薬物乱用防止教育指導者読本

投稿日時 2006-06-21 | カテゴリ: (財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターとの対話

「(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター」の「ダメ。ゼッタイ。」ホームページに掲載されている大麻に関する記述のネタ本である「薬物乱用防止教育指導者読本」は在庫僅少のため現在は販売していないが、どうしても、という場合は売ってくれるとのことで、買って見た。

「解説:元東海北陸地区麻薬取締官事務所長/池田豊彌」とあり、やはり米国から輸入していた教材キットの説明書のようだ。厚労省や同センターはアメリカの出先機関なのだろうか。
下記画像はこの冊子の「使用説明」だが、最下部に翻訳者の注意書きとして次のようにある。

訳注:このマニュアルは前掲「薬物乱用防止教育用キット」と一対になって米国内で販売されているもののようです。

「もののようです」って何よ。翻訳者ですらこのマニュアルの出所を知らずに訳している。
また、この「使用説明」には次のようにも書かれている。

本書に収録された主な分野及び掲載された薬物のいずれにつきましても、完璧な分析を行ったものではありません。記述はあくまで人々の注意を喚起し、問題の特定に寄与することを目的としています。従って、特定物質などに関する詳細情報をご希望の向きは直接お問い合わせ下さい。

これは原文の注意書きだが、そもそも完璧な分析を行ったものではなく、人々の注意を喚起するという目的で編集されているという。で、特定物質の詳細は直接問い合わせろとのことなので、問い合わせると、出てくるのはこのマニュアルなのである。ので、問い合わせると出てくるのはこのマニュアルなのである。


既に原本もない。記述の根拠も明らかでない。完璧な分析を行った結果でもない。
これはもう、記述を個別的に見直すというより、科学的根拠のある大麻のリスクを国内に周知するという原点に戻り、全面的に改訂するべきではないだろうか。
(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターは、厚労省から委託を受けて運用されており、日本において公的に薬物情報を発信している窓口である。
最低でも、裁判で使えるような、検察に恥をかかせない程度の、出典くらいは明示できる情報に改める必要があるのではないだろうか。

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