Weekly News
2007年8月9日
●カナビス禁止法がカナビス喫煙のリスク回避を妨げている
2007年8月9日 - アメリカ・ワシントンDC発
最近、メディアには、毎日カナビスを使っていると一部の肺機能が阻害されるという記事が頻出したが、NORMLのポール・アルメンターノ上級アナリストは、この記事について、喫煙にともなう健康リスクを軽減させる方法をカナビス・ユーザーに知らせるためのよい機会を提供しているという見方を示している。
広く報道された 研究 は胸部ジャーナルのオンライン電子版に掲載されたもので、長期にわたってカナビスを毎日吸っていると、肺の空気流入機能がタバコの2.5から5倍に相当程度に低下するという結果を出している。研究者たちは、この結果について、カナビス・ユーザーが、タバコのようにフィルターのついていないジョイントを吸って、より多くのタールや発ガン性の炭化水素を吸入するためではないかと説明している。
また、ヘビーなカナビス使用は、喘鳴、咳、胸苦しさが見られるようになるとも報告している。一方では、カナビス喫煙が肺気腫の発症させることがないことも見出している。肺気腫は肺の気嚢が過度の膨張する疾患で、アメリカの呼吸器疾患による死亡原因とすれば最もありふれたものになっている。
アルメンターノ氏は、カナビス・ユーザーの間では以前から カナビスの喫煙が肺に悪影響を及ぼす ことが問題となってきたが、カナビス喫煙による呼吸器システムに対する大半の健康リスクは、バポライザー を使うことで除去できると指摘し、「カナビスを燃焼させず、活性成分を気化させる温度で加熱すれば、一酸化炭素などを含むガス化された燃焼毒の吸入を著しく減らすことができます」 と語っている。
最も最近の研究では、臨床薬理&治療ジャーナルに掲載された論文でサンフランシスコ総合病院の研究者たちは、「バポライザーでカナビスを蒸気にして吸えば、燃焼毒に晒されることもなく・・・ほとんどの被験者で、カナビスをシガレットにして吸うよりも好ましい結果が得られた」 と 報告 している。また、2006年の薬理科学ジャーナルに掲載された臨床前試験でも、バポライザーは 「安全で効果的」 なカナビノイド搬送システムであり、「喫煙にともなう呼吸器への悪影響を避けることができる」 としている。
アルメンターノ氏は、また、カナビスの喫煙が、肺ガン 、口腔ガン 、咽頭や食道などの 上気道消化器ガン を引き起こすこともないとも指摘している。2006年に発表された、カナビス喫煙の呼吸器に対する影響を調べた過去最大級の症例対象研究でも、生涯にジョイント2万2000本以上を吸った人でさえ ガンを引き起こしていない と報告している。
「カナビスの喫煙が呼吸器に対してリスクになることは確かですが、タバコの喫煙に比較すれば健康リスクははるかに軽微だと言えます。しかも、喫煙に替えてバポライザーを利用すれば確実にリスクを減らすことができます。しかし、不幸なことに、カナビス禁止法があるために、そのような装置を使うことが大幅に制限されています。また、せっかく呼吸器リスクを避ける方法がありながら、この分野での技術進歩を妨げる結果をもたらしているのです。」
●骨粗鬆症に前途有望なカナビノイド治療
2007年8月9日 - イスラエル・エルサレムDC発
ニューヨーク科学アカデミーの年次報告に掲載される予定になっている研究によると、エンドカナビノイド・システム が古い骨を新しくする骨格の再構築に重要な役割を果しており、骨粗鬆症に対する医薬品開発の理想的なターゲットになることが分かった。
イスラエルのエルサレムにあるヘブライ大学骨研究所の研究者たちは、CB2カナビノイド・レセプター を活性化すると、骨量の減少率が下がり、骨の形成が刺激されることを実験的に確認し、「骨粗鬆症の医薬品の開発に対する合成CB2アゴニストをベースにした治療法には、革新的な前途が開かれている」 と報告している。
研究者たちは、以前にも、十分なCB2レセプターを備えていないマウスでは、加齢にともなう骨量減少が際立って促進されて骨粗鬆症になることを 報告 している。
骨粗鬆症は、骨が退化する疾患で、骨の組織がもろくなる特徴がある。アメリカでは、50才以上のおよそ1000万人が骨粗鬆症に苦しみ、それ以外にも3400万人が骨粗鬆症になるリスクを抱えている。
●サティベックス、カナダでガン疼痛の治療薬の正式認可を獲得
2007年8月9日 - カナダ・オンタリオ州オッタワ発
カナダ保健省当局は、今週、天然のカナビス抽出液の経口スプレー・サティベック を成人の進行ガンにともなう鎮痛治療の補助医薬品として認可した。
サティベックスは、すでにカナダで多発性硬化症に痛みの治療に 処方箋で利用できる ようになっているほか、制限付きながら イギリス と スペイン でも医薬品をして使えるようになっている。
臨床試験では、オピオイドが効き難い患者でサティベックスを投与すると、痛みが顕著に緩和される ことが示されている。
サティベックスは、イギリスのバイオテクノロジー会社である GW製薬 が天然の医療用カナビスの抽出液を原料に製造している製品で、正確な量のTHCとカナビジオールが含まれている。その他にもカナビスが生成したテレピノイドやフラビノイド成分も含んでいる。
サティベックスはカナダで利用が広まっているが、一方では最近、GW製薬は、イギリスの医薬品審査当局から臨床データが不十分だと指摘されヨーロッパでの 認可申請を取り下げている。会社は、データを追加して来年にも再提出することにしている。
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Additional information is available in the NORML White Paper, "Cannabis Smoke and Cancer: Assessing the Risk," available online at: http://norml.org/index.cfm?Group_ID=6891
Source: http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7330