明日、判決公判がある。
もう判決文は書き終わっているだろう。
周囲の方が心配している。
ありがとう。すまないね。
求刑四年というのは、
検察としては執行猶予なしの実刑にして下さいという数字だそうだ。
弁護士も、
「念のため冬用の服を持ってきたほうがいいね」
と言う。
初犯は、営利目的でなければ、ほぼ執行猶予が付く。
但し、量が多かったり、
反省の態度がなく、
今後も大麻を吸い続けると宣言したりすれば、
実刑。
初犯で実刑になった例もある。
何が悪いと言い張って、
懲役5年を務めた先人もいる。
俺の場合、栽培の339本が多いらしい。
でも、半分は雄だぜ?
しかもF2やF3だよ?
それに、俺、数えてなかったし。
そんなにあるなんて知りませんでした。
初犯だし、
病人に無料で提供してたんだし、
栽培免許の申請もしてたんだし、
営利目的じゃないし、
大麻に害はないし、
いきなり実刑はないでしょう。
求刑は懲役4年。
「懲役4年、執行猶予5年」ってとこかな。
甘い?
明日行ってみれば分かる。
去年の12月。
桂川さんのサイトに桂川さん自身の文章を掲載することになったとき、
原稿を読んで、ビビった。
これは逮捕につながるかもしれないと思った。
それでなくても、カタログのごとく、大量の大麻写真を掲載していた。
それはカタログよりも詩的だったけど。
桂川さんの文章は、本質を突き、洒脱で、味がある。
だから、サイトを作ってる俺としても文章原稿を掲載したいと思っていた。
しかし、ノートパソコンのモニターで見たそのタイトルは、
<大麻を吸ってこの国の役人達の欺瞞を見抜こう>
・・・・・・な、なんつう思い切った・・・
しかも、サブタイトルが
<もはや大麻しかない>
それは、まったくその通りだ。
一読して言葉を失った。
<だから私達はより多くの人に大麻を教え、より多くの人と大麻を吸っている。>
「・・・・こ、こんなこと、書いちゃっていいんですか?パクられますよ」
「言論の自由だろう」
「言論だけなら自由だろうけど、そのままじゃないですか。」
「・・・・来るかなぁ?」
「来ますよ。きっと。」
俺はビビッたまま、いろいろと不安の材料を提供した。
桂川さんは腕組みして目を瞑り、考えていたが、やがて目をあけ、
「いいじゃん。いいよ。やろう。そのまま出しといてくれよ。」
権力と真っ向から対峙する姿勢だった。
権力の愚劣を哂う意思の表現だった。
そうなりゃ、肝試し。
ここで逃げるわけいかないでしょ。
散々吸ってるし。
(これは俺も腹を括ってかかるしかないな)
いつか逮捕されることになるな、と予感しながら、そう思った。
「逮捕につながるかもしれませんね。」
逮捕歴のない俺がそう言うと、
師、曰く、
「いいじゃねぇか、一辺くらい。経験しとくもんだ。」
放り出すように言った。
(そうだな、ま、一辺くらいいいか。人生の余興みたいなもんか。)
そう思った。
桂川さんは、二回目の、まだ中にいる。
7月14日に逮捕。
長いよなぁ。
あの原稿にビビってから1年。
もちろん、パクられたらどう供述するか、考えていた。
考えながら、実践していた。
必要としている病人がいることはもともと知っていた。
桂川さんの麻を比較的近郊の病人たち仲介している大酒呑みは、
自分では麻を吸わないが、
その効果を言い触れて回った。
麻を吸わないのに、麻がいいと、どう確かめたのか?
「そりゃ、おめぇ、ジジィとババァに飲ませただよ。お茶にしてだよ。寝る前に。
もうとっくに90過ぎちゃってるし、死んだらまぁ、仕方ねぇじゃねぇか。」
そしたら、それまで夜中に数回だった便所通いがなくなり、
朝までぐっすり眠れるようになり、
食欲が出て、顔色が良くなった。
そこで確信を深めた男は癌を患った友人たちに麻の効能を触れて回り、
桂川さんが無償でくれるのをいいことに、
言えば断らないのをいいことに、
けっこう持ち出していたらしい。
調べでも、法廷でも話したが、その男の名前は言えない。
まぁ、きっと調べはついているのだろうが。
病人たちが感謝したのは言うまでもない。
それと、麻が効くことに驚いたらしい。
麻なんて、この辺は戦後しばらくまで産地だった。
その麻がマリファナだと知らない人もいたらしい。
痛みが和らぐ。
食欲が出る。
よく眠れるようになる。
副作用は、質が良すぎると、けっこう酔います。
笑いが止まらなくなっちゃうほど効くときもあります。
でもぐっすり眠れるでしょう。
心地よい眠りです。
噂は当然広がります。
病人たちの麻が足りない。
需要は高まりました。
そんじゃ、俺作るよ。
それだけの話です。
そういえば、再入院した癌の人、
食事が自分で取れなくなって、
栄養チューブがつながれたそうです。
もし、これでその人が不幸にも亡くなったとき、
麻を奪われたこととの因果関係が証明できれば、
厚生労働省(近畿厚生局麻薬取締部)を、
殺人罪で訴えたいところです。
権力が刑罰を以って病人から薬を取り上げているのです。
現場の麻取りさん、
俺の調べを担当したオシキさん、クラハシさん、
あんたにとって正義とは何かと聞いたら、
「一般常識だね」
と答えて俺を爆笑させてくれたコバヤシケイジロー君、
自分だけにエアコン向けて、
足を机の上に放り出して、
朝から夕方まで居眠りしてたミズノさん、
麻が悪くないってことは分かってるんだろ?
職務で、やむなく大麻で逮捕するときは、
せめて、また愚法の執行で不幸な人を生み出したって、
こころのどこかで自覚してくれよ。
明日の、俺の裁判の判決については、
大麻取締法は憲法違反だから被告人は無罪。
それ以外の判決は、
執行猶予が付こうが、
不当判決です。
検事が論告で引いた昭和60年の最高裁決定なんぞ古い。
大麻の無害性が科学的に証明され、
難病にも効果があることが臨床的に実証されている21世紀の現在、
もはや通用しないと言うべきであ〜る。
ですが、実際問題として、地裁が最高裁の判例を覆すことなどないでしょう。
最高裁まで争いたい。
その思いは強いのですが、費用的なこともあるので、
控訴するかどうかは、判決文を読んで、
よく考えたいと思っています。
実刑にならなければ、今週中にここで結果を報告します。
実刑になったら、控訴して、保釈請求の手続きを取ります。
寒くなってきました。
これを読んで下さってる皆さんも、お大事に。
ではまた。