カナダの世論調査
55%がカナビス合法化を支持
Source: Angus Reid Global Monitor : Polls & Research
Pub date: June 28, 2007
Subj: Canadians Support Marijuana Legalization
http://www.angus-reid.com/polls/view/16300
アンガス・リード・ストラテジーズが実施した世論調査によると、カナダ成人の多くがカナビスの使用を法律で認めるべきだと考えていることが分かった。また、回答者の55%がカナビスを合法化すべきだとする一方で、他の5種類の違法ドラッグについて認めることに賛成した人はいずれも10%以下だった。
2002年7月、カナダは医療目的でカナビスを使うことを合法・規制管理した世界で最初の国になった。また、2006年の連邦選挙では、完全合法化を掲げたカナダ・マリファナ党が投票総数の0.1%を獲得している。
2004年11月には、当時のポール・マーチン首相が率いる自由党政府が、少量のカナビス所持に対して 「今までと違う罰則のフレームワーク」 を求める法案を再提出している。過去にも論争を巻き起こしたこの法案では。15グラム以下のカナビス所持で捕まった人に対しては刑事罰をやめて罰金刑にする内容だったが、結局、下院議会では一度も投票には至らなかった。
今年の3月19日には、ジム・フラハティ財務大臣は連邦予算を発表した際に、ドラッグ問題について具体策を検討すべきだとして、「ドラッグ取引に関連して深刻な犯罪が頻発しています。カナビスの栽培やアンフェタミンの密造が住宅地の周辺にも見つかっており、ギャングたちがドラッグをまき散らし、ギャングとの戦いのために善良な市民が傷ついています。このような状態はとうてい受け入れることができません」 と述べている。
世論調査では、回答者の43%が、国全体を脅かすほど深刻なドラッグ問題が存在すると答えている。これに対して、ドラッグ問題は特定の地域の特定の人たちに限定されていると答えた人は39%で、11%の人はカナダには深刻なドラッグ問題はないと回答している。
ドラッグ問題に対処するために特別の法律を作ることに関しては、86%が、若者のドラッグ使用を思い止ませるための全国啓発キャンペーンなどを行う反ドラッグ戦略の導入を支持し、71%の人が、カナビスの大規模栽培やドラッグ・ディラーに対して一定以上の懲役および罰金を科す強制下限刑の導入にも賛成している。
だが、保守党政権で破棄された政策のいくつかについては、カナダ人の多数が撤回して復活すべきだとも考えている。55%の人は、注射針の交換プログラムや専用ルームなどの 「害削減」 政策の撤廃には反対している。また、52%の人は、前政権のカナビス非犯罪化法案を破棄することに同意できないと答えている。
世論調査結果
以下のドラッグについて合法化することに賛成ですか反対ですか?
|
賛成 |
反対 |
カナビス |
55% |
41% |
ヘロイン |
9% |
89% |
パウダー・コカイン |
8% |
91% |
エクスタシー |
8% |
91% |
クラック・コカイン |
7% |
91% |
アンフェタミン(覚醒剤) |
7% |
91% |
次のうち、あなたの見方に最も近いものはどれでしょうか?
カナダは国全体を脅かす深刻なドラッグ問題を抱えている |
43% |
カナダのドラッグ問題は、特定の地域の特定の人たちに限定されている |
39% |
カナダには深刻なドラッグ問題はない |
11% |
わからない |
6% |
ドラッグ問題に対処するために政府が掲げている次の政策に賛成ですか反対ですか?
|
賛成 |
反対 |
若者のドラッグ使用を思い止ませるための全国啓発キャンペーンなどを行う反ドラッグ戦略の導入 |
86% |
10% |
カナビスの大規模栽培やドラッグ・ディラーに対して一定以上の懲役および罰金を科す強制下限刑の導入 |
71% |
24% |
前政権のカナビス非犯罪化法案の破棄 |
38% |
52% |
注射針の交換プログラムや専用ルームなどの 「害削減」 政策の撤廃 |
37% |
55% |
|
調査期間は2007年6月15日〜18日。エラー・マージンは3.0%。
結果詳細:http://www.angus-reid.com/uppdf/ARS_Drugs.pdf (pdf)