NHKディレクターとの対話についてダウさんに訊く(上)

投稿日時 2009-01-12 | カテゴリ: 「大麻汚染」を食い止めろ

NHKクローズアップ現代「大麻汚染を食い止めろ」を担当した広川ディレクターへの電話取材を先日アップしたが、当方の質問の設定や、ディレクターの回答の誤りなどについて、カナビス・スタディハウスのダウさんにお願いして助言を頂いた。
ディレクター氏の回答の誤りだけでなく、このような問いかけの際に留意すべき点を含めて参考にして頂きたい。2回に分けて掲載する。

★ ★ ★

Q.そうすると、それは水谷さんが若者と関わってきての感想という域を超えないといことですね?

A.まあそうですねえ。

Q.何か具体的な研究のデータとか・・

A.具体的な研究のデータに基づいてお話したことではないです。

Q.番組を担当された方として、先ほどお話した大麻に関する海外の医学的な研究のデータなどは参照されたんでしょうか?

A.いえ、具体的にそれを全てチェックしたということではないです。

Q.全部とは言いませんけど、例えば著名なところをいくつかとか?
A.例えばネット上で見れるものですとか、みなさんのホームページも拝見させて頂きましたけれども。

Q.私たちのですか?

A.拝見させて頂いてはいたんですけども。

Q.ああそうですか、ありがとうございます(笑)。

●読んだ記事名を具体的に答えさせるべき。そして、おかしなところがあったなら、本当に読んだのか突っ込んで確かめるべき。
さらに、どちらの言い分のほうが信頼性が高いと思うのかはっきり答えさせるべき。


A.拝見させて頂いて、そういう研究があるということは理解はしておりました。で、作った立場としては、そういう研究もあるだろうし、個人差もあるだろうし、大量に使っていたかどうかとかですね、個別のケースで全然違うと思うんですね、それで、そいうなかで、例えば大量に使ったらこういうケースもあったということで、ご紹介したということですね。

●大量とは具体的にどのくらいかはっきりさせるべき。
それと重要なのは、使っていたカナビスの効力とアルコールの使用の有無。低品質のカナビスは効かないので連用しやすくなる。また、アルコールを併用していると、カナビスを多量に使う傾向が大きくなる。最悪は、アルコールを飲みながら、低品質(あるいは農薬や異物混入)のカナビスをチェーンスモークするようになる。
また、精神的な疾患を抱えている(特に)未成年では、カナビスをみんなでわいわいやるよりも、症状緩和に一人で頻繁に使うようになる。
「個別のケースで全然違う」といってもパターンはある。


Q.大量に使い続けても、そういった脳の損傷は、使っていない人たちのグループと比較しても目立った違いはなかったという研究もありますけど、番組のなかで水谷さんの経験だけを・・

A.水谷さんの経験だけといいますか、我々も何人も取材をしておりますし、そのなかで見聞きしたり、話を伺うなかでそういう実感もありましたし、実際にご本人たちもそういう体験をしたというお話もありましたし。

Q.脳が壊れたっていう体験ですか?

A.というか、もう考えられなくなったとか、無気力になったとか、脳が壊れたというのは何を指すか人それぞれ違うと思いますけど。

●「我々も何人も取材をしておりますし」、これは言っている本人も気づいていないことさえもある「最も注意しなければならないトリック」。(このトリックは、赤城高原ホスピタルも使っている)
つまり、例えばゲートウエイになるかとうかを調べるときに、覚醒剤をやっている人たちにカナビスの使用経験を聞いても、聞くべき母集団が違う。カナビスをよく使っているグループでどのくらいの人が覚醒剤をやるようになったか調べなければ本当のことは分からない。同じように、ダルクの入所者をどれだけインタビューしても、脳に悪いかどうか本当の答えはでてこない。
また本人の証言は、例えば統合失調症などの場合、病識がないことも多く簡単に信用すべきではない。「ものを考えられなくなった、無気力になった」などはまさに統合失調症の陰性症状そのもの。ジャーナリストのイロハ。


A.可能性のことでいうと、全て100%ないですとか、私も医者でもないですし、本人たちがどういうことを抱えていたかというのは、聞いてはいますけど、今まではそういうことはなかった、大麻としか考えられないと、本人たちが言ってますので。

Q.本人たちが言ってるだけなんですよね?

A.でも逆にですよ、本人たちに取材するなかで、それをどうやって証明するかというと、それは現実的には不可能ですよね。何をもって根拠とするかというのは、我々は、取材をして、本人たちから話を聞いて、原因は大麻でしかあり得なかったという話を聞いて、私たちとしては、それしか知る術がないわけです。

Q.私がお話したような疾患、精神的な疾患も含めて・・

A.今回、私たちが取材しているなかでは、そういうことはなかったと思います。

Q.本人たちが病院にかかって診てもらったりとかしていたんでしょうか?

A.病院にかかってもいないですしね。

Q.病院にかかっていないけれども、そういう精神的な疾患をもともと抱えていて、大麻を使ったということもあるわけですよね。

A.それは可能性としてはあるでしょうね。ただそれを、何が原因なのか証明するのは非常に難しいと思いますが、少なくとも、お話を聞いて、取材をして、本人たちがそう仰ったりとか、私たちが取材をして、これはそうなんだろうなということを放送しているということです。

Q.ということは、本人たちが病気をお医者さんに診てもらったりはしてないけれでも、精神的な疾患をもともと抱えてて大麻を使ったということもあるわけですよね?

A.ただ話を聞いているなかで、そいうことは一切出てこないですし、それまでは普通に学生生活を送っていたり、社会人として働いていたりという方たちですから、そいうことは本人たちもないと仰ってますし、それはないんじゃないかなと思っていますが、それが本人たちがもともとそういう疾患とかを抱えていたことが原因ではないということを証明しろと言われても、それはなかなか難しいと思います。

●まったく同じ論法を使えは、カナビスが原因で今の状態になったと証明できないことについても言える。
また、本人の証言は、例えば統合失調症などの場合、病識がないことも多く信用すべきではないとはっきり言うべき。
そして、少なくとも、現在はどのような診断名で入所しているのか聞くべき。それとカナビスの関係をどう思うか聞くべき。

(この項つづく)





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