Weekly News

2008年5月8日


イギリス政府、カナビスを致死的だとして罰則強化を表明
喫煙カナビスで中枢および末梢神経障害の痛みが軽減
マサチューセッツ州でカナビス法が州憲法に違反しているとする訴え



●イギリス政府、カナビスを致死的だとして罰則強化を表明
2008年5月8日 - イギリス・ロンドン発

イギリスのジャッキー・スミス内務大臣は、カナビスの法的分類を 
B分類 に変更する計画を 発表 した。変更が議会で認められれば、軽微なカナビス事犯の罰則が現在の口頭による警告から最高5年の懲役になる。

スミス大臣の声明は、同日公表された政府のドラッグ乱用問題諮問委員会のC分類に据え置くべきだとする 勧告 とは真っ向から対立するものになっている。委員会の報告書では、カナビスにはアンフェタミンやバルビツール酸塩などのB分類のドラッグに見られるほどの健康リスクはなく、統合失調症のような精神病を引き起こす可能性も少ないと 結論 づけている。

「カナビスの頻繁な使用と精神病の発症の間に関連性があるとする証拠は、現在利用可能なエビデンスからは弱いと言える。…… 当委員会は、カナビス製品をB分類にせず、現在のままC分類にしておくことを進言する。」

諮問委員会が、カナビスをC分類にすることを勧告したのは、今回も含めてこの6年間に3回目のことになる。C分類には、筋肉増強剤のステロイドや精神安定剤のバリウムなどが含まれている。

ゴードン・ブラウン首相(労働党)は昨年の6月に就任して以来、一貫してカナビスの罰則の引き上げを主張してきた。先週は、カナビスの使用が 致死的 な結果を招く恐れがあるとして、「現在ストリートで売られているカナビスは致死的な品質で、その事実を真剣に若者に伝えなければならない。このようなドラッグは到底受け入れることはできない」 と述べている。

イギリスでカナビスの少量所持が逮捕なしの罰則に ダウングレード されたのは2004年のことで、それ以降、16〜24才の若者のカナビス使用は およそ20%減っている 。イギリス内務省が昨年発表した統計によると、現在でもカナビスを使っていると認めているイギリス人は僅か8%で、調査開始以来 最低を記録 している。また、2004年以降のカナビス押収量は増加しているものの、カナビスに関連する事犯でのイギリス人 逮捕者数が減っている ことも示されている。

また5月始めのガーディアン紙によれば、全国警察署長協会(ACPO)は、議会がカナビスの分類をどのようしようとも、時間や経費の浪費を防ぐために軽微なカナビス事犯に対しては口頭でも警告する現在のやり方を継続することを 明らかに している。

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, at (202) 483-5500, or Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7595


●喫煙カナビスで中枢および末梢神経障害の痛みが軽減
2008年5月8日 - アメリカ・カリフォルニア州デイビス発

ペイン・ジャーナルの掲載された 
臨床実験データ のよると、慢性痛状態の患者の神経障害性の痛みが、プラセボに比較してカナビスの喫煙で著しく軽減され、また耐性状態も良好であることが示された。

カリフォルニア大学デイビス校の研究チームは、カリフォルニア大学医療カナビス研究センター (CMCR) と共同で、喫煙カナビスの痛みの強度に対する効果を調べるために、中枢または末梢に神経障害の痛みを抱える患者38人を対象に無作為プラセボ対照交差試験を行った。その結果、低品質(THC3.5%)と中品質(同7%)のカナビスの喫煙で、自発痛に対する患者の感覚が同等程度に軽減された。

研究者たちは、「痛みの強度を100点のアナログ・スケールを用いて毎分の変化を記録したところ、プラセボに比較して、3.5%と7%のカナビスで痛みが著しく軽減されることが示された。また、11箇所の神経障害性疼痛を計る多次元スケールの全体スコアにおいても同じように、プラセボに比べてカナビスで痛みが和らぐことが明らかとなった」 と書いている。

さらに、「耐性上昇の問題で離脱した患者はおらず、被験者たちは、カナビスが 「バッドな効果」 よりも 「グッドな効果」 を多くもたらしていると語っている」 と加え、「この実験においては、カナビスが痛みの強さを軽減すると同時に不快さも減らすことが示された。カナビスは、オピオイドのように体を緩めたり安定化させる効果によってではなく、痛覚の中核と痛みによる感情への影響の双方に同時に作用してどちらも同じ程度の軽減をもたらしている」 と結論づけている。

今回の研究は、喫煙カナビスを使った同種の臨床実験とすればCMCRで2度目のもので、いずれも、通常のオピエート治療やイブプロファンのような非ステロイド系抗炎症薬が効かない慢性の神経因性疼痛に対して、カナビス喫煙が著しい軽減をもたらすことを 示した ものになっている。

このことについてNORMLのポール・アルメンターノ副事務局長は、「いずれの研究結果も喫煙カナビスの医療効果を示したものですが、これによって、政府が何故カナビス喫煙の臨床研究を一貫して妨害しているのがますます明らかになってきたわけです。どちらの研究も、カナビスには医療効果などないという立場に固執する政府がいやいや認めた小規模研究ですが、それによって自分たちの足元が侵食されていくことが分かっているからなのです」 と語っている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Full text of the study, "A randomized, placebo-controlled, crossover trial of cannabis cigarettes in neuropathic pain," will appear in the Journal of Pain.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7596


●マサチューセッツ州でカナビス法が州憲法に違反しているとする訴え
2008年5月8日 - アメリカ・マサチューセッツ州ボストン発

ボストン裁判所は、来週の月曜日に、マサチューセッツ州のカナビス法が州憲法に違反しているという訴えを認めるかどうかをめぐって予備審査を行い、証拠の提示を認めるかどうかの判断を下すことになっている。

この訴えを起こしているのは、NORMLの創始者で法律顧問を務める 
キース・ストロープ氏 と雑誌ハイタイムズの出版人の一人である リック・クーシック氏 で、科学および疫学によって証拠づけられたカナビスの全体的な安全性は、カナビスの所持と使用を刑事罰で禁ずることを支持していないと主張している。

二人は、昨年行われたボストン・フリーダム・ラリーでジョイントをシェアしているところを逮捕されて裁判にのぞんでいるもので、今回の裁判で証拠提示が認められれば、レスター・グリンスプーン博士 (ハーバード大学医学部)、リチャード・ボニー博士 (バージニア大学法学部)、ジェフリー・ミロン博士 (ハーバード大学)、キース・サンダース博士(ノースイースタン大学)らを始めとする多数の専門家の供述言を提出することにしている。

被告人と弁護団は、5月12日の月曜日9時にボストン市裁判所第10法廷に出席することになっている。

For more information, please contact Keith Stroup, NORML Legal Counsel, at (202) 483-5500, keith@norml.org
or visit: http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7494.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7597