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2008年5月15日


カナビスとアルコールの運転速度に対する影響は正反対
公立学校区の7分の1がドラッグテストを実施
ハワイ州議会、医療カナビス栽培検討作業部会の設置法案を可決



●カナビスとアルコールの運転速度に対する影響は正反対
2008年5月15日 - イスラエル・エルサレム発

事故の分析と防止ジャーナルの最新号に掲載された 
臨床試験データ によると、低容量同士のカナビスとアルコールの摂取では、精神運動機能に対して反対に作用することが明かになった。

イスラエルのヘブライ大学とネゲブ大学の研究チームは、14人の志願者を対象にして、運転シュミレータでアルコールとカナビスの運転能力への影響を調べた。その結果、アルコールグループとカナビスグループの間には、明確に分かるほどの差が見出された。

研究者たちは、「アルコールとカナビスでは、運転の平均速度に最も繊細に分かる反応差が見られ、逆の反応を示すことが分かった。カナビス・ジョイントを吸ったドライバーは摂取量に従って速度を落とすようになるが、アルコールの場合は素面の状態に比べて目立って速度を上げるようになる」 と報告している。

また、アルコールとカナビスの双方ともに、たとえ少量であっても車線に位置を維持する能力や運転操作への反応時間には大きな悪影響があることや、衝突回数の増加度合いに関してはそれほど差がないこと、カナビスの影響は24時間後には全く見られないことなども報告されている。

運転能力全体に関しては、カナビスを吸ったドライバーの能力はアルコール血中濃度0.05%のドライバーと同等だとして、研究者たちは次のように結論づけている。

「今回の研究では、低レベルのカナビスとアルコールにおいても反応時間や車線の維持などの面で似たような程度の悪影響が見られたが、いくつかの面で双方に違いのあることも明かになった。特にカナビスを吸ったドライバーは本人自身が運転に支障が出る状態であることを意識しており、速度を落としてそれをカバーしようとするが、アルコールを飲んだドライバーは、素面の時と比較して自信過剰気味になって速度を上げる傾向が見られた。」

2005年以降では、死亡事故のデータを分析した研究も2件発表されているが、いずれも、アルコールでは、それがたとえ少量であってもカナビスよりも衝突リスクが大幅に増えることが報告されている。

2007年にカナダ公衆衛生ジャーナルに掲載された ケースコントロール研究 では、アメリカでの死亡事故のデータを分析し、血中濃度0.05%のドライバーでは、カナビスに陽性反応を示したドライバーに比較して、衝突を起こすまでに乱暴運転で摘発される率が3倍高くなっていることを見出している。

また、フランスの自動車事故のデータを分析した 2005年のレビュー では、アルコールに少しでも陽性反応を示したドライバーは、血液検査でカナビス陽性になったドライバーよりも死亡事故を起こすリスクが4倍大きくなると報告している。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Deputy Director, at:paul@norml.org

Full text of the study, "Effects of THC on driving performance, physiological state, and subjective feelings relative to alcohol," appears in Accident Analysis and Prevention.
Additional information regarding marijuana use and on-road accident risk is available in the NORML report "Cannabis and Driving: A Scientific and Rational Review," available online at: カナビス酔払運転の科学・論理的検証

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7600


●公立学校区の7分の1がドラッグテストを実施
2008年5月15日 - アメリカ・ノースカロライナ州チェペルヒル発

アメリカ公衆衛生ジャーナルの今月号に掲載された調査データによると、現在、公立学校区の7分の1でドラッグテストが実施されていることが分かった。また、特に疑うような事実がなくてもドラッグテストを行っている学校の総数は5年前よりもおよそ50%増加していることも報告されている。

抜き打ちドラッグテストを採用している学校では、スポーツの校外活動に参加する競技者の93%、その他の校外活動の場合は65%の生徒がドラッグテストを受けている。

校外活動参加者にドラッグテストを行うことは、2002年の連邦最高裁において5対4で 
合憲 と認められているが、今回の調査では、その枠を越えて全校生徒にドラッグテストを義務づけている学校区が29%に及んでいる。

昨年、アメリカ・アカデミー小児科委員会(AAP)学校保険協議会は、「学校でのドラッグテストが有効であることを示した科学文献はなく、生徒に対する抜き打ちドラッグテストは、すでに知られているドラッグ使用のリスク要因を増やす結果につながっている」 という 決議 を発表している。

また、12月にも再度、学校のドラッグテストで課外活動へ参加する生徒が減少し、生徒と先生の間の信頼関係が低下させているという 警告 を発表している。

さらに、2003年に発表された全国の各種ドラッグテストを調査した 横断研究 でも同様に、「近年、アメリカの中高等学校で行われているドラッグテストは、生徒たちのドラッグ使用の防止や抑制に役に立っていない」 と報告している。

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, at (202) 483-5500 or Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Full text of the study, "Random drug testing in US public school districts," appears in the American Journal of Public Health.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7601


●ハワイ州議会、医療カナビス栽培検討作業部会の設置法案を可決
2008年5月15日 - アメリカ・ハワイ州ホノルル発

ハワイ州議会は、州の認定した医療カナビス患者に合法的にカナビスを供給することについて検討するための作業部会を設ける 
法案 を承認した。作業部会は11人のメンバーで構成されることになっている。法案は、現在、リンダ・リンゲル知事(共和)の最終決定を待っている。

ハワイの州法でカナビスの医療使用が認められている住民はおよそ3000人と見積もられている。

今回承認された下院2675法案では、作業部会に対して、「医療カナビスの栽培を正式に認められた患者のために、安全な栽培施設を用意することの実現可能性」 について検討して勧告するように求めている。

また、作業部会は、現在の 州法 の下で規定されている合法的に使用し所持できるカナビスの量に関するガイドラインについても見直すことを求めている。

勧告の提出期限については、現在提案されているすべての法案について、2009年の通常議会が開催される20日前までに提出するように定めている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org or visit: http://www.mccfdia.com.

Full text of the bill is available online at: http://www.capitol.hawaii.gov/session2008/bills/HB2675_HD2_.htm

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7602