第52会期国連麻薬委員会に日本政府が提出して採択された決議、「不正目的のための大麻種子の使用に関するあらゆる側面の探求(Exploration of all aspects related to the use of cannabis seeds for illicit purposes)」は、日本語で公開されておらず、外務省のサイトで提出の事実が簡単に報告されているだけだ。この決議を提出したのは、わが国で大麻種子が社会的に問題視されている現状を受けてことだと思われる。そうであれば、あるいはいずれにしても、日本政府として国連に提出し、採択された決議について、行政は日本国民に日本語でその全文を説明し、報告する責務がある。
そこで、同決議文を日本語で公表するよう、外務大臣、同副大臣、同政務官の個人事務所宛てに要望書を送付し、それぞれの秘書に電話で趣旨を説明し、対応をお願いした。また、外務省の担当部署、総合外交政策局国際組織犯罪室にも同じ要望書を送付した。どのように対応して頂けるのか、引き続きフォローしたい。
外務大臣 岡田 克也 殿
外務副大臣 武正 公一 殿
同 福山 哲郎 殿
外務政務官 吉良 州司 殿
同 西村 智奈美 殿
わが国が「第52会期国連麻薬委員会」に提出した決議
「不正目的のための大麻種子の使用に関するあらゆる側面の探求」の
日本語文書公開に関する要望書
平成21年10月8日
大麻取締法変革センター
代表 白坂和彦
記
本年3月にウィーンで開催された国連麻薬委員会において、日本政府は「不正目的のための大麻種子の使用に関するあらゆる側面の探求(Exploration of all aspects related to the use of cannabis seeds for illicit purposes)」と題する決議案を提出し、採択されたことが外務省のウェブサイトで報告されています。
●参照:
外務省ウェブサイト「第52会期国連麻薬委員会(概要と評価)」平成21年3月23日
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/mayaku/52nd_mi_gh.html
しかし、この決議文書は、外務省のサイトでも、関係他省のサイトでも、公表されていません。この決議文書の全文は、国連麻薬委員会のウェブサイトで閲覧することができますが、アラビア語・中国語・英語・フランス語・ロシア語・スペイン語によるものであり、日本語での掲載はありません。
●参照:
UNODC Fifty-second session
Regular Segment Vienna, Austria, 16 - 20 March 2009
DRAFT RESOLUTIONS
http://www.unodc.org/unodc/en/commissions/CND/session/52-draftresolutions.html
昨今、わが日本社会において、「大麻種子」の流通が社会問題化する現状を踏まえ、本決議案提出に至ったものと思われますが、そうであればこそ、日本政府が国際社会に向けて発信した決議文書の全文を、日本国民に対し、日本語で報告すべきではないでしょうか。岡田外務大臣以下、外務省の公僕諸賢もおそらくご存知かと思いますが、わが国の母語は日本語であります。
本決議(案)は、第52会期国連麻薬委員会にも出席された、大麻取締法を所管する厚生労働省のご担当者が、英語で起案したことが私どもの取材で明らかになっています。外務省のご担当者も本決議の日本語文書は所有しておらず、厚生労働省にも日本語文書はないとのことです。しかし、日本政府は、国民に対し、国際社会に提起した決議文書を、日本語で知らせる責務があると思量します。それは国民の知る権利の問題であり、政府による情報公開の問題でもあります。
大麻種子、あるいは大麻を巡る問題が日本社会で顕在化している現在、政府が国連麻薬委員会に提起し、採択された決議文書、「Exploration of all aspects related to the use of cannabis seeds for illicit purposes」を、速やかに日本語で公開するよう求めます。
以上、要望致します。
以上