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2008年9月11日


サティベックスの疼痛長期低減効果、二重盲検臨床試験で示される
先月に続いて、カナビスのバクテリア殺菌作用特性を示す研究
フェイエットビル市、11月にカナビス非優先化発議の住民投票実施へ



●サティベックスの疼痛長期低減効果、二重盲検臨床試験で示される
2008年9月11日 - イギリス・ポルターダウン発

イギリスのバイオ企業である 
GW製薬 が今週発表した臨床試験データによると、天然のカナビス植物から抽出した溶液を経口スプレーにした サティベックス を長期間投与した実験で、プラセボよりも神経因性疼痛が軽減されることが示された。

多発性硬化症で中央神経系疼痛に苦しんでいる41人の患者を対象に、二重盲検プラセボコントロールによる「無作為中断」試験が行われた。この方法は、全員がサティベックスの長期使用を続けた後で、最後の4週間については、無作為で一部の患者をプラセボ投与に切り替えて、サティベックス・グループとの違いを比較するために行われた。

その結果、「サティベックスを続けたグループでは、痛みのスコアは安定して変化は起こらなかったが、プラセボ・グループでは、痛みと睡眠のスコアが悪化した。… その他の症状の評価についてもサティベックス・グループは現状維持または症状に改善が見られたが、実質的に4週間治療を中断したプラセボ・グループでは症状が悪くなった」 とプレス・リリースで発表している。

以前に行われたサティベックスの 非盲検延長試験 では、患者の要求する毎日の服用量が少なくなり、治療が長くなればなるほど痛みの中央値も低くなることが 報告 されている。今回の研究では、これに加えて、プラセボ対照試験でも長期的なサティベックスの有効性が始めて示されたことになる。

また、先月発表されたカリフォルニア大学サンディエゴ校の臨床研究では、カナビスの喫煙でHIV関連の神経因性疼痛が顕著に緩和されることも報告されている。この研究は、カナビスの喫煙で長期的な痛みが軽減されたというカリフォルニアの研究としては、この18か月間では 3番目の臨床研究 になっている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Deputy Director,

or visit http://www.gwpharm.com.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7695


●先月に続いて、カナビスのバクテリア殺菌作用特性を示す研究
2008年9月11日 - アメリカ・ミシシッピー州オックスフォード発

植物化学ジャーナルに掲載された 
研究 によると、カナビスに含まれる非カナビノイド成分には、マラリア、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などの薬物耐性を持つ病原体に対する抗バクテリア特性が備わっていることが明らかにされた。

ミシシッピー大学の国立天然産物研究センターの研究チームは、カナビスの中に新たに11種類の非カナビノイド成分を発見し、その内の7種類には、強力な「抗菌性、抗マラリア性、および抗レーシュマニア(皮膚寄生虫)活性を持っていると報告している。また、別の数種類にも抗炎症性があり、抗酸化剤のように働く可能性のあるとも報告している。

この研究についてNORMLのポール・アルメンターノ副事務局長は、「今回の発見は、まさに、カナビスの植物全体に優れた治療効果のあることを示しています。カナビスの一部だけが有効だとか、それだけ取り出せばよいと言った主張はもう通用しません」 と語っている。

先月の8月にナチュラル・プロダクト・ジャーナルに掲載された 研究 でも、少なくとも、THC、CBD(カナビジオール)、CBG(カナビゲロール)、CBC(カナビクロマイン)、CBN(カナビノール)の5種類のカナビノイドには、MRSAなどの各種多剤耐性バクテリアに対して顕著な殺菌作用のあることが示されている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Deputy Director.

Full text of the study, “Non-cannabinoid constituents from a high potency Cannabis sativa strain,” will appear in Phytochemistry.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7696


●フェイエットビル市、11月にカナビス非優先化発議の住民投票実施へ
2008年9月11日 - アメリカ・アーカンサス州フェイエットビル発

アーカンサス州フェイエットビル市では、この11月の選挙で、カナビスに対する法執行の優先順位を最下位にすることを求めた市条例発議の住民投票が実施されることになった。

この発議を推進している 
センシブル・フェイエットビル は、11月の住民投票に登録した5000人近くの有権者の署名を集めている。

この条例案 では、警察に対して、1オンス以下のカナビスしか所持していない成人の取り調べや起訴する際の優先順位を最も低くするように指示している。アーカンサス州では、同様の非優先化条例が2006年に ユリーカスプリング市 で成立している。

現行の 州法 では、1オンス以下のカナビス所持は、1000ドルの罰金と最高1年の懲役の軽犯罪になっている。

また、今回の条例案が成立すれば、市が、州と連邦の議員に対して 「速やかに同様の非優先化法を成立させるように踏み出す」 ことを要請する手紙を送付することも求めている。

今回と同様の発議は、ワシントン州シアトル市、カリフォルニア州オークランド市、 ミズリー州コロンビア市Columbia、コロラド州デンバー市 などでも住民投票で成立している。

センシブル・フェイエットビルは、州全域をカバーする連合体で、アーカンサス大学NORML支部、アーカンサス・ドラッグ政策改革アライアンスなどが含まれている。