オランダ

カナビス喫煙は禁煙条例から除外

Source: DutchNews.nl
Pub date: March 26, 2008
Subj: Netherlands: Marijuana exempt from smoking ban http://www.dutchnews.nl/news/archives/
2008/03/marijuana_exempt_from_smoking.php


オランダでは、7月1日からカフェやレストランでのタバコの喫煙が禁止されることになっているが、アブ・クリンク保健大臣は労働党からの質問に対して、カナビスだけの喫煙は対象にならないと答えた。

その理由として、喫煙の禁止がタバコの法律の下で行われるので、タバコを含まないものについては適応されないという見解を示した。

しかしながら、コーヒーショップでカナビスにタバコを混ぜて吸うことは条例施行後は認められなくなるとも釘を刺している。

コーヒーショップ店のスタッフも他のカフェの従業員と同様に、タバコ・フリーの職場環境で働く権利を持っているとも説明している。

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当初はしばしば、禁煙条例でコーヒーショップが営業できなくなると言う人もいたが、この見方はコーヒーショップの実態を知らない人の感想に過ぎない。なぜならば、コーヒーショップに座ってしばらく観察していればすぐにわかることだが、カナビスだけを買ってテイクアウトする人も非常に多いからだ。中には、ディーラー・カウンターだけで椅子やテーブルのない店すらある。

オランダでは、カナビスをジョイントで吸う場合は、ほとんどがタバコと混ぜて吸われている。これは、バッズが普及する1980年代以前は、カナビスとしてはハシシが主流だったことが影響している。ハシシはそのままでは燃えにくいのでジョイントにするときにはタバコに混ぜて巻いていたが、現在でもその習慣が一般的に残っており、バッズでジョイントを巻くときにもタバコも混ぜるのが普通になっている。

このことから、コーピーショップが全く禁煙条例の影響を免れるわけではないが、アメリカなどではジョイントにはタバコを混ぜないのが普通であることや、ボングやバポライザーで吸う場合ももともとタバコを混ぜないので決定的に不便になるわけでもない。また、最近では、タバコの値段が高いこともあって、安い代替のハーブがいろいろ販売されているので、それを利用する方法もある。

今回オランダでは、コーヒーショップでタバコを混ぜないでカナビスだけで吸えば禁煙法に抵触しないことが明確にされたわけだが、医療カナビスが認められているカリフォルニアやカナダでは、「no smoking」の対象には明確にカナビスも含まれている。

こうした違いは、カリフォルニアやカナダではそもそもコーヒーショップが認められていないという事情も大きいが、オランダのカナビス政策が実証的であることを示しているとも言える。禁煙条例の背景には、煙による迷惑と間接喫煙による肺癌などへの健康リスクがあるが、コーヒーショップはもともと喫煙するための場所であるから基本的に煙による迷惑という概念がなく、また、カナビスには肺癌などもリスクもない。こうした事実をオランダはきちんとわかっている。

コーヒーショップでは、数年前から、ヨーロッパの禁煙の流れに対応するためにいろいろな試みが行われいる。特に地方のコーヒーショップには、室外で喫煙できる中庭やテラスを持っているところも少なくない。また、バポライザーを設置している店も多い。


スピリッフ (ベベリウィック)。室内にはバポライザーも設置している


エニータイム (アルクマール)では、多数のバポライザーを設置している


バポライザー専用ルームもある。入口には禁煙マークが・・・