C型肝炎

投稿日時 2009-09-08 | カテゴリ: 最新科学文献レビュー 2000~2009

C型肝炎は、肝臓にウイルスが感染して起こる疾患で、アメリカでは400万人が苦しんでいると言われている。慢性型のC型肝炎の典型的な症状には、疲労、うつ、関節痛、肝臓障害などがあり、肝硬変や肝臓ガンになることもある。

以前から、C型肝炎と診断された患者たちからは、大麻を使うと病状の緩和や抗ウイルス療法に伴う吐き気を抑えられるという証言が多く寄せられてきていたが[1-2]、最近になって、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究チームは、大麻を使っている患者のほうが、吐き気などの副作用を伴うインターフェロン治療(通常6ヶ月以上)を最後まで耐えてやり抜く率が高いことを見出しているが[3]、現在までのところ、この疾患に直接カナビノイドを使った臨床報告は見当たらない。
臨床前研究では、エンドカナビノイド・システムが慢性肝臓病の状況を改善したり[4-5]、カナビノイドが肝炎の実験モデルの炎症を軽減する[6] ことが示されている。しかしながら、一部特定の慢性C型肝炎患者では、毎日大麻を喫煙していると線維症が進行するという報告も2件ある[7-8]。

C型肝炎の治療に大麻を使うことに関しては、専門家の間でも意見が分かれている。ヨーロッパ胃腸病ジャーナルの2006年10月号では、カナダとドイツの研究者たちが、「C型肝炎患者にとって、大麻治療の恩恵はリスクを上回る可能性のほうが高い」 と結論を書いているが[9]、他の専門家たちは、将来の研究の結果が出るまで、C型肝炎患者は日常的な大麻使用を止めたほうがよいとアドバイスしている[10-12]。

Source: NORML & NORML Foundation
Updated: Jan 18, 2008
Subj: Hepatitis C
Author: Paul Armentano, Deputy Director
Web: http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7010

参考文献

[1] Schnelle et al. 1999. Results of a standardized survey on the medical use of cannabis products in the German-speaking area. Forschende Komplementarmedizin (Germany) 3: 28-36.

[2] David Berstein. 2004. “Hepatitis C -- Current state of the art and future directions.” MedScape Today.

[3] Sylvestre et al. 2006. Cannabis use improves retention and virological outcomes in patients treated for hepatitis C. European Journal of Gastroenterology & Hepatology. 18: 1057-1063.

[4] Zamora-Valdes et al. 2005. The endocannabinoid system in chronic liver disease (PDF). Annals of Hepatology 4: 248-254.

[5] Gabbey et al. 2005. Endocannabinoids and liver disease -- review. Liver International 25: 921-926.

[6] Lavon et al. 2003. A novel synthetic cannabinoid derivative inhibits inflammatory liver damage via negative cytokine regulation. Molecular Pharmacology 64: 1334-1344.

[7] Hezode et al. 2005. Daily cannabis smoking as a risk factor for progression of fibrosis in chronic hepatitis C. Hepatology 42: 63-71.

[8] Ishida et al. 2008. Influence of cannabis use on severity of hepatitis C disease. Clinical Gastroenterology and Hepatology 6: 69-75.

[9] Fischer et al. 2006. Treatment for hepatitis C virus and cannabis use in illicit drug user patients: implications and questions. European Journal of Gastroenterology & Hepatology. 18: 1039-1042.

[10] Schwabe and Siegmund. 2005. op. cit.

[11] Hezode et al. 2005. op. cit.

[12] David Berstein. 2004. op. cit.


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【転載元】
カナビスの医学研究 | C型肝炎 | カナビス・スタディハウス

(※THC注:転載元のカナビス・スタディハウスでは、解説などが頻繁にアップデートされています。最新の情報を確認するためにも、転載元のカナビス・スタディハウスにアクセスすることをお勧めします。)

 





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