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2007年8月2日


破綻カナビス禁止法70周年
最近の 「カナビスと精神病」 の加熱報道に反論



●破綻カナビス禁止法70周年
2007年8月2日 - アメリカ・ワシントンDC発

連邦によるカナビス禁止法案が大統領の署名で法律になってから、今日でちょうど70年になる。それ以降、この法律は最も破綻した社会政策の一つとして今だに存在し続けている。

1937年8月2日、フランクリン・ルーズベルト大統領が「
マリファナ税法」に署名し、カナビスの所持や使用に極めて高額の課税をすることで実質的に税金を払えないようにして、脱税による犯罪として扱う法律が成立した。

議会で行われた 審議 の時間はわずか1時間足らずで、政府側の証人がカナビスの持つ「破滅的」な性質を言い立てた。アメリカ医師会(AMA)は法案を通過させないようにロビー活動 を行ったが、上下両院とも記名投票を行うこともなく圧倒的多数で法案を承認した。

1969年には、連邦最高裁が1937年の法律が 憲法違反 であるとの判断を示したが、議会は、そのすぐ後の1970年に、規制薬物法を成立させて、カナビスを 「乱用の恐れが高く、現状では医学的に治療薬として使うことは受け入れられていない」 とする第1分類に押し込んだ。

現在の連邦法では、カナビス所持の刑罰は、ごく少量でも最高1年の懲役と1000ドルの罰金になっている。

「連邦政府が70年にわたりカナビスを刑罰で禁止してきたのは、歴史的に見ても、最も破壊的で税金を浪費してきた社会政策の一つであることは疑いの余地はありません」 とNORMLのアレン・ピエール事務局長は語っている。

「1970年以降だけでも 1700万人 のアメリカ人がカナビス事犯で逮捕されています。また、現在では、受刑者の 8人に一人 がカナビスによるものです。いずれにしてもさらに不毛で酷いことは、この70年間、連邦政府がカナビスとカンビス使用者に対する戦争と称して、故意に科学的事実を歪め、自由な議論を抑圧し、深刻な病気に苦しむ患者が医療カナビスを合法的に使うことを妨げ、一般市民の自由を徹底的に侵害し続けてきたという事実です。」

連邦政府の統計によると、12才以上の ほぼ半数 の人がカナビスを使ったことがあると認めていおり、さらに、国内のカナビス生産量が過去25年で 10倍も増加 し、1000トンから現在では1万トンになっているとも書かれている。

「考え得るあらゆる面から見ても、カナビス禁止法は最悪の失敗政策です。今こそ、70年も続けてきた無益な実験に終止符を打ち、カナビスを合法化して課税と規制管理を基にしたシステムを作るべき時なのです。」

ピエール事務局長によると、カナビス禁止法70周年を「記念」するために、マイスペースにウエブサイト (http://www.myspace.com/natlnorml) を立ち上げて、3万2000人のNORML支援者の一人一人に特別のアピールを届けると同時に、8月2日には、NORMLデイリー・オーディオスタッシュで「記念」特集番組も放送している。

オーディオスタッシュの番組については、2007年4月1日以降だけのダウンロード数で120万回を越え、インターネット上では最も人気のあるオーディオ番組の一つになっている。

For more information, please visit: http://www.normlaudiostash.com

or http://www.myspace.com/natlnorml. Media inquiries should be directed to Allen St. Pierre, NORML National Director, at (202) 483-5500.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7325


●最近の 「カナビスと精神病」 の加熱報道に反論
2007年8月2日 - アメリカ・ワシントンDC発

先日来イギリスでは、カナビスの使用と精神病の結び付きについて検証し直して、カナビスの分類をC分類からB分類に戻すべきか取りざたされているが、NORMLのポール・アルメンターノ上級アネリストは、カナビスが精神病の原因になることは何ら示されておらず、社会全体ではカナビスの使用率が急激に上昇しているにもかかわらず精神病の被患率が増えたという事実もないと指摘している。

7月末に発表されたイギリスの医学専門ジャーナル、ランセットに掲載された 
メタ分析研究 では、以前に発表された多数の関連論文を検証し、カナビスの使用頻度と精神病の増加の間には関連があると述べている。また、この論文にを取り上げた多くの 報道記事 でも、カナビスを使っている人の精神病になるリスクが使っていない人より40%増えるとセンセーショナルに伝えている。

しかしながら、研究論文の著者たちは、カナビスと精神病の間には、「必ずしも因果関係があることを示しているわけではない」 として、直ちにカナビスの使用が精神病のトリガーになるかどうかについては明らかではないと認めている。

アルメンターノ氏は、論文で指摘された関連性について、「統合失調症のような精神疾患に苦しんでいる人たちは、あらゆるドラッグ、特にアルコールやタバコを使う傾向が一般の人よりも大きく、彼らの多くがカナビスを使っていても何ら驚くことではありません」 と語っている。

また、カナビスを使っている精神病患者の多くが、うつ状態やそう状態のようなさまざまな症状を 自己治療 するためにカナビスを利用していることを認めている、とも語っている。

さらにアルメンターノ氏は、カナビスによって精神病が引き起こされるとすれば、世界中でカナビスの使用が増えているのと伴って精神病も増えるはずだが、研究者たちはその証拠を示すことができていない、と強調している。

「1960から70年代にかけて西洋諸国の多くでは非常に多くの人たちがカナビスを使うようになったわけですが、実際にはそれ以降、精神病の被患率が増えたという国は全然ないのです。」

最後にアルメンターノ氏は、カナビスが健康に悪影響を及ぼすことの関しては、禁止法で犯罪として取り締まるよりも、合法的に規制管理するほうがより良く対処できるはずだ、と結論を語っている。

「カナビスを合法化して規制管理すれば、関係者たちは、カナビスのリスクについて正面から教育することができるようになります。また、特に若者ような脆弱性を抱えた人たちに対しては、カナビスを使わないように制限するセーフガードを設けて効果的に運用することができるようになります。」

「仮りにランセットの指摘を額面通り受け入れたとしても、それが、カナビスの使用を犯罪として取り締まらなければならないという正当な理由には全然なりません。これは、妊娠した女性がアルコールを使わないようにするために、アルコール全体を禁止すべきだという主張が成り立たないのと同じです。」

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at: paul@norml.org.

Additional information is available in the NORML White Paper, "Cannabis, Mental Health, and Context," available online at: http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6798.

Additional audio commentary on the Lancet report is available on the August 1, 2007 broadcast of the NORML Audio Stash at: http://www.normlaudiostash.com

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7326