統計的に見た大麻の使用率

投稿日時 2009-09-15 | カテゴリ: NORML News

統計的に見た大麻の使用率
2009年9月10日 NORML副事務局長 ポール・アルメンターノ

(ご参考までに: Huffington PostAlternet.orgに掲載された解説にもコメントと Digg をお待ちしております。)

アメリカ政府・保健福祉省がまたしても「薬物の使用と健康」の年次報告書を公表した。御存知であろう、連邦政府の議員らが個別のアメリカ人を訪問し、今まさに違法な薬物の使用によって連邦法や州法を侵しているかどうかを訊いて回るあの調査だ。かつて回答者らがアルコールと煙草――二つの合法的な薬物――について凡そ30から50 パーセントは少なめに報告し続けた調査と同じものであり、まして違法な薬物となれば彼らはもっと大きな差を付けて控え目な数値を出してくるに違いない。だがこの調査は、このような当然の問題を抱えていながら、『アメリカ人口に対する違法薬物の使用率についての第一の統計情報』なのである。そう、その調査だ。
ではその政府の公表した最新の『統計的な(しかし非常に疑わしい)情報』から我々に何が言えるのか。実のところ、未だ知られていない事実は何も無かった。

70年以上も刑事的な禁止措置が続けられていたにもかかわらず、大麻はアメリカ人の間で非常に人気が高い。1億200万人以上のアメリカ人(全アメリカ人口の41パーセント)が一生のうちに一度以上喫煙した事があり、2,600万人(10パーセント)は昨年に喫煙していて、1,500万人(6パーセント)が日常的に喫煙している事を認めている。(対照的に、二番目に人気のある薬物であるコカインを使用した事がある成人は15パーセント未満であり、ヘロインを使用した経験を持つ者となると2パーセント未満に過ぎない。まあ「ゲートウェイ効果」とやらについてはこの辺にしておこう)。予想通り、2008年における大麻消費量のグラフはどれも昨年の報告よりも数値が大きかった。ジョン・ウォルターズのおかげだ!

同じように予想された事だが、政府の長年の禁止措置と反大麻『恐怖』キャンペーンは、若者がそれを試してみるのを殆ど(あるいは全く)押し留める事にはならなかった。この調査によると、14 歳から 15 歳までの年齢の15パーセント(昨年に試したと答えた12パーセントを含めて)は大麻を試してみた事があり、16歳から17歳にかけては31パーセント(去年にそうしたと答えた者の4分の1)が大麻を試していた。これらの年齢のグループでは大麻には事実上アルコールと同程度の人気があった。20歳になると45パーセントの青年が大麻を試しており、その殆ど3分の1が昨年に喫煙したと答えていた。そして25歳になると、全体の54パーセントが大麻の使用を認めたのだ。

問題: 誰か、大麻の禁止法が未だ機能していると信じている人は居るだろうか?あるいは、これらの人々の全員が鉄格子の向こうに閉じ込められるに相応しいと信じる人は?

とても長い間、こうした禁止法の支持者らは誤った仮定に基いた議論をでっち上げてきた。問題の法を執行し続ける事で『私たちの子供を守ることができる』という仮定である。前述の数値が示す通り、このような論法は馬鹿げている。実際は、その反対こそが真実なのである。

政府が行っている大麻やその使用者の撲滅キャンペーンは、我々の子供達の健康と安全を危険に曝すのである。そうする事によって若者らはアルコールよりも簡単に、規制を受けずに大麻を利用可能になり、他のもっと危険なドラッグを売っている売人と接触したり交友を持ったりする事になるのだ。この事は、『ハードドラッグ』の使用がもたらす健康上のリスクについての教育的なメッセージを台無しにしてしまう。何故なら子供達はこう考えるからだ。「あの連中が大麻の事で僕に嘘をついたからには、どうしてそれ以外の何もかもが嘘でないと言えるんだ?」

何よりも重要な点は、この刑法上の法律では我々の子供達が大麻を試すのをやめさせる事になるよりも、子供達が逮捕、投獄されて一生残る前科者の烙印を押される結果になる確率の方が遥かに高い事である。

端的に言って、2008年度全国調査『薬物使用と健康』の導く結果は単純であり、一貫している。実際、これは我々がいつも言って来た事だ。「禁酒法の事を覚えてる? 未だ効果がないぞ!」

Source: NORML News Blog
Marijuana Use By The Numbers
September 10th, 2009 By: Paul Armentano, NORML Deputy Director


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翻訳とコメント by PHO

もしこれと同じ調査を日本でやれば、実際がどうであろうと大麻使用率ゼロパーセント、覚醒剤やコカインやヘロインも勿論ゼロパーセントの結果が出る事は間違いない。いや、事によれば 50 パーセント、60 パーセントの数字を錬金術的に発表してのけるかも知れず、現状ではどんな事があろうとも実態を映した数字が出る事は有り得ない。

それはそれとして、このような数々の調査結果が示す通り、アメリカにおける大麻についての世論は大きな変化を迎えている。今後は大麻に対して否定的な政策を掲げる議員が選挙で当選する事は今までよりも難しくなって来るであろうし、もしかすると既にそうなっているのかも知れない。アメリカの殆どの州では遠からず大麻が合法化される事になるはずだ。そのとき我が国はどうするのだろう。

鎖国の時代ならいざ知らず、日本は現在、世界の国々と広く貿易を行い、人の交流もまた多い国であるのだから、圧倒的多数の国民がそう望むのでもない限りは、他国の変化に対していつまでも知らん顔をし続ける事はできない。場合によっては、これから力を増して行くであろう海外の大麻産業がそれぞれの国を通して日本に圧力を掛けて来る事も考えられる。米国の畜産業が彼らの牛肉をどうしたかを考えればすぐに予想が付く事だ。

だからといって、それでは何もせずに大麻が天から降って来るのを口を開けて待っていれば良いのかと言えばそうではなく、私たちに取れる手段の一つとして外国(特に欧米)の変化を利用できるのではないかと思う。良く言われる「欧米では煙草の値段がどうのこうの」「欧米では消費税がどうのこうの」――隣の芝作戦――を私たちが利用できない理由は無いと思う。みっともない手ではあるが、有効なのではないか。これは大きなチャンスなのだから。

[THC編集部注:THCでは、現在「隣の芝生作戦」を鋭意展開中です。PHOさんによるNORMLのニュース翻訳もその一環であり、海外の他の情報も翻訳作業中です。「隣の芝生作戦」を支持くれる方、応援のクリックをヨロシク↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓]





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