未成年や学生の大麻使用の取り締りは必要ではありませんか?

投稿日時 2009-02-07 | カテゴリ: FAQ【よくある質問】

Q:欧州でもアメリカでも未成年や学生の大麻使用が問題になっているのだから、やはり大麻の取り締りは必要ではありませんか?
A:まず指摘しておきますが、未成年の大麻使用を容認している国やグループなどはどこにもありませんし、それは常識です。

未成年への対応を具体的にどうするかをめぐっては、さまざまな考え方がありますので、まずはデータをきちんと調べることから始めなければなりません。未成年のドラッグ使用で最も問題なのはどの国でもアルコールですから、まずはそれがきちんど教育できるようになる必要があります。その点では、日本は未成年のアルコール使用について、例外的ともいえるほどルーズです。私には、これは大麻に対するデタラメな教育の裏返しのように見えます。

ダメセンのサイトでは、大麻を含め、薬物の情報は、古いアメリカ製薬物標本レプリカの説明書を翻訳しただけのものですが、元の説明書にはアルコールやタバコの害についても書かれているのに、ダメセンのサイトはアルコールとタバコの害については書かれていません。極めて政治的に操作された情報の扱いだと言わざるを得ません。

また、最近アメリカでは、タバコの使用が激減している代わりに大きな問題になってきているのが処方医薬品の乱用の激増です。実際に、大麻をやらないと誓った子供が、家にある医薬品を乱用して死んだりする事故も起こっています。

このように、未成年のドラッグ使用問題は、単に大麻などの違法ドラッグだけを問題にしていても不十分です。いずれにしても、親や大人は、医薬品やドラッグについての正しい知識た情報を知る必要があります。当然のことながら、ダメセンのような根拠も示されていない脅し情報では、結果的に逆効果にしかなりません。

大麻の規制のあり方に関しては、まず大麻そのものがどういうものであるのかを知ろうとしなければ、机上の空論にしかなりません。例えば、栽培について考える場合、実際に大麻を栽培するのにどのくらいの面積が必要なのか知らなければ、意味のない一般論にしかなりません。

オランダでは大麻使用者が30~40万人とされていますが、それを賄うためにはサッカー・フィールド300面分に相当する200万平方メートルの栽培面積が必要だとされています。しかしこの面積は、オランダのチューリップ栽培面積の3%にも満たないほどでしかありません。日本の人口はオランダの8倍ですが、それでもたいした広さではありません。

また、日本にはセキュリティが確保しやすい狭い山間部がたくさんありますから、この問題に関しては、農家の振興対策なども考えて議論したほうが実りが多いのではないでしょうか。
大麻の規制緩和ということで言えば、議論の前提として、まず何よりも大麻の医学的・社会学的な事実について明らかにする必要があるでしょうし、そのうえで、自分で使うための少量の大麻を所持していたくらいで、マスコミを挙げて袋叩きにし、社会的に抹殺するような事柄なのか、緊急に再検証すべきだろうと思います。

以前、ある女性が自己使用目的の大麻栽培で逮捕された時のことですが、留置場に勾留されることなく、取り調べは自宅からの通いで行われ、その女性には子どももいたので、家族と共に日常生活を送りながら裁判までを終えることができました。執行猶予の付いた判決を得て、彼女は家族との生活に戻ることができました。

現在、マスコミは大麻の少量所持で逮捕された者の氏名や顔写真まで暴くように報道し、捕まった人は退学や解雇となり、人生の基盤を破壊されてしまっています。しかし、営利目的の組織犯罪などではない場合、せめて上述のような配慮があって良いのではないでしょうか。大麻の少量所持で捕まってマスゴミに血祭りにされている彼や彼女は、誰に危害を加えたわけでもなく、被害を与えたわけでもなく、迷惑すらかけていないのです。

家族や近親者にとっても、精神的・経済的な被害は、大麻取締法の執行実態と、ジャーナリズムの欠如したマスゴミによってもたらされているのが現実です。





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