血液中からの THC の検出は、必ずしも最近の大麻の使用を意味するのではないとの研究結果
2009年10月9日.アメリカ合衆国メリーランド州ボルティモア
メリーランド州ボルティモア: 雑誌 "Addiction (依存症)" に掲載される臨床試験データによると、大麻の主な精神活性成分である delta-9-THC は、多量に大麻を使用する者の血液中から使用停止後最大 7 日間にわたって検出される可能性があるとの事だ。
ボルティモアにある国立衛生研究所の研究者らは、25人の大麻常用者が7日以上の間に大麻を断った時の血液中のTHC濃度を連続的に計測した。
研究者らの報告によると、「試験開始から六日間が経過して、七日目になっても六人の参加者は未だ検出可能な血中THC濃度を示していた。検出された中で最も高かった濃度は、開始日(一日目)と七日目でそれぞれ7.0および3.0ng/mlであった。」
「実質的な血中THC濃度は、日常的に多量な大麻を使用している者においては、使用を中断した後も数日間は大きく残り続けるのである」と彼らは結論した。
以前に行われた研究では、大麻常用者の血中からは典型的に48時間を越えない範囲で低いレベルのTHC濃度が検出される事が示されていた。
研究者らの注記によれば、七日目になっても血中にTHCが存在した被験者は全て女性であったとの事だ。肥満指数は、THCが検出されなくなるまでの期間と関連性が無かった。
また彼らは次のように注記している。幾人かの被験者は、一日目に血中からTHCが検出されなかったにも係わらず、その後になってから検出され続けたとの事だ。
この研究についてNORML副事務局長ポール・アルメンターノは次のようにコメントした。
「これの発見により、血中から低レベルのTHCが検出される事は最近になって大麻を使用した事を示している、もしくは身体の機能が損なわれている事を意味するとのこれまでの一般的な見解に疑問が投げ掛けられた。特にこれらの発見により、「飲酒および麻薬の影響下の運転」についての法律、すなわち現在においては血中からいかなる濃度のTHCが検出されてもその運転者は運転に支障を来していると見做し刑事責任を問われるとするこの法律が疑問視される事になる。これらの結果は、もう一度言うが、大麻の使用やその結果としての身体機能の減衰を判定する手段としては、ドラッグテストの信頼性は限定的である事を表しているのである。」
より詳しい情報については、NORML 副事務局長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせ下さい。研究結果の全文は "Do Delta(9)-tetrahydrocannabinol concentrations indicate recent use in chronic cannabis users (デルタ-9-テトラヒドロカナビノールの濃度は大麻常用者の最近の使用を示すものであるのか?)" の題で雑誌 "Addiction" に掲載されます。
Source: NORML News
Detection Of THC In Blood Not Necessarily Indicative Of Recent Pot Use, Study Says
October 8, 2009 - Baltimore, MD, USA
翻訳とコメント by PHO
これはちょっと、現在の日本にはあんまり関係ないニュースですね。
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