国策捜査と国策報道

投稿日時 2009-03-29 | カテゴリ: 白坂の雑記帳

民主党小沢代表の公設第一秘書の政治資金規正法違反事件は、もはや特捜検察の大暴走が明白になった。
この問題について、元東京地検特捜部の郷原信郎氏が早い時期から貴重なコメントを発信し続けている。ビデオニュースのインタビューに答えた3月6日という早い時期のコメントでも、「実際は西松建設がお金を出していることが分かっていても、政治団体から寄付を受けたのであれば、政治資金収支報告書には政治団体の名前を記載しても違反にはならない。政治団体がなんら実態の無いダミー団体で、しかも寄付を受け取った側がその事実を明確に把握していたことが立証されない限り、政治資金規正法違反とは言えないが、実態の無い政治団体はたくさんある」と述べている。
●理解に苦しむこの時期の小沢氏秘書の逮捕 元検事・郷原信郎氏インタビュー/ビデオニュース(無料放送)

自民党長崎県連の違法献金事件を指揮し、政治資金規正法について熟知している郷原氏の解説は、法解釈やその適用について、理路整然として分かりやすい。故に、今回の検察の暴走・暴挙とも言える捜査のあり方も、白日の下に晒されている。
郷原氏の解説は、日経ビジネスオンラインの連載で読むことができる。
●代表秘書逮捕、検察強制捜査への疑問:3/11
●「ガダルカナル」化する特捜捜査:3/17
●小沢代表秘書刑事処分、注目すべき検察の説明:3/24
●検察は説明責任を果たしたか:3/25

この事件に関して、3月20日付朝日新聞「私の視点」で、検察に説明責任はないと主張している元検事・堀田力氏を郷原氏は批判し、『今回の事件については、他の手段によって対処可能な単なる「形式犯」ではない、実質を伴った悪質な犯罪だと判断した根拠と基本的な考え方について検察に明確な説明が求められるのは当然だ』と述べている。
さらに、この事件について、検察によって明確な説明が行われないまま、政治状況や世論に多大な影響を与えてしまうのであれば、これは検察による一種の「テロ」のようなものだとまで郷原氏は断じている。

今回の事件では、小沢氏の公設第一秘書が逮捕されて以来、「捜査関係者の話」として、夥しい情報が検察からリークされ、それを「大本営発表」の如く垂れ流す相変わらずのマスコミによって、小沢氏がダーティな政治家であるという印象操作が行われ、世論が誘導されている。
3月26日のビデオニュースは、郷原氏をゲストに招き、現時点での状況分析を行っている。この番組のなかで、郷原氏は、今回の東京地検特捜部の捜査は、初歩的なミスであり、失敗であると断言している。それと同時に、マスコミの偏向報道の酷さについても触れている。
●検察は説明責任を果たしているか(有償放送)

捜査関係者の話として、逮捕された大久保容疑者は、ダミー政治団体からの献金が実は西松からのものであることを認識していたと供述したと、あたかも犯罪性を認める供述をしたかのように、NHKはニュースのトップ項目として報道したらしい。しかし、同法では、直接の献金者を報告書に明記すれば良いので、献金の原資が西松からのものであることを大久保氏が知っていたこと自体には何ら違法性はない。ところが、これをあたかも大久保氏が犯罪であることを知っていながら違法献金を受けたかのようにNHKは大々的に報じている。この点について郷原氏は、『公共放送の報道としては考えられないこと』だと断罪している。また、法曹人のなかでも最も政治資金規正法に知悉しているであろう郷原氏は新聞やテレビの求めによって解説を続けているが、驚いたことに、NHK、日本テレビ、TBSなどは、何故か郷原氏への取材が全くないそうだ。検察に言われたまま、検察の意向のままを垂れ流すしかない報道番組の偏向ぶりが露骨に示されている事実ではないだろうか。

民主党は、記者会見を、記者クラブという閉鎖的な大手マスコミ談合組合に限定せず、ビデオニュースなどのメディアにも開放している。先の小沢氏の記者会見で、ビデオニュースの神保氏は、小沢政権が実現したら、沖縄密約事件についての情報を開示するかと問うている。小沢氏は、日本はもっと開かれた、オープンな社会になるべきであるという持論を示し、そのような方針で対応すると回答した。

民主党は、大本営発表報道でマスゴミが誘導した「世論」に屈せず、堂々と、検察に説明責任を果たすよう求め、この逆境を、特捜検察のあり方と、マスコミ報道のあり方を質す機会へと昇華してほしい。





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