NHK『なぜ市民が大麻を』について視聴者コールセンター責任者との対話

投稿日時 2009-10-08 | カテゴリ: 追跡!AtoZ:なぜ市民が大麻を

昨日、野中さん起案の「意見と要望」をファックスで送付し、NHK視聴者コールセンターに電話し、同センターの責任者と名乗った井出氏と話した。
当方の抗議の理由として、同番組がパネルで示した大麻の有害性について指摘した。そのパネルには、WHOが97年に公表した報告として、『学習能力の低下、人格喪失、知覚の変化、記憶への影響』と書かれていた。が、これは急性効果として示されているもので、アルコールを飲んで酔った場合でも同じような症状になるが、酔いが覚めれば元に戻る。また、同報告書には同じ急性効果として、『軽い幸福感、リラクゼーション、社交性の増進、高められた感覚と知覚、食欲の増進』なども指摘されている。さらに言えば、この報告書には大麻の医療的な効果についても書かれているし、大麻の有害性については不明確な点が多いので更なる研究が必要であるとも書かれている。
そのような点にまったく触れず、急性効果のごく一部だけを、急性効果であることも示さずに取り出しているのは、あまりにも偏った情報ではないか。そう問うと、NHK視聴者コールセンター責任者の井出氏は、次のように言った。

「そういう意味は、(制作者が)分かってるんじゃないですかね」

「分かっていると言いますと?」

「つまり、医学的なニュアンスとして、リラックス効果があるとか、食欲を増進するとか、いま仰いましたね?だから、隠れて逃げ回るんじゃないですか?」

「え?隠れて逃げ回る?」

「隠れて使用してですね、発覚して逃げ回った方もいらっしゃったようですけど、そういうことじゃないですかね」

「それは誰のことを仰ってるんです?」

「なんか昨今、芸能人の方か何か、そういうことがあった気がしましたけど」

「大麻でですか?・・・酒井法子さんの事件のことじゃありません?」

「違いましたっけ?」

「酒井法子さんの事件は覚せい剤でしょう」

「ああ、それはゴメンナサイ、私、ちょっと勘違いしました」

「そうなんですよ。番組の冒頭にね、酒井法子さんと押尾学さんが出てきて、最近は芸能界でも薬物汚染で大変なことになっているという報道になってましたけど、酒井法子さんは覚せい剤だし、押尾さんはMDMAだし、大麻とはまったく別のモノですよね、そもそも」

「いや、だから、私、ちょっと分かんないんだけど、そこらあたりがですね、法に触れて、使用しちゃ悪いですよと、いとも簡単に若い世代が手を出して、侵食されてるというのかな、警鐘を鳴らすことを目的とした番組だったんではないですかね。医学的に、プラスの効用とマイナスの効用がありますよ、という番組ではなかったような気がするんですよ」

「もちろん悪い面しか挙げられていませんけど、その悪い面にしても、WHOの97年の報告を使いながら、誤った内容で報道されてますよね。急性効果として挙げられているものが、恒久的に、一度でも大麻を使うとそうなっちゃうような印象を与えるものですし。そもそもこれ、大麻に関する番組なのに、冒頭で酒井さんや押尾さんの事件を持ち出して、これ、全然違う薬物なのに、一緒になっちゃってて、井出さんがいま誤解されてたのが象徴してますけど」

「はい、私もそう思ってましたよ」

「でしょ?だから、見る人は覚せい剤もMDMAも大麻もいっしょみたいな印象で受け止めますよね?井出さんがそうなんですから」

「えーっとね、9月12日の新聞の番組予告もですね、なぜ市民が大麻を?、ということでクエスチョン付けてですね、学生さんや妊娠中の妻がですね、衝撃の摘発をされた現場を取材した内容とか、少女を狙った手口があって、そういったことには引っかからないようにといった、啓蒙的な番組だったというニュアンスで記憶してるんです」

「その部分は分かるんです。暴力団のような人たちに騙されちゃって、最初は大麻で引きずり込まれて覚せい剤になっちゃうっていう、そういう内容も出てましたけど、それは大麻の有害性とはまったく関係のない話ですよね?」

「なるほどね。なるほど。・・・それで、今日お電話で指摘されたかったのは、WHOの報告を使うにしても、良い面と悪い面と、両方使うべきだったのではないか、ということですか?」

「それも含めてですけど、問題点をまとめましたので、書面で回答を頂きたいと思っているんですけど」

「ここは制作の責任者がいるところではありませんので・・・」

と、いうことで、番組を制作した報道局のディレクターとも電話で話した。1時間を超える対話となったが、要点を抜き出して別稿として近日中に掲載する。

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