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2008年1月3日


シアトル・カナビス検証委員会、非優先化条例は目的通りに機能している
マーク・エメリーの強制引渡し拒否を求める司法大臣への公開書簡



●シアトル・カナビス検証委員会、非優先化条例は目的通りに機能している
2008年1月3日 - アメリカ・ワシントン州シアトル発

2003年9月にワシントン州シアトルで成立した住民発議75号条例では、「シアトル市警察と市法律事務所は、成人の個人使用目的でカナビス所持違反に対する捜査・逮捕・起訴の執行の優先順位については最も低く対応しなければならない」 ことを求めている。

またそれに続けて、シアトル市議会は、この条例の施行による影響について調査・報告するために新しい政策としてカナビス政策検証委員会を設置し、議長が11人の委員を指名することを定めた条項も含まれている。

その後設置されたカナビス政策検証委員会は3年以上に及ぶ会合と検証を続け、本日その 
最終報告書 を発表した。報告書には次のような結論と所見が書かれている。

  1. 住民発議75号条例の定めに従って執行をおこなった結果、シアトル市警察のカナビス事件の扱い件数および市法律事務所のカナビス事犯の処理件数の双方が減少した。ただ、この減少がこの条例の結果によるものであると言い切ることは不可能である。

  2. 住民発議75号条例の執行による悪影響は見られず、特に次のことが指摘できる。

    1. 若者や若年成人の間でカナビスの使用が増加したことを示す証拠はない。
    2. 犯罪が増加したことを示す証拠はない。
    3. 公衆衛生に悪影響が出たことを示す証拠はない。

  3. 住民発議75号条例の執行によるポジティブと言える効果としては、調査した次の分野でそれを示す証拠が認められる。

    1. カナビスを個人使用したことで刑事犯罪処理システムにまで巻き込まれた成人はごく僅かしかいない。
    2. 公共の安全を守るためにカナビス所持事件に使われていたリソースが少し減少し、その他の事件で利用できるリソースが僅かに増える結果になっている。

こうした結果を踏まえて、委員会は市議会に対して、(1)現在の条例を継続すること、(2)市法律事務所が、毎年、カナビスにより軽犯罪事件を人種・性別について分析して、事件を起こした人の傾向と刑量の関係を示した報告書を市議会に提出すること、(3)カナビス政策検証委員会を解散すること、を勧告している。

この検証委員会のメンバーで、住民発議75号の成立に導いた一人でもあるシアトル住民のドミニク・ホールデン氏 (NORMLの評議委員) は、次のように語っている。

「委員会のこの報告は、カナビスの非優先化が社会にネガティブな影響を与えないことを示したもので、この種の報告とすればアメリカで初めてのものになります。またこの報告では、条例の施行によって、限られた警察のリソースを開放して危険な暴力犯罪に振り向けることができることを示しています。この結果は、住民発議にあたって女性有権者同盟を始めとする支持者や後援者たちが約束していたことが実現したことを意味しています。」

To view the final version of Seattle’s Marijuana Policy Review, visit http://www.seattle.gov/council/mpp/

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7469


●マーク・エメリーの強制引渡し拒否を求める司法大臣への公開書簡
2008年1月3日 - カナダ・トロント発

カナダ・ナショナル・ポスト紙のコラムニストで弁護士としても知られれるカレン・セーリック氏は、元日の夕刊の 
コラム で、今月の21日に行われることになっているカナビス・カルチャー・マガジンの発行者マーク・エメリーの公聴会に注目するように呼びかけた。

マーク・エメリーは雑誌の発行と並行してカナビスのシードバンクを経営し、インターネットを通じてアメリカへ種子を輸出販売していたが、アメリカの要請を受けたカナダ政府が彼を逮捕してシードバンクを閉鎖した。今回の公聴会は、アメリカが連邦法に基づく裁判のために彼の強制引渡しを求めていることに関連して開かれる。

セーリック氏はカナダ政府のロブ・ニコルソン司法大臣に宛てた公開書簡の中で、エメリーがカナダの裁判所によってアメリカへ強制引渡しされようとしているという認識を示した上で、そのような判決を保留するようにニコルソン大臣の仲介することを強く要請している。

「マーク・エメリーの行為は本来カナダの刑事犯罪として扱うべきであります。カナダ当局もこの件でこれまで彼を追求したこともありません。しかし、法律的には、裁判所が彼をアメリカに強制的に引渡す決定をすることは十分に可能になっています。しかしながら、犯人引渡法によれば、「すべての関連状況からみて引渡が不当で耐え難いもの」 であれば、判決が出た後でも司法大臣にはそれを拒否する権限を与えられています。」

「マーク・エメリーは、1999年から 逮捕された2005年 まで、カナビスのシード・ベンダーを職種として収益税を申告すると明言して、連邦とブリティシュ・コロンビア州に57万8000ドルを納税してきました。……カナダの税務当局は……彼の犯罪活動を止めさせるような措置は全く取らずに喜んで彼のお金を受け入れてきたのです。」

セーリック氏はニコルソン大臣にインターネットを検索して見ることを求めている。「カナビス マリファナ シード」 で検索すれば今でもカナダでは非常に多くのシードバンクが営業していることがわかる。このことは、マーク・エメリーだけを逮捕したことが明らかに公平を欠いた恣意的な法執行措置であることを示している。

また、2000年のオンタリオ控訴審がカナダ政府に対して医療カナビスを提供するように命じた判決を出したとき、保健省当局はどうしてよいかわからずに、認定患者にマーク・エメリーの会社からオンラインで種子を購入するように告げたことも指摘している。

「カナダ側からは何の口も出すことのできない外国政府による訴追のために彼を引渡すことは、この国に対する偽善と不正の極みだと言えます。犯人引渡法では、「政治的な理由による訴追や罰を目的とした」 強制引渡し要請に対しては拒否するように司法大臣に求めています。」

「理想を目指したマーク・エメリーの長い活動経歴を考慮し、アメリカ政府に対して、このカナダの英雄を貴国の政治的な動機で刑務所に送るわけにはいかないと断るように切に要請します。」

An online petition encouraging the Canadian government not to extradite Marc Emery (and Rainey/Williams) to the United States on federal criminal charges is found at: www.petitiononline.com/Emery/petition.html

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7468