サティベックス

暗雲を払い退ける明るい研究結果


Source: PharmaTimes
Pub date: September 08, 2008
More positive data for GW Pharma's Sativex
http://www.pharmatimes.com/WorldNews/article.aspx?id=14287


イギリスのGW製薬の株価が、今週始め、サティベックスの前向きな研究結果に好感して7%上昇した。GW製薬は、カナビスをベースにしたサティベックスを使って、多発性硬化症にともなう神経因性疼痛に長期的な治療効果があるかどうかを調べていた。

今回の研究では、以前から実施されていた12週間多発性硬化症の神経因性疼痛第3フェーズ治験をさらに4週間延長して、42人の患者を対象にサティベックスの評価が行われた。

4週間の延長期間では、患者には無作為にサティベックスまたはプラセボが与えられたが、投与量は延長前のまま継続して変更出来ないように設定された。

これまでに行われた研究では、サティベックス患者もプラセボ患者も投与量を変更できるようになっていたために、プラセボ効果も増大してしまって、痛みと睡眠の質のスコアに統計的な有意差を示すことができなかった。

今回の研究デザインでは、これを避けるために、サティベックで各自の鎮痛効果が確認された後で、一部の患者を同服用量のプラセボに切り替えることで、鎮痛効果がどのように変化するかを比較評価するように改められた。

今回の研究の重要性についてGW製薬は、これまでのサティベックスの効果が長期間持続するというエビデンスが長期の非盲検試験によるものだったのに加えて、「プラセボ対照二重盲検でも、実際の長期的な効果の持続することが確認された」 ことにあるとしている。

GW製薬の研究開発責任者であるステファン・ライト氏は、「この結果は、現在進行中の多発性硬化症の痙縮第3フェーズ試験のデザインも適切であることを示唆しています。今回明らかにされたサティベックスとプラセボの違いが、現在の痙縮の3フェーズ試験でも再現することが十分に期待できます」 と語っている。

痙縮の3フェーズ試験は、イギリスの医薬品認証当局サティベックスの認証に必要だと要求されていたもので、2009年の第1四半期までに報告書を作成して、年の前半にも当局に提出することが計画されている。

サティベックスの治験では、これまでもプラセボの効果が大きくて何度も失敗しているが、今回初めてそれを克服する研究デザインが開発されたことになる。これでやっとサティベックスが認証される環境が整ったと言えるのかもしれない。その意味では、これまでの暗闇をブレイクする画期的なニュースと言えるだろう。

サティベックス、再び臨床試験に失敗、プラセボと十分な統計的有意差を示せず  (2008.4.8)