先進国ではアメリカが唯一の国」 になっている。


For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, at (202) 483-5500

or visit: http://www.votehemp.org.

Text of the lawsuit, David Monson and Wayne Hauge v. US Drug Enforcement Administration and United States Department of Justice, is available online at: http://www.votehemp.com/legal_cases_ND.html

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7286


●カナダ、サティベックスのガン疼痛治療を許可
2007年6月21日 - カナダ・オンタリオ州オッタワ発

カナダ保健省は、今週、天然のカナビス抽出液を含んだ経口スプレーの 
サティベックス に対して、進行したガンの疼痛治療 に使うことを認めた予備規制許可を発行した。

これは、規制許可に値するかを確認するための資格通知を発行したもので、最終的な認可はおよそ60日以内に出されることが見込まれている。

サティベックスは、カナダではすでに多発性硬化症にともなう痛みの治療に処方箋で利用できる ようになっているほか、限定的ながら イギリス や スペイン でも許可されている。

サティベックスは、イギリスのバイオ会社である GW製薬 が製造している医薬品で、医療用のカナビス全体から抽出したTHCやカナビジオール(CBD)などのカナビノイドとテルペノイドやフラボノイドなどを正確な量で摂取できるようになっている。

アメリカの食品医薬品局(FDA)でも、昨年、ガンの疼痛治療を目的としたサティベックスの新薬試験申請を受けて、治験の第3段階からの 臨床試験開始を認めている。これは、アメリカでは最初の試験で、今年の後半から始まる予定になっている。


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Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7287