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2008年6月11日


カリフォルニア州、医療カナビスの量をめぐる控訴審判決を上訴
スコットランド政府のシンクタンク、カナビスの合法化を提言
携帯型の唾液ドラッグテストはカナビスに関しては信頼できない



●カリフォルニア州、医療カナビスの量をめぐる控訴審判決を上訴
2008年6月11日 - アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ発

先月カリフォルニア州控訴審は、州法で認められた医療カナビス患者が合法的に所持できるカナビスの量を議会が制限することはできないとする 
判決 を出していたが、ジェリー・ブラウン州法務長官は、先週これを不服として上訴した。

控訴審 (住民vsケリー) の判決では、医療カナビスの所持・使用・栽培が合法化を求めた住民発議で成立したカリフォルニア州215条例に対しては議会が修正を加えることはできず、したがって2004年から発効した修正法は無効であるとしている。

カリフォルニア議会では、2003年10月に、医療カナビス患者が所持可能なカナビスの量を州全域で適応するための ガイドライン を制定している。しかし、控訴審は、住民投票によって成立した条例に対しては、議会が修正を加える権限が州憲法上にないと裁定した。

「議会が加えた量の制限は、215条例の11362.77項を修正して数的制限を設けるものになっているが、そもそも215条例では量については具体的に何も規程していない……確かに、215条例では合理的な量的ガイドラインを設定することができておらず、懸念を抱くには十分な正当性はあるが、しかしながら、有権者の直接の承認なしに議会がその問題に言及できないないこともまた確かである。」

ブラウン州法務長官は、1996年に認められた住民発議は曖昧であり、議会がそれを明解にするために修正を加えることは道理にかなったものだとして、「215条例は、われわれが望むほど明解なものではありません。医療の使うといってもカナビスが無制限に必要なわけでもありませんから、どのくらいの量が必要なのかということです」 とロサンゼルス・タイムスに語っている。

「私は215条例の精神は支持しますが、ドラッグの流通業者による乱用の可能性を抑え込むためにも、また法執行上のガイドラインを備えるためにも議会による制限措置が必要だと考えています。」

For more information, please contact Keith Stroup, NORML Legal Counsel, at (202) 483-5500.

Full text of the California Court of Appeals decision, People v. Kelly, is available online at: http://www.courtinfo.ca.gov/opinions/documents/B195624.PDF.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7621


●スコットランド政府のシンクタンク、カナビスの合法化を提言
2008年6月11日 - スコットランド・エジンバラ発

スコットランド政府のシンクタンク、フーチャー・フォーラムは、今週、カナビスの販売に課税して管理すれば、カナビスなどの違法薬物の使用に関連した多くの社会的害を低減することができるとする 
研究 を発表した。

「アルコールやドラッグに関連した低レベルの犯罪者まで刑務所に送ることは非生産的で持続することには無駄が多過ぎる。スコットランドばかりではなく各地において、エビデンス・ベースの新しいアプローチを採用すべきである。」

「現在違法になっているドラッグばかりではなく合法のアルコールやタバコ、医薬品も含めて精神活性薬物のすべてを一括規制・管理することで、さまざまに異なったレベルのリスクに対応できる単一のフレームワークをつくることができる。」

また、フォーラムでは、「新しいアプローチ」には、課税と規制によるカナビスの販売管理システムを含めることが必要で、この合法化によって他のドラッグと分離して扱うことができると指摘している。

今回のフォーラムの提言は、ジャッキー・スミス内務大臣とゴードン・ブラウン首相が、カナビスの法的分類を B分類 に アップグレード する計画を発表してから1か月もしないうちに出てきた。カナビスがB分類になれば、少量所持事犯でも 現行法 の口頭による注意から、最高5年の懲役に引き上げられる。

フーチャー・フォーラムは、スコットランド議会によって設立された専門家グループで、ドラッグやアルコールの乱用問題などさまざまな社会政策について政治家たちにアドバイスことを役目としている。

だが、今回の提言については、スコットランド政府の広報官は、カナビスを合法化しなければならないような正当な理由はどこにもないと批判している。

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, at (202) 483-5500 or Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Full text of the report, “Approaches to Alcohol and Drugs in Scotland: A Question of Architecture,” is available online at: http://www.scotlandfutureforum.org/assets/files/report.pdf.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7620


●携帯型の唾液ドラッグテストはカナビスに関しては信頼できない
2008年6月11日 - ベルギー・ゲント発

薬物治療管理ジャーナルに掲載された 
レビュー によると、カナビスの使用後の唾液によるドラッグテストは実用的でもなく、信頼性も乏しいことが分かった。

「特にカナビノイドとベンゾジアゼピンに関しては、唾液テストは、現場で使う検査法としては信頼性に問題が多過ぎる。現在までのところ、実用的で信頼性を兼ね備えた現場用の検査器具はない。」

2007年に行われた10種類の唾液テスト器具の レビュー でも、同じような結論が出ている。10種類のうち6種類で、THCの検知結果が偽陰性または偽陽性になっているほか、5種類でTHCの代謝物である精神不活性の THC-COOH に偽陽性になっている。

また、以前に行われた現場での唾液テストの評価研究でも、カナビスの使用直後のTHCの検出に関しては 信頼性に乏しく 、特に 道路検問所 で処理された場合には信頼できないことが確かめられている。

現在、ヨーロッパのいくつかの  と アメリカの数州 で、警察官がドライバーのドラッグ酔っ払い運転を唾液テストを使って確かめた場合にどのような問題があるのか評価が行われている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Full text of the study, "Current developments in drug testing in oral fluid," appears in the April issue of Therapeutic Drug Monitor.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7622