国別カナビス経験者数割合

米42%、NZ42%、蘭20%、日1.5%

WHOのドラッグ使用状況調査

Source: ScienceDaily
Pub date: 1 July 2008
United States Has Highest Level Of Illegal Cocaine And Cannabis Use
http://cannazine.co.uk/cannabis-news/united-states/
united-states-has-highest-level-of-illegal-cocaine-and-cannabis-use.html


WHOが17か国を対象に行った調査によると、アメリカは厳しいドラッグ政策を取っているにもかかわらず、コカインやカナビスの使用レベルが最も高い国になっている。この調査は、WHOの統合国際診断面接法(CIDI)に従って、オーストラリア・ニューサイスウエールズ大学のルイザ・デェジャンハード教授の研究チームが中心になって実施された。


その結果、アメリカでは、16.2%の人がコカインを経験していることが分かった。この数字は、2位のニュージランドの4.3%に比較して際だって高くなっている。また、カナビスに関してもやはりアメリカが42.4%で最も高く、次にニュージーランドが41.9%で続いている。

アルコールについては、アメリカ、ヨーロッパ諸国、日本、ニュージーランドの大多数の人が経験しているが、これに対して、中東、アフリカ、中国では一段レベルが一階低くなっている。

この調査で示された特徴の一つは、合法あるいは違法のドラッグにかかわらず、どちらも社会経済的な背景の違いによって使われ方が異なることで、例えば、どのドラッグに関しても男性のほうが女性よりも、また、若年成人もほうが年配者よりも多く使う傾向が見られる。所得については、高い人の方がすべとのドラッグを経験している率も高くなっている。

未婚か既婚かでは、タバコ・カナビス・コカインに使用状況の違いが見られるが、アルコールには違いが見られない。しかし、結婚未経験者や離婚独身者では、現在結婚している人よりもコカインとカナビスの使用率が高い。また、タバコの使用については、結婚未経験者は少ない傾向が見られるが、逆に離婚独身者では率が高い傾向が見られる。

この調査で明らかになった別の特徴は、ドラッグの使用率がその国ドラッグ政策とは関連がないことで、「違法ドラッグの使用に対してより厳しい政策を採用している国が、必ずしもリベラルな政策の国よりも使用のレベルが低くなっているわけではない」 と報告書には書かれている。実際、リベラルな政策を取っているオランダでは、コカインとカナビスの経験者はそれぞれ1.9%と19.8%で、厳しい政策のアメリカよりもずっと低くなっている。

この調査に参加したのは、17か国5万4068人で、調査の費用が負担して調査協力できる国が選ばれた。調査は、精神状況やドラッグ使用について標準化された診断インタビューを行えるように訓練を受けた人が、一対一で面接して行っている(フランスだけは電話調査)。インアタビューでは、アルコール、タバコ、コカイン、カナビスの使用経験や社会経済環境について聞き取り調査をしている。

この研究のデータは、17か国に限定されている上に、参加者の率も国によってまちまちで、また回答者が本当のことを答えているかどうかについても国によって事情が異なることも考えられるために問題もある。しかしながら、ドラッグ使用のパターンについて、世界の各地域を網羅して同じ基準で調べたものとしての意味は大きい。

今回の調査報告書:
Toward a Global View of Alcohol, Tobacco, Cannabis, and Cocaine Use: Findings from the WHO World Mental Health Surveys  Louisa Degenhardt, et al. PLoS Medicine, July 2008, Volume 5, Issue 7