「大麻ヒステリー」(武田邦彦著 光文社新書)で学ぶ(1)

投稿日時 2009-08-11 | カテゴリ: サルパラダイスの読み

大麻ヒステリーこの本、近年まれにみるすばらしいできです。まさに大麻の教科書。この奇妙な扱われ方しとる植物に関してよく踏み込んで学者らしいするどい分析して、トータルとして真相をつかみきっています。
教科書なんでね、ちょっととっつき悪いかもしれませんが、大麻に関わる人、これ必読です。
特に、大麻を取り締まってる方、大麻の報道をしてるかた、読まないでその行為を続けること、今後問題になる気がします。

さて、一般ピープルの方、あるいは大麻擁護派でばくぜんと良しとしてる方、もしかして反対派だけどなんとなくばくぜんと悪しとしてる方、その疑問について答えを整理しましょう。
ベリイベリイシンプルな頭で考えましょう。とても簡単な問題が解決してません。
大麻はなぜ禁止されてるのか。
(1)体に悪いからにきまってるじゃん。
そうか、政府は国民の体に気を使ってくれてありがたいねえ。体に悪いから、大麻を持ってると逮捕して牢屋に入れてくれるのか。
本によると、「はっきりした医学的な研究報告」は全部で4つとのこと。

インド大麻薬物委員会(1893年)
ラ・ガーディア報告(1940年)
世界保健機構WHOの報告書(1970年)
シーファ委員会(1972年)
参照:カナビス主要報告書一覧/カナビス・スタディハウス

これら、いずれの研究報告も大麻のいわゆる麻薬的要素を否定しています。体にいいとも言ってないが、体に悪い証拠は無く、犯罪の源ともならないとしています。
また、1994年のアメリカ国立薬物乱用研究所の比較表や、2006年のイギリス下院科学技術委員会のレポートによると大麻はお酒やタバコより安全とされています。

(2)大麻を吸うと精神錯乱や暴力的になって犯罪を犯すからじゃない。
これは、アメリカのマリファナ追放キャンペーンの指揮をとったアンスリンガーの洗脳大作戦が行き届いてる結果じゃないかと思いますが、まさに、アメリカで1930年代、大麻禁止を広める為に、科学的根拠などどうでもよく、マリファナを吸った若者が暴力化して人々を襲うというようなおばか映画を大量生産していました。
しかし、現実世界で、大麻を吸った人が殺人を犯したとか、暴力事件を犯したといったことを耳にしたことはありません。
1840年にアヘン戦争という戦争が中国でありました。イギリスが巨利を得る為に清国にアヘンを密貿易し、中毒者が溢れ、社会的問題となり清国が取り締まろうとしたためイギリスと戦争になった事件です。このアヘンはたしかインド産だったと思いますが、ならばなぜインド大麻でなかったのでしょうか。
実は、大麻は麻薬としては歴史にまったくといっていいほど登場しません。先のアンスリンガーがアメリカに登場するまで、ヨーロッパ、アメリカで大麻が危険な物として規制された記録はほとんどないとのことです。
さて、ベリイベリイシンプルに考えてですよ、体にも悪くも無く、犯罪にも結びつかない大麻がなぜ罰せられるのでしょうか。
最近で言えば、前途有望な大学生が大麻を持っていたとか栽培していたとかいう理由で逮捕され実名写真入りで報道され社会的に抹殺されるような罰を受けるほどの悪とする理由はなんでしょうか。

マリファナを取り締まることのほうが、「罪のない人を犯罪者にする」という点で犯罪的であるとの指摘もあります。
大麻が禁止される本当の理由はなんなのでしょうか。

つづく





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