国連、世界薬物報告書2009年版 において薬物の非犯罪化を支持

投稿日時 2009-06-29 | カテゴリ: 野中の大麻取締法改正論

以下は、談話室への野中さんの投稿です。大変参考になる情報なので、記事として転載します。


国連、世界薬物報告書2009年版 において薬物の非犯罪化を支持

Huffington Post06-24-09

2009 World Drug Report(該当箇所)

2009.6.24日に発表された国連の世界薬物報告書2009(World Drug Report 2009 )において、2001年に薬物の非犯罪化政策を導入したポルトガルの例が紹介されています。

『ポルトガルは、最近、薬物使用者をを刑務所に入れないことに決めた国の例である。国連麻薬統制委員会によると、ポルトガルの2001年の薬物使用の ’decriminalisation(非 犯罪化)’は、国際条約による統制の範囲に収まるものである:薬物の所持は依然として禁止されているが、制裁は刑事法ではなく行政法に属する。個人使用のための少量の薬物の所持には逮捕ではなく出頭命令が出される。薬物は没収され被疑者は委員会に出頭しなければならない。被疑者の薬物の消費形態が検査され、使用者は違反金を課されるか、治療に回されるか、プロベーションを受ける可能性がある。薬物密売の場合は、訴追される 措置が継続されており、ポルトガルで検知される薬物密売罪はヨーロッパの平均値に近い値である。』

『これらの状況は完全な禁止制度の下で薬物を回避する人々に薬物を入手させる事を防ぎ続ける一方で、使用者に投獄では無く治療を促すものである。観光客は警察からの出頭命令を歓迎しないので、結果としてポルトガルの政策は伝えられるところによればドラッグツーリズムの 増加にはつながらなかった。また、多くの薬物関連の問題は減少したように見える。』

このトピックスに関連したNORMLの記事、
Drug Czar Kerlikowske addresses UN report on success of decriminalization, without mentioning decriminalization
では、世界薬物報告書2009年版 の発表に関する国家薬物取締政策局長官の発言について

『それらのいくつかは、あなたがヘロイン、コカインとメタンフェタミンについて語る時にはわかる。人々が酷く身体的に依存し、クリーンで居続けるためにリハビリや援助を受けることは、犯罪を減らし、常習的な悪行を減少させるのに役立つでしょう。

しかし、我々が大麻について語るとき、成人による責任を伴った使用が、どういうわけか治療しなければならない社会悪であるという基本的な前提は間違っている。

大麻の禁止は存在しない問題を捜し求める解決策である。』

と述べられていますが私も同感であり、アルコールやタバコより害が少なく、人類との共生の歴史も古い大麻は他の危険な依存性薬物とは分離して独自の規制のあり方を模索しなければならないと考えます。それでは、我が国にとってどのような規制のあり方が適切かという命題に対してはオープンな議論が必要だと思います。私はコンビニや自販機でアルコールやタバコが手に入る現状は好ましくないという考えに基づいて、また国際条約の改正を待たずに、施行可能な実現可能性の高い政策として「大麻取締法の改正を求める緊急意見書」をとりまとめました。

大麻問題の根本的な解決には条約の改正が必要です。

野中さんの記述にある『大麻取締法の改正を求める緊急意見書』は、当サイトのフォーラムにあります。

野中さん起草の本意見書は、現在の日本政府が採用している厳罰政策を改めるよう求めるもので、大麻の「非犯罪化」を提言しています。これに対し、「非犯罪化」ではなく、栽培から流通までを制度化し、課税して管理する「合法化」を求める立場からの修正意見があり、正案としての意見書にまとめきれないままになっています。

いずれにしても、意義のある意見書案なので、ご一読下さい。





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