カナビノイド系化合物が前立腺ガンの増殖を止める
2009年8月20日 - スペイン、マドリード
British Journal of Cancer が今週発表した前臨床的研究によると、カナビノイド系の選択的作用薬の投与により、試験環境(ペトリ皿)における人間の前立腺ガン細胞、および生体内(実験動物)において、ガン細胞の増殖が抑制される事が確かめられた。ロイター・ニュースワイヤが報じた。
スペイン、アルカラ大学の薬学研究者らは、合成された二種類のCB2作用薬における増殖の抑制および腫瘍の治癒に関する性質を評価した。これらの作用薬は大麻中の活性物質と似た方法で選択的にCB2レセプターへ結び付き、前立腺ガン細胞の細胞死を誘発し、また腫瘍の拡大を抑止した。
「この研究は、試験環境および生体内における前立腺ガン細胞の増殖抑制についてCB2を仲介したシグナル伝達が関与している事を明らかにした。またこれは、CB2作用薬が前立腺ガンの治療に役立つ可能性を持っており、研究する価値のあるものである事を示唆している」と研究者らは結論した。
ロイターへの話の中で、研究者らは次のように強調した。この研究はあくまでも調査段階にあるのであって、大麻の喫煙によって必ずしも前立腺ガンに対抗できるとは限らないとの事である。
NORML副事務局長 Paul Armentano はこの研究について次のように述べた。
「科学者や主要メディアが大麻の抗ガン性について興味を持っている事を私は嬉しく思っているが、本当は、研究者らはこれらの効果を35年も前から良く知っていたのである。真の疑問はこうだ。なぜ 30 年以上も経っていて、大麻の有力な抗ガン性を立証する多数の前臨床実験を行っていながら、研究者らは未だにこれらの研究成果を実験用ラットで繰り返すのみであり、人間に対しては試さないのか。」
(詳しい情報については NORML 副事務局長 Paul Armentano
出典:Pot-Like Compounds Halt Prostate Cancer Growth - NORML Aug 21, 2009
翻訳:PHO
[PHOのコメント]
私は医学には疎く、CB2 レセプターとは何なのかも全く知らないが、35年も前から抗ガン性が見付かっていながら未だに人間に対する臨床試験を行えずにいるというのは驚くばかりである。一日も早くカナビスへの誤解が解かれ、人とカナビスが自然に接する事ができるようになる事を願う。
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