麻薬少量なら「合法」~中南米 容認の動き~

投稿日時 2009-11-06 | カテゴリ: まさるの雑記帳

11月5日読売新聞の国際面で書かれた記事の紹介です。デカデカと『麻薬少量なら「合法」』と見出しが載っていました。全文を引用してコメントします。


麻薬少量なら「合法」~中南米 容認の動き~

中南米で、個人による少量の麻薬の所持や使用を合法化する動きが広がっている。各国の思惑は様々だが、合法化が麻薬中毒を助長するとの批判もあり、各国間で論議を呼んでいる。
(ボゴタで 小寺以作)

メキシコでは今年8月、少量の大麻やコカイン、覚醒剤の所持を合法化する法律が施行され、大麻は5グラム、コカインだと500ミリグラム以下なら訴追の対象外となった。以前は、麻薬所持が見つかっても、微量なら逮捕するかは現場の警官の判断に委ねられ、「これがわいろの温床になっている」と指摘されていた。メキシコ政府には、警察力を大規模麻薬密売組織の摘発に集中させる狙いもあった。

中南米ではこれまでも、コロンビアやウルグアイなど少数の国で麻薬所持や使用が合法化されていた。しかし最近、アルゼンチン高裁が、タバコ3本分の大麻所持容疑で逮捕された若者に「自由な生活を送る権利の範囲内」だとして無罪を言い渡すなど、少量なら容認する傾向が顕著だ。

ブラジルでも、ミンク環境相が、「麻薬も、たばこや酒のように合法化すれば、麻薬組織への巨額の資金流入を食い止められる」と、合法化を主張している。

南米では、アンデス山脈の先住民が2000年以上前から、コカインの原料となるコカを生産し、かんだり、せんじて飲む習慣を続けてきた。こうした麻薬との「長いつき合い」も、容認論高まりの背景にはあるようだ。

ただ、合法化に抵抗する動きもある。米国の資金援助でコカ栽培の撲滅作戦を進めてきたコロンビアでは、1994年から少量の麻薬使用を認めてきたが、ウリベ現大統領は、「政府が麻薬組織と戦う一方で麻薬使用に寛容になるのは矛盾」と主張。国会では、麻薬使用を再び禁止する法案が審議されている。ドミニカ共和国では、政府の麻薬対策諮問機関、国立麻薬協議会のマベル・バエス会長が、「合法化は若者の麻薬中毒を増やし、中南米全体の脅威になる」と訴え、地理的に近いメキシコなどでの合法化の動きにも強く反対している。


アルゼンチン高裁の「自由な生活を送る権利の範囲内」、そうだそうだ!!
体に大きな危険をもたらすことない少量の大麻を所持しただけで逮捕することは、全くの人権侵害であって、日本国憲法と大麻の薬理学的な作用を少し読めばアルゼンチン高裁の判決は必然です。

ブラジルのミンク環境相が、麻薬組織への資金流入を食い止めるために合法化を主張しています。日本で麻薬密売やその組織に関わっているのは、ほとんど一般人と呼べない人達でしょう。しかしブラジルなど南米では、貧しい村民が現金を手にするための貴重な産業(もちろん捌いて儲けるのは悪の密売グループ)となっているところもあるのかと思うと、単に合法化して国で管理するのではなく、課税対象化して立派な産業として雇用にもつなげていってもらいたいものです。

そして、容認論が高まる背景にある「長いつき合い」を言わしてもらえば、日本文化と大麻のつき合いも勝るとも劣らないことです。日本での容認論の高まりを肯定して支持しているのかと思っちゃったのは僕だけでしょうか。

また、コロンビアの大統領が合法化を否定する背景には、アメリカからの資金援助が途絶えてしまう不安があるのかもしれません。

各国はそれぞれの立場でそれぞれの進展に向かって論議しています。
日本でも今までと違う方向に向かう議論があってもいいのです。いやオリジナルの考えや議論は無くてはならないものです。日本ではタブーとされてきた麻薬政策の進展議論の可能性を示し、誘発するような記事をデカデカと見出しを付けて掲載してくれた小寺氏は好き者だったり・・・

by まさる

【参照】
コカ Wikipedia
『南アメリカ原産。コカイン(局所麻酔薬、麻薬)の原料である。また一部の国(主に南米)では葉を茶として飲用するなど、一種の嗜好品や薬用として伝統的に利用されている。・・・』

ボリビア:コカ利用の伝統を守れ JanJan 2008/04/01
『「コカを植えるのをやめろっていうのなら、まず俺たちを殺してからにすべきだ」と語るのは、ボリビアのコカ栽培農民ルイス・ママニさんだ。・・・』

コカインをめぐるニュースから 2009/04/10 弁護士小森榮の薬物問題ノート





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