衆院選と最高裁裁判官国民審査の感想

投稿日時 2009-09-01 | カテゴリ: 白坂の雑記帳

衆院選は、大方の予想通り、民主党の圧勝で決着した。小選挙区で敗れた自民党の派閥領袖クラスが比例で復活当選しているのがヤな感じ。
自民党は100議席を割るのではないかと期待していたのだが、選挙直前にマスコミ各社が報じた民主圧勝の勢いに、多少の揺り戻しがあったのだろうか。

個人的には、社民党の保坂展人さんには何としても当選して欲しいと願っていたのだが、議席を獲得できずに大変残念だ。保坂氏は、当方の「大麻取締法に関するアンケート」にはお答えを頂けなかったが、薬物問題を離れても、簡保の宿問題、年金問題、裁判員制度、表現の自由、死刑制度の見直し、などなど、実に多くの問題に真摯に取り組まれ、「国会の質問王」と称されるほどの貴重な仕事をされてきただけに、税金でパーティ券が買われていたらしい石原伸晃に勝ってほしかった。来年の参院選ではぜひ復活して頂きたい。
・石原伸晃氏のパー券29万円購入 政調費で元秘書の杉並区議長ら(週刊金曜日2009/8/7)

今回の政権交代が持つ意義については、JanJanに掲載された山崎康彦氏の論評『「政権交代」の歴史的意義を考える-日本の歴史上初めて起こる一般大衆による「民衆革命」』に同感。今後の民主党政権の行方についての考察は、ダイヤモンド・オンラインに掲載された神保哲生氏へのインタビュー『圧勝した民主党政権の最大の使命は「ガバナンスの回復」』が参考になった。

衆院選と同時に行われた最高裁裁判官の国民審査の結果にも注目していたのだが、あまり報じられていないようだ。最高裁のサイト総務省のサイトを見ても結果は今のところ公表されていない。
菅家さん冤罪事件はマスコミにも大々的に報道されたし、高知白バイ事件や当サイトでもレポートしてきた裕美さん冤罪事件など、司法のあり方を疑問視する世論が一定程度あるように思えたが、罷免投票した率は前回と同程度だったそうだ。以下は毎日新聞のサイトから引用。


最高裁裁判官国民審査:9人全員が信任

総務省は31日、衆院選とともに投票された最高裁判所裁判官に対する国民審査の結果を発表した。審査対象になった竹崎博允(ひろのぶ)最高裁長官と8人の判事全員が信任された。有効票に対する罷免を求める率(罷免率)はほぼ前回並みの6・00~7・73%だった。

投票者数は前回より200万7404人多い6945万4375人。投票率は前回を1・33ポイント上回る66・82%だった。衆院選の「1票の格差」を巡る07年の最高裁判決にかかわったのは9人のうち3人。この中で合憲とする多数意見を出した涌井紀夫裁判官が罷免率トップに、同じく合憲とした那須弘平裁判官が2位。一方、法律で国民審査の期日前投票の期間が投票日7日前からと規定され、衆院選より4日短いため投票できなかった有権者もおり、投票率は衆院選小選挙区(69・28%)より2ポイント以上低かった。【銭場裕司】

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◆最高裁裁判官国民審査の結果◆

氏名(出身)     罷免要求票数(率%)
桜井龍子(行政官)  4656462(6.96)

竹内行夫(行政官)  4495571(6.72)

涌井紀夫(裁判官)  5176090(7.73)

田原睦夫(弁護士)  4364116(6.52)

金築誠志(裁判官)  4311693(6.44)

那須弘平(弁護士)  4988562(7.45)

竹崎博允◎(裁判官) 4184902(6.25)

近藤崇晴(裁判官)  4103537(6.13)

宮川光治(弁護士)  4014158(6.00)

※告示順、敬称略。◎は長官

毎日新聞 2009年8月31日 東京夕刊

衆院の「一票の格差問題」で合憲判断を下した2名の裁判官に対する罷免率が高かったようだが、いろいろと真っ黒な竹内行夫ももっと罷免票が伸びても良さそうなものだ。やはり、この国民審査というのは、制度として機能していないという印象を改めて強く感じた。

民主党政権がこれからどうなるのか未知数だが、とりあえず、大麻は合法化でよろしく。





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