Weekly News
2008年8月13日
●再びカナビスの喫煙効果が示される、HIVの神経因性疼痛が緩和
2008年8月13日 - アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ発
神経精神薬理学ジャーナルの ウエブサイト・オンライン版 に掲載された臨床試験データによると、カナビスの喫煙でHIVにともなう神経因性疼痛がプラセボよりも著しく緩和されることが示された。
カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは、同校の 医療カナビス研究センター (CMCR)と協力して、神経障害性の痛みで苦しむHIV患者の中から、他の鎮痛治療で適切にコントロールできない28人を対象に喫煙によるカナビスの効果について調べた。
その結果、カナビスを喫煙して痛みが緩和した人の割合が、プラセボ喫煙に比べて30%以上も多かった。
「従来の鎮痛療法に、喫煙カナビス(THC1〜8%)を加えることによって、HIVの末端感覚多発神経障害(DPSN)の痛みの強度がプラセポに比較して著しく軽減した。研究で治療を実施している間は、気分的混乱、身体的障害、人生の質などすべての面で著しい改善が見られた。…この結果は、カナビノイドが、HIVのDPSNによる痛みに対して効果的な緩和オプションになることを示唆している。」
CMCRは、これまでも、喫煙カナビスが慢性的な神経因性疼痛を著しく緩和することを示す研究を発表しているが、今回の研究は3番目の臨床試験 になっている。いずれも、対象患者としては、オピオイドやイブプロフェンのような非ステロイド系抗炎症剤に反応しなかった人が選ばれている。
NORMLのポール・アルメンターノ副事務局長は、「この研究によって、これまでなぜアメリカ政府が喫煙カナビスの臨床効果を調べようとする研究を妨害しようとしてきたのか、その理由がますます明白なものになってきました。研究を認めれば、カナビスには医療価値がないという政府の天動説を否定する証拠がどんどん出てきてしまうからです」 と語っている。
●統合失調症患者は症状コントロールのためにカナビスを使っている
2008年8月13日 - オーストラリア・アレデード発
国際精神衛生看護ジャーナルに掲載された 調査データ によると、統合失調症と診断された患者たちは、病気にともなうさまざまな症状をコントロールするためにカナビスを使えば効果が得られると感じていることが分かった。
南オーストラリア州のフリンダーズ大学の研究チームは、統合失調症とカナビス「乱用」の双方でDSM-IV診断基準を満たした18才から65才までの30人の患者にインタビュー調査を行った。
その結果、半分以上の人が、統合失調症の症状をコントロールするためにカナビスを使っていると回答している。30人のうちで、カナビスを吸うと不安が緩和すると答えた人は25人で、カナビスが子供時代のトラウマを忘れさせてくれるとした人は21人いた。
また、12人が、カナビスは 「スピリチュアルな意識を高揚」 させてくれると答えているほか、10人がカナビスを吸うと 「話声が大きくクリアに聞こえる」、8人がカナビスで 「認知プロセスが促進され」、5人が 「身体的精神的エネルギーが高まる」 と回答している。
さらに、8人が、カナビスが合法化されれば、違法ドラッグを使っていることで出てくる不安やパラノイアが減って、「精神状態がより改善される」 と答えている。
今回の患者の証言ついて、NORMLの諮問委員で、「新しい科学証拠でカナビスを理解する」の著者としても知られるアルバニー大学の ミッチ・アーリワイン教授 は、カナビスと統合失調症の関連の大部分が自己治療によるものだという理論の信頼性をさらに高めることになっていると指摘している。
「カナビスが統合失調症を引き起こしているわけではないのです。患者は、統語失調症の症状が始まったことに気づいて、それを緩和するためにカナビスを使っているのです。」
●今週末、世界最大のカナビス・イベント、シアトル・ヘンプフェスタ開催
2008年8月13日 - アメリカ・ワシントン州シアトル発
世界最大のカナビス法改革イベントとして知られるシアトル・ヘンプフェスタが今週の土曜日と日曜日にシアトルのマートル・エドワード・パークで開催される。今年で17回目をむかえるフェスタでは、5箇所のステージに70人の講演者と60組のバンドが出演する予定になっている。来場者は15万人が見込まれている。
講演者には、NORMLのアレン・ピエール事務局長をはじめ、NORML創始者のキース・ストロープ、医療カナビス運動の メドライン・マルチネス、エンジェル・ライヒ、カナビス本の著者として名高い ジャック・ヘラー、エド・ローゼンタール、テレビのトラベル番組ホストでNORMLの諮問委員も務める リック・ステーブス などの各氏が名を連ねている。
今年のシアトル・ヘンプフェスタのテーマは、「産業用ヘンプはアメリカをどう変えることができるか」 となっている。
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Full text of the study, “Smoked medicinal cannabis for neuropathic pain in HIV: a randomized, crossover clinical trial,” will appear in the journal Neuropsychopharmacology.
Source: http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7680