オランダにノーベル平和賞を



Source: NORML/NORML Foundation
Pub date: 4 Jan 2008
Subj: Netherlands 4 Nobel Peace Prize
http://www.netherlands4nobel.org/


親愛なるNORMLサポーターのみなさん
親愛なる志を共にする同志のみなさん


今年のノーベル平和賞候補にオランダを推薦しよう

昨年は、ゴア前副大統領が地球環境の置かれている危機を世界に喚起した功績でノーベール平和賞を受賞しましたが、それにヒントを得てNORMLでは、ドラッグによる投獄を止める一方でその使用を最小限に抑えることに成功した業績を讃えて、本年度のノーベル平和賞候補としてオランダを推薦するようにみなさんに働きかけることからこの新しい年を始めることにしました。

オランダの政府と国民は、国際的な同調者も少なく、アメリカや国連からの猛烈な圧力が加えられる中で、30年以上にわたって、「ドラッグを厳禁」するよりも「賢くドラッグ問題に対処」するほうがコスト効率が良く人道的でしかも実理的であることを身を持って証明してきました。

次に引用するのは、ステファン・F・フライ博士の近刊予定の 『ドラッグを合法化すべき25の理由 - われわれはドラッグ戦争に負けた』 の中の文章ですが、オランダがノーベル平和賞に値する業績を上げていると指摘しています。


ドラッグではなく、ドラッグ戦争が人を殺している"

「これは真の戦争ではない。本来は政治的なレトリックから始められたものだが、現在では本当に死者を出す衝突にまで発展してしまっている。アメリカのドラッグ戦争による死者の数は、その他の全ての戦争の合計をも上回っている。この戦争が引き起こした多数のいわれなき死者、語られることのない悲惨。われわれの子供たち、ティーン、女性、マイノリティでさえ例外ではない。」

「どの戦争でも同じだが、この戦争でもとてつもない費用が浪費されている。その額は今日までで優に1兆ドルを超えている。しかもこの額はアメリカだけのもので、国際的に費されている分については見当すらつかない。さらに、このドラッグ戦争は、多くの戦争と同様に嘘に基づいている。」

「確かに、ドラッグ自身に混入されている不純物や、標準化されていないことによる過剰摂取、あるいは、調子が悪くなったときに逮捕を恐れて救急車を呼ぶことを躊躇ったために起こる死亡事故も少なからずある。しかし、現在違法になっているドラッグを合法化することも含めて、禁止法を分別のある健康指向の代替政策で置き換えれば、こうしたドラッグ関連の死亡事故はなくすことができる。」

「オランダは、ドラッグを非犯罪化して規制管理し、同時にドラッグに中毒した人に広範囲な治療を提供することで、人権を高度に守ってきたという点で注目に値する。禁止法の下ではドラッグに関連した、暴力、盗み、強姦、子供の虐待など枚挙に暇もないが、それらは防ぎうることをオランダは示している。その点で、オランダが救った生命の数は人道的にも公衆衛生的にも非常に大きい。」

「オランダがドラッグ戦争による壊滅的な影響を最小限に抑えることに成功していることは、どんなに強調しても強調し過ぎることはない。例えば、アメリカで投獄されている人の数は、人口あたりでオランダの6倍、殺人の率も4倍にもなっている。アメリカに比較すれば、オランダの刑務所人口はごく僅かに過ぎず、囚人に対する教育やリハビリも充実している。さらに、オランダのエイズや肝炎の数はアメリカの小数点の端数に過ぎない。」

「オランダの医療・人権・人道を合わせた画期的な業績は、人類史上先例のないほど大きい。オランダは世界中にインスピレーションをもたらしただけではなく、自ら手本を示した。こうした意味において、将来を見据えてオランダのドラッグ政策を最初に立案したロッテルダム大学刑法学科のルーク・ハルスマン名誉教授と、現在のドラッグ政策を行政面から成功させたオランダ健康・福祉・スポーツ省は、ノーベル平和賞の候補として推挙するにふさわしいと言える。」

世界はオランダに大きな恩義があります。オランダは、数多くの活動家、学者や研究者、宗教やビジネスの指導者たちの知恵を合わせて、頑な禁止政策と刑務所指向モデルではなく、科学的な研究に基づいた公衆衛生モデルによる害削減ドラッグ政策を実行し、刑務所人口ばかりではなくドラッグの使用者も少ない健康で安全な社会を築き上げることが可能なことを示してくれたのです。


ノーベル賞の候補選考プロセス

ノーベル賞のウエブページ によれば、推薦の期限は2008年2月1日で、どの国の人を推薦してもよいが、推薦できる人は、国立の機関・政府・国際法廷機関のメンバー、大学の学長、社会科学・歴史・哲学・法律・神学の教授、平和研究所・外交研究所の所長、過去のノーベル賞受賞者、ノーベル平和賞を受賞した機関の理事、現在およびかつてのノールウエイ・ノーベル賞委員会の委員、かつてのノーベル賞諮問委員に制限されています。

また、上にリストされた有資格推薦者は、推薦する人の名前とその理由を書いて2008年2月1日必着で下記宛に書状を提出することが求められています。
Geir Lundestad, Ph.D.,
Director, Norwegian Nobel Institute,
Henrik Ibsens gate 51, NO-0255, Oslo, Norway,


世界的な対話を喚起することが目標

フライ博士は、また、この現実のドラッグ戦争が、ドラッグそのものよりもはるかに害が大きいだけではなく、それにも増して、刑務所はさらに破滅的で悲惨な状況を生み出していると指摘しています。

NORMLはカナビスに限定した運動を繰り広げている団体でありますが、ドラッグ全般の政策に成功しているオランダをノーベル賞に推薦し、そのことを世界に知らせる社会キャンペーンを通じて、世界全体に影響力のある最初のドラッグ政策改革プロジェクトを立ち上げることに力を尽くしたいと考えています。

ノーベル賞の推薦資格のある人の名前を知りコンタクトをとるために、アメリカのみならず世界中のドラッグ政策関連団体にこの記事をEメールにして出すことにしています。また、子供・ティーン・女性・マイノリティの団体、さらに環境保護グループ、ドラッグ戦争で生活環境が深刻な打撃を受けている人たちにもEメールで知らせます。

現在、決定的に重要な意味を持つ世界的な対話を呼びかける絶好の機会が訪れています。このプロジェクトは、たとえそれぞれの使命は違っても、すべてのドラッグ政策改革グループや市民グループが支持できるものです。オランダをノーベル平和賞に推薦することを支持するために、専用ウエブ (www.Netherlands4Nobel.org) やブログなどを使ったキャンペーンを実施しますが、まずは第一段階として、期間が迫っている中で資格のある推薦人を集める必要があります。

どうぞ、推薦人をご存知の方は、推薦状を書いてノーベル賞委員会の送るように頼んでください。そして、このキャンペーンのコーディネーターであるNORMLワシントンDC事務所の ロン・フィッシャー (202-483-5500) にもそのコピーを送ってください。キャンペーンに役立てたいと思います。

また、このキャンペーンに賛同してくれそうなグループや知人にもEメールを送ってください。特にノーベル賞の推薦資格のある人を知っている人にはEメールを送ってください。

今こそ、ドラッグ戦争を終結して平和プロセスを始めるときです。平和という最も高貴な目的のためにノーベル平和賞の候補を推薦するというこの興奮に満ちた2008年の新年をみなさまと共に迎えられることは感謝にたえません。


2008年 志高く

アレン・St・ピエール
NORML事務局長
アメリカ・ワシントンDC