連載開始!チャリファナ青春旅行記(1) マレー半島縦断

投稿日時 2009-02-03 | カテゴリ: チャリファナ青春旅行

「チャリファナ青春旅行記」 司麻

まえがき

  • 逮捕なんてされると、今後の旅に大きな支障が生じてしまうため、私は日本国内では一切大麻、他違法ドラッグをやりません。
  • この話は悪い旅の例です。良い子のみなさんは真似しないようにしましょう。また、各地の情勢は日々変わっていますので、渡航される方は、最新情報をチェックしてください。
  • 大麻の取り締り事情については、国によって大きく違います。国によっては刑務所送りにされる場合があります。決してこの旅行記は決して大麻の吸引を勧めるものでは決してありません。

    序章 学生時代

    ・サイクリング部入部
    どこかに出掛けることが大好きな私は、中学では、撮影に行くって名目でいろいろ出掛けられる写真部に、高校では山岳部に所属し、大学ではサイクリング部に入部した。
    大学に入って先ずやることといえば、飲み会。学内の掲示板には「イッキ飲みはやめましょう」のポスターが貼られていたが、そんなんおかまいなしに、「イッキ!イッキ!」の大コール。伝統の「お酒の消えるマジック」なんてのもあり、「このカップにはお酒が入ってます。ハンカチで隠すと…(その間に一気に飲み干す)…はい!お酒が消えました!」なんてやっていた。

    入部当初は、「え~、こんな飲み方、ヤバイんじゃないの…」と怖気づいていた私も、上級生になると、飲むわ飲ませるわ、相当無茶するように。仲間内の言葉で「あなたの知らない世界」ってのがありまして、これは酔っ払って記憶をなくしたとき、自分は何をやらかしたか聞かされるもので、某TV番組よりもよほど恐ろしい。
    音楽系サークルの中には、大麻やLSDの使用者もいたらしいけど、体育会系にはそういうドラッグは縁がなく、ひたすら飲んでいた学生時代だった。

    おっと、飲みの話ばかりになってしまったが、サイクリングの活動としては、月に一度、日帰り~1泊で、夏休み、春休みには7~10日の合宿を行い、キャンプ用品を自転車に積み込んで、日本全国いろいろなところを走った。よく「北海道とかまで走っていくの?」って聞かれるのだが、それは自由。例えば集合は旭川駅とかにして、都内(大学所在地)から走って行ってもいいし、自転車を分解・梱包して電車で行ってもいいし、フェリーでもいいという具合。

    こういう旅は本当に楽しく、部の活動より、もっとスケールが大きく、自由な旅をしたいなぁと漠然と思っているころ、学生サイクリング連盟の行事で、世界一周した人の講演を聴き、その人の著書を読んでいるうちに、「オレもチャリで世界一周したい!」という気持ちが高まってきたのだった。

    ・マレー半島縦断
    どうしても海外に行ってみたい気持ちを抑えられなくなり、大学3年の春休み、部の春合宿はサボってバンコク→シンガポールのマレー半島縦断の旅を計画。その前ぐらいに、「深夜特急」のTVドラマが放映された影響もあるだろう。
    こうして、初海外タイ・バンコクへフライト。夜の到着だったので、到着した夜は空港のロビーで寝て、翌朝、自転車を組み立て、売店で市内地図を買い、カオサン通りへ。今はカオサンのプッシャーも、厳しくなって無闇には声をかけなくなったみたいだけど、当時の私は大麻オーラが出ていなかったのか、'97年当時でも、私にはプッシャーから声がかからなかった。

    後々分かってきたのだが、プッシャーの吸う人と吸わない人を見分ける目はかなり正確らしい。この数年後には、いたる所で、プッシャーから声がかかるように…。
    初海外で、いろいろな意味で真面目だった私は、1日、バンコク市内を観光してから、マレーシアに向かって南下を始めた。大麻とか買わなかったし、ナナプラザとかも行かなかったし…今から思うと、我ながら笑っちゃうよ。

    バンコクバンコクの道路は、今思うとインドよりはマシなものの、かなり混沌としていて、市内を抜けるには一苦労したが、郊外に出れば、道幅も広く、なかなか快適な道。しかも、所々にガソリンスタンド兼コンビニ、食堂もあり、困ることはなかった。いざとなったら、そういうところで泊めてもらおうと思っていたけど、1日走れば、安宿のある町にたどり着け、野宿や自炊の必要は全くなかった。

    タイ南部の都市HatYaiを抜け、いよいよマレーシアとの国境。「電波少年で見た、陸路国境越えだぜ~!」とテンションは上がる。立派な建物があったので、そこで何か手続きするのかと思ったら、そこは単に免税店だった。その先にイミグレ、税関が。手続きとかよく分かってなかったけど、悪徳役人がいるようなところではなく、スムーズに通過。しかし、えっ銀行ないの!?国境で両替できると思っていた私は、マレーシアの通貨を1円も持っていないのである。「閉まる前に銀行行かなきゃ~!」と、そこからダッシュで、マレーシア最初の町、アロースターへ。ここでT/Cを両替でき、マレーシアリンギットを得ることができた。次からは海外ATMで使えるカード持とう。

    タイもマレーシアも似たような国かと思っていたら、けっこう違う。イスラム教徒が多く、スカーフを被った女性の姿が目立ち、私が大好きな屋台・露店がない。と、なんと屋台禁止の標識が。屋台は、フードコーナーみたいな所定の場所でしか営業できないようだ。ほとんどの人が英語を話せ、タイでは「ヌーン、ソーン…」ってタイ語の数字とか覚えたのだが、マレーシアでは英語で通じる。近代化が進んでいるのだが、私には、タイの混沌とした街の方が肌に合っていて、何かつまらなくなった気がする。

    マラッカ次はシンガポールに向かって、マレーシアもひたすら南下し、マラッカへ。TVドラマ「深夜特急」で、主人公が「マラッカの夕日」をやたら見たがっていたので、宿にチェックインしてから、絶好の夕日ポイントを探し、マラッカを彷徨う。ん~、まぁキレイだけど、それほど特筆するほどでも・・・

    さて、いよいよシンガポールである。シンガポールはマレー半島先端にある島国で、江ノ島のように、橋でマレーシアとつながっている。マレーシア側の料金所みたいな小屋で、地元のバイクに乗ったオッサンたちは、定期券みたいなものを見せて、どんどん通過している。私もつられて、パスポートに何もチェックを受けないで通ってしまったら、シンガポール側で、「マレーシアの出国手続きしてないじゃない」っていわれてしまった。何~!さっきの料金所みたいなところが、イミグレだったのか~!仕方なくまたそこまで戻り、出国スタンプをもらって、シンガポールへ。今度は無事入国できた。シンガポールの入国カードの裏には、「ドラッグの持ち込みは死刑だ」なんてことが書かれていた。ヘロイン売りまくって、何人もの人生を台無しにしたのなら死刑も納得できるが、大麻でも死刑になるんか?

    バタム島さて、シンガポール、つまらん!ただの小奇麗な港町。別に家から近くの、みなとみらいと変わらん!とりあえず1泊して考えようと思ったら、宿も高い。公園でどうしようか考えた私は、港に行き、シンガポールから30分で行ける、インドネシア領バタム島に渡った。シンガポールからの金持ち観光客向けの施設も目立つが、庶民的でのどかなところも多く、なかなか居心地が良い。帰国便までの数日間、そこで過ごすことに決めた。宿の従業員とも仲良くなり、彼が夜勤の従業員と交代すると、飲みに行ったりしていた。「カラオケバー」に連れて行ってもらうと、キャバクラじゃん!しかも、女の子と奥の別室に行けたり、お持ち帰りも出来るそうな。

    しかし、ここでも大麻の話は出てこなかった。今思うと、のどかでキレイな海、まさに吸ってボヘ~っとするには最高のところなのだが。
    こうして、シンガポールからの帰国便が出る前日までバタム島で過ごし、1ヶ月の旅を終えて帰国したのだった。

    次号・台湾編に続く





  • 大麻報道センターにて更に多くのニュース記事をよむことができます
    http://asayake.jp

    このニュース記事が掲載されているURL:
    http://asayake.jp/modules/report/index.php?page=article&storyid=1075