新聞やテレビが垂れ流す情報という名の公害

投稿日時 2009-09-27 | カテゴリ: 白坂の雑記帳

大麻あるいは大麻取締法や、薬物問題と直接的に関係のない政治的な話題に関しては、できるだけ触れないようにしてきた。さまざまな社会問題について取り上げると、何をやっている運動体なのか分からなくなってしまうし、大麻や大麻取締法についての問題意識は共有できても、他のさまざまな社会問題についての問題意識や価値観を共有できるとは限らないので、むやみに焦点を拡散しないほうが良いと思っている。と言っておいて何ですが、鳩山首相が国連で世界に向けて発信した、2020年までに日本はCO2を1990年比で25%削減するというお話について。
地球温暖化の話については、さまざまな議論があり、「明日のエコでは間に合わない」のか、明後日でもヘーキなのか、私には分からない。が、マスコミの報道がいかにデタラメなものかについては、大麻取締法の問題を通じて嫌というほど経験もしてきた。

ネットでニュースを読んでいたら、次のような記事があった。

家庭負担の試算見直しを=温室ガス削減で岡田外相
9月27日14時54分配信 時事通信

岡田克也外相は27日のNHKの番組で、2020年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減するとの鳩山政権の目標に関し、「一般家庭の負担の試算はさまざまな前提を置いており、客観的な前提で計算し直すことが必要だ」と述べ、家庭負担の再見積もりを検討する意向を明らかにした。
麻生前政権は、温室ガスの25%削減を達成するには、一般家庭の負担が年間36万円増加すると試算。産業界などは「国民の理解が得られない」などと懸念を表明している。

民主党は、先の総選挙において、CO2の25%削減を公約(マニフェスト)に掲げていた。選挙直前の8月25日になって、経済産業省が試算を出し、民主党のその公約を実施した場合、年間36万円の家計負担になると阿呆前首相はダミ声でがなり立てていた。ところが。

飯田氏はこの数字には悪意に満ちた巧妙なトリックが隠されていると言う。ここで言う「36万円の負担増」とは、この先日本が地球温暖化対策を何も行わなかった場合と25%削減した場合を比べたとき、2020年の時点で家計負担に36万円の差額が出るという話であり、何も各家庭が実際に36万円を負担しなければならないという話ではない。実は、90年比25%減を実現した場合でも、現在(2005年時点)より家計所得は76万円増えるのだ。それを、あたかも今より家計負担が36万円も増えるかのようにメディアを使って印象操作をするのは、温暖化対策をしたくない勢力によるたちの悪い脅迫だと飯田氏は批判する。

これは9月26日のビデオ・ニュースのサマリーからの引用だ。
いかに御用記者クラブのマスコミが堕落しているか、改めて痛感させられる。阿呆前首相の民主党批判は、いみじくも小沢一郎がかつて適切に指摘したように、「チンピラの言いがかり」のようなものだったわけだ。
事実を捻じ曲げた報道は、「高速道路無料化」についても言えることだ。高速道路無料化の提唱者である山崎養世氏を招いた回で、やはりビデオ・ニュースが検証している。
マル激トーク・オン・ディマンド 第439回(2009年09月05日)
高速道路無料化のすべての疑問に答えます
ゲスト:山崎養世氏(シンクタンク山崎養世事務所代表)


新聞やテレビといったメディアは、記者クラブ問題やクロス・オーナーシップや押し紙など、自分たちに不都合なテーマはまったく報道も検証もせず、一方でデタラメな情報を日本中に垂れ流している。これは情報公害だ。新聞やテレビでしか情報を得ていない国民は今現在も膨大にいるだろう。そのような人たちは、マスコミの垂れ流す情報公害によって、社会問題について誤った認識を余儀なくされるという被害を受けている。そしてそれがマジョリティーとして世論を形成し、選挙を通じて政治に反映されれば、社会全体の被害ともなる。

御用記者クラブに加盟している新聞やテレビは、盛んに「大麻汚染」などというプロパガンダ報道を延々と繰り返したが、薬物乱用対策についての政策を検証するような視点は微塵もないようだ。それは酒井のりぴーしゃぶしゃぶ事件や、死者まで出ているお塩事件ですら同様だ。本来は、アルコールやタバコなどの合法ドラッグも含めた、薬物依存対策としての政策のあり方こそが問われるべきなのに、ゴシップとしてしか扱われていない。

マス・メディアの垂れ流す情報こそが汚染されているのであり、これは公害ですらある。NHKなどは汚染された情報を勝手に垂れ流しておきながら金まで取る。悪質な押し売りとどこが違うのか。私は受信料など払っていないし、受信契約もしていないが。受信契約を解除して、新聞もやめて、ビデオ・ニュースのような良質なネット・ジャーナリズムを育てたほうがいい。新聞をやめて困るのは、折り込み広告でスーパーの安売りを知ることができなくなることだけだと思っていたら、今や折り込みチラシのネット版もあるご時世だ。
情報公害を垂れ流す企業が潰れてゆくのは、既に秒読み状態の時間の問題であり、必然だろうと思われる。
・・・・お、NHKで白鵬と朝青龍の勝負が始まる。見よっと。





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