本当は非常に深刻な日本の薬物乱用問題(1)

投稿日時 2009-09-12 | カテゴリ: かっちゃんの薬物乱用問題考察

酒井法子の覚醒剤報道も下火になってきたように思えるが、一時のバッシング報道は昨年の大麻報道に匹敵するもので、「麻薬常習者に対する日本社会の差別感」がまたもや露骨に表れた事件だと思う。根底には、らい患者に対するのと同じ「業病」に落ちた者を差別し、忌み嫌う思想が日本社会では強いからであると同様に、「麻薬に対する恐怖、嫌悪感」がなおさらバッシングを強めるのだと思う。
酒井法子は覚醒剤常習に陥った病人であるという観点からの報道はないし、どうしたら病気から立ち直るかという治療については、具体的な方法などには無関心で、どういう罰を受けるのかという事ばかり関心がもたれ、弁護士などが何回もワイドショーなどに出演して、そればかり意見を述べる。実際この点については、日本は冷酷な社会であると言えるだろう。

ところで、日本でも大麻以外のいろいろな薬物の乱用について、その被害は大きく、社会問題としても大きなものであると思われるが、その実態について、トータルな見方など新聞が取り上げたり、あるいは国会で取り上げられた等という記憶は私にはない。しかし、インターネットではその一端を見ることは出来る。

昨年の大麻騒動以後、いわゆる薬物乱用問題というものが存在し、その大きな部分が大麻についてのもの?と思うと、実はインターネットの公開サイトで見る限り、それは違うと言わざるを得ないだろう。後述するが、薬物乱用問題はアメリカのコカイン・ヘロイン問題以上にその害は深刻だ。その中心は覚醒剤、シンナーであることも明確である。そういう自覚は、関係者やマスコミにはないと思われる。本質的な事を言えば大麻は無関係なのである。

ある公務員夫婦は、夫が体調不良を大麻で回復し、勤務を正常に続けるために大麻を吸引し、又その妻も体調回復のために大麻を使用し、官舎自宅で栽培して逮捕された。誰にも迷惑をかけず、真面目に勤務を果たそうとして、大麻を使用し、逮捕された。この「犯罪」に限らず、大麻で検挙された者達による他人への直接の加害はない。薬物乱用者の必要条件である「自分の体を痛めつける」度合いは、酒、タバコよりはるかに少ない。

大麻を使用する高齢者はこれからも増大するだろう。若年時、リクレーショナルドラッグとして密かに常用していた人が高齢になり、密かに医療用として常用し、不法所持で逮捕される事件も起きる可能性は高い。医療大麻は是か非か、その問題が既に問われている。大麻について、世界ではその医療効果について続々と研究がなされているにも関わらず、日本では大麻取締法によってそれが出来ない。これはおかしいと思う。

大麻問題とはいったい何なのであろうか?
大麻は確かに今の日本では「違法な薬物」である。それを所持しただけで重い罪になる。しかし、それを使用し、摂取したら罪になるという事が、大麻取締法には明文化されていない。この事はもう既にかなり知れ渡っているが、使用罪をもうけるべきだという話もある。

(この項つづく)





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