小沢氏代表辞任報道の風景

投稿日時 2009-05-12 | カテゴリ: 白坂の雑記帳

日本社会は、先進国というより、民主的な政治体制が整っていない後進国のように見える。
民主的な政治システムがない独裁的な国家では、メディアは権力批判の機能を果たせず、時の権力の広報機関のような役割を担う。
民主党の代表を辞任した小沢氏の一件では、マスコミは「捜査関係者の話」として検察のリークを延々と流し続け、あたかも小沢氏が収賄の罪でも犯したかのようなバッシングを続けた。そのようなマスコミの圧倒的な論調に煽られて、小沢氏は説明責任を果たしていないという世論が形成されたように見える。自分で火をつけておいて消すのが「マッチポンプ」なら、日本のマスコミは自ら火をつけて煽る「マッチブロー」だ。

しかし、民主党が設置した政治資金問題第三者委員会で高野孟氏が述べていたように、ネット上での言論は必ずしも小沢叩き一辺倒ではなく、むしろ検察の暴挙をこそ批判する論調も多数存在した。

大麻の問題に限らず、もはやマスコミが公正でも公平でも不偏不党でもなく、ジャーナリズムの機能など果たしていないことは明らかであるように思われる。
新聞の再販制度、押し紙、記者クラブ、クロスオーナーシップなど、マスメディアはあまりにも多くの重い問題を抱えつつ、自らの既得権益の検証に直結するそれらの課題について、報道することすらできない状況にあるようだ。だから、新聞とテレビに情報を頼る国民は、それらの問題を知ることもない。
産経新聞と毎日新聞の経営危機が伝えられているが、ネット時代における紙媒体の宅配というビジネスモデル崩壊だけではなく、報道の質に由来する自業自得でもあるように思える。

小沢代表の辞任記者会見を聞いた自民党の菅氏は、13日に党首討論をセットしながら理解できない、という内容のコメントをした。だが、所信表明演説をやっておいて、各党の代表質問の前に首相の職務を放り出したのは、どこの政党の政治家だったのか、お忘れなのだろうか。
明けない夜はないらしい。夜明け前の闇が最も暗いらしい。そうすると、現在の日本社会の混迷こそは、希望の徴ということになるのだろうか。

「あさやけ(麻焼け)、どっと、ニッポン(asayake.jp)」と、あたしは念仏を唱えるのである。





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