ブエノスアイレス、アルゼンチン: 少量の大麻を所持していた成人を投獄する事は違憲である。今週アルゼンチン最高裁はこのように判決した。
最高裁が満場一致で議決した内容は、大麻の所持は個人的な行動であり、他者にとっての「明らかな危険」とは見做されないとの事であった。
この判決によって、長年にわたる政府の反大麻法が無効化される。その法律では違反者に対し2年以下の禁固刑を課す事ができた。
「成人は国家の干渉を受ける事なく自らの望む生活様式を自由に決める事について責任を負うべきである。他者の財産または権利を実際に脅かしたり損害を与えたりしない限り、個人的な行動は許される」と最高裁は定めた。
この判決について NORML 事務局長アレン・セント・ピエレは次のように述べた。
「大麻の所持と喫煙についての文化的な規範は世界中で急速に変化している。ここアメリカと同じようにである。大麻の喫煙のために人々の自由を強制的に奪い取る事は、もはや実際的な、あるいは受け入れられる公序良俗とは見られなくなってきている。」
より詳しい情報については NORML 事務局長アレン・セント・ピエール (202)483-5500 にお問い合わせ下さい。
Source: NORML News Archive
Argentina: No Prison For Pot Possession, Supreme Court Rules
August 27, 2009 - Buenos Aires, Argentina
翻訳とコメント by PHO
「成人は国家の干渉を受ける事なく自らの望む生活様式を自由に決める事について責任を負うべきである」としたアルゼンチン最高裁の判決は正に正論であり、何も付け加えるべき事は無い。むしろこれまでのアルゼンチンは、このような当たり前の事をわざわざ最高裁が言わなければならない程に抑圧的だったのだ。これは貶しているのではない。アルゼンチンに限らず世界中の殆どの国家がそうであったのであり、今まさに世界の国々が変化している時なのであり、そして我が日本国の最高裁には未だ望むべくもない事なのである。なんてことだろう。
しかしここで思い出される事は、かつての世界中の植民地は一国が独立を果たすと隣国もまた独立を果たし、かつての社会主義国は一国が民主化すると隣国もまた民主化した事実である。結果として現代にまで残された植民地や社会主義国は僅かばかりだ。日本は独立した植民地や民主化した社会主義国のようになるのか、それとも現代の植民地や現代の社会主義国のようになるのか。もちろん私の望みは前者だ。国内の状況だけを見れば後者になるとしか思えなくても、人は突然変わるものであり、おまけに私たちはいま、太平洋の遥か向こうのアルゼンチン最高裁の記事を様々な想いで読んでいるのだ。人が変われば国 も変わらないわけには行かない。
|