6月18日トークイベントの簡単な報告

投稿日時 2009-06-21 | カテゴリ: 白坂の雑記帳

18日、阿佐ヶ谷ロフトAで行われた麻枝光一トークイベントは、盛況のうちに終わった。以下に簡単な報告をしておきたい。
個人的には、久しぶりの再会となった人も複数いて、充実した時間を過ごすことができた。
トークイベントとしての進行は、満期5年の服役を終えて出所された桂川さんの獄中体験の紹介でスタートした。私は既に桂川さん出所直後にお会いして、いろいろな話を伺っていたので、進行役の麻枝さんに、桂川さんに何か聞きたいことは?と振られたとき、つい、特にないです、と、マヌケな言葉を発してしまった。桂川さんの言葉を、会場に来てくれた人に伝えるための問いを出すべきだったのに。スイマセン。反省。

医療大麻の問題についても話は及んだ。クローン病の自己治療目的で大麻を所持していたとして裁判で争っている成田さんからも報告があった。弁護側が提出した文献などが、検察の不同意で証拠採用されないなど、なかなか厳しい現実のようだが、海外から医療大麻の専門家を証人として招く準備をしているとのこと。

医療大麻については、THCで相談を受けている事案でも、カリフォルニアで合法的に医療大麻の処方を受けていたアメリカ人が日本で逮捕され、公判中のものがある。この裁判では、被告人が持っていた医療大麻のライセンスが証拠採用されており、それが証拠としてどのように評価されるのか注目されるところだ。判決公判が26日にあるので仔細が分かり次第、報告したい。ただ、この裁判では、自己治療目的で医療大麻を使用していたのだから、そのような人にまで大麻取締法を適用して刑事罰を科すのは適用違憲であるという主張はなされておらず、情状面での酌量を期待するにとどまっている。

いずれにしても、世界的に広がりを見せる医療大麻合法化の現実は、当然のことながら日本でも具体的な事案として今後もますます多発するだろう。日本政府はこの現実を無視し続けることはできまい。必ず政策的な検討が迫られることになる。

週刊朝日6月26日号(@niftyニュースに全文掲載)で秀逸な医療大麻記事を書いた小宮山記者も来てくれて、取材における苦労談など聞くことができた。同誌の表紙には「カラダにいい大麻の話」という見出しが付いているが、地下鉄の中吊り広告ではこの表現が拒否され、「病気に効く大麻の話」になったそうだ。この国の表現の自由の貧しさを象徴するようなエピソードだと思う。

NHKの「大麻の怖さ知ってますか?」という番組についての検証も行われた。番組に登場する二名のダルク入所者のこと、ネズミの実験のインチキ、国立精神・神経センターの和田医師の説明への疑問など、この件は引き続き検証を続け、NHKに対して何らかのアクションを取りたいと思う。

私からの報告として、各政党へのアンケート、薬物政策についての取材について話した。その内容はこれまで本サイトでお伝えしてきた通り。

盛りだくさんの内容で、時間が足りないほどだった。語り尽くせなかった内容は、次回に持ち越しというところだろうか。第1回の前回よりもお客さんも多く、今後への足がかりになったとも思う。

トークイベント終了後、大麻堂大阪店のスタッフが逮捕された事件について、「たかじんのそこまでやって委員会」の取材を受けた。その内容は同サイトで放送される予定だ。有料サイトだが、関心のある方は登録して視聴して頂きたい。

会場に足を運んで頂いたみなさん、ありがとうございました。またお会いしましょう。





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