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2008年1月10日


NORML、カナビスと運転についての新レポートを発表
NORML、オランダをノーベル平和賞に推薦するキャンペーン開始



●NORML、カナビスと運転についての新レポートを発表
2008年1月10日 - アメリカ・ワシントンDC発

本日NORMLファンデーションは、カナビスと運転について包括的に検証した 
新しいレポート を発表したが、その中で、カナビスを吸って影響が残っている直後は自動車を運転するのを避け、特にカナビスとアルコールを併用している場合には絶対に運転しないように注意を呼びかけている。

このレポートは、新しくNORMLの副事務局長に指名されたポール・アルメンターノ氏によるもので、カナビスなどの規制薬物の精神運動への影響と路上での事故リスクの関係を調査した数十におよぶ科学研究を総合的に検証している。その結果、レポートでは次のようにアドバイスしている。

「カナビスによる精神運動スキルへの 悪影響はアルコールに比較すれば低い ものの、カナビスを吸った直後でその影響が残っている状態では事故のリスクが高くなることも明らかになっている。しかしながら、カナビスの精神運動へのダメージについては比較的軽微で時間的にも短いので、カナビス使用後数時間以内の運転を避ければ、リスクを大幅に軽減することができる。」

「一方、運転しながらカナビスを喫煙したり、また、特にカナビスとアルコールを同時併用している場合は、カナビスあるいはアルコールを単独で使用したときよりも著しく事故のリスクが高まるので決して運転してはならない。」

またレポートでは次のような指摘もしている。「過去のカナビス使用について調べるドライバーの尿テストでは活性の無くなったカナビスの代赭物を検知しているので、陽性になったからといって直ちに事故リスクが高くなっていたとは 言えない。」

「また、血液中にTHCが検出された場合でも、微量であれば必ずしも素面のドライバーよりもリスクが高くなっていたことを 示しているわけでもない。最近のいくつかの研究では、血中THC濃度が1ミリリットル当たり5ナノグラム(5ng/ml)以下では、事故のリスクが素面のドライバーに比べて 高くなることはない と報告している。」

「自動車教習所の練習コースと運転シュミレーターを使った研究では、カナビスの精神運動機能に対する急性の影響としては、目の動きのコントロールを示すトラッキング反応、シグナル反応時間、さらに平面での位置感覚、運転間隔、スピード感覚に軽微な損傷が認められているが、こうした損傷による実際の運転行動への影響については、アルコールの影響下にある人の損傷の程度に比較すればあまり目立ったものではなく、確実に観察できるほどでもない。」

「また、アルコールの影響を受けた人とは違い、カナビスの影響下にある人は自分の運転能力が低下していることを意識しているので、普段より注意深く運転したり、運転したくないと言って危険を避けようとする傾向のあることが示されている。」

今回のNORMLのレポートでは、酔っ払い運転にともなうリスクについて全国の若いドライバーに知ってもらう公衆衛生キャンペーンを実施するように呼びかけている。また、路上で検査する警察官を支援するために、カナビスの影響下で運転していたのかを簡単で正確に検知できる技術を開発する必要性も提唱している。

「このようなテクノロジーが開発されれば、カナビスの合法化政策が酔っ払い運転の増加に拍車をかけるのではという社会一般の懸念を緩和して、カナビスを合法化して規制・管理しようという世論の支持が増えることが期待できる。酔っ払い運転が増加するという懸念はカナビス法の改革にとって大きな障害になっており、アルコールと同様に成人のカナビス使用を規制・管理することを求めた公共政策を社会の大多数の人たちに受け入れてもらうためには、こうした技術の開発は欠かせない要件になっている。」

今回のレポート 『カナビスと運転、科学による論理的な検証』 の全文は、NORMLのサイトで読むことができるようになっている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7475


●NORML、オランダをノーベル平和賞に推薦するキャンペーン開始
2008年1月10日 - アメリカ・ワシントンDC発

最も古くからカナビス法改革の運動に取り組み尊敬を集めているNORMLは、新しいウエブサイトを立ち上げて、
ノーベル賞委員会 に、オランダの先進的なカナビス政策をノーベル平和賞候補として取り上げるように働きかけるキャンペーンを始めた。

ウエブサイト では、オランダをノーベル平和賞候補に推薦する理由として、30年以上にわたるカナビスの個人使用目的での少量所持と売買に対する寛容政策が、他の西側諸国の大半よりも低い犯罪率と違法ドラッグの使用率をもたらしたことを上げている。

NORMLのアレン・ピエール事務局長は、「オランダの政府と国民は、国際的な同調者も少なく、アメリカや国連からの猛烈な圧力が加えられる中で、30年以上にわたって、「ドラッグを厳禁」するよりも「賢くドラッグ問題に対処」するほうがコスト効率が良く人道的でしかも実理的であることを身を持って証明してきた」 と書いている。

「世界はオランダに大きな恩義があります。オランダは、……頑な禁止政策と刑務所指向モデルではなく、科学的な研究に基づいた公衆衛生モデルによる害削減ドラッグ政策を実行し、刑務所人口ばかりではなくドラッグの使用者も少ない健康で安全な社会を築き上げることが可能なことを示してくれたのです。」

サイトでは、訪問者に、2008年度のノーベル平和賞候補としてオランダ保健省をノミネートするようにノーベル賞委員会に働きかけるように要請している。ノーベル賞委員会への推薦期限は2008年2月1日までとなっている。

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, or Ron Fisher, NORML Outreach Coordinator, at (202) 483-5500, or email nobel@norml.org.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7476