覚せい剤:男性被告に無罪判決 職質時に弁護人選任権侵害

投稿日時 2009-11-08 | カテゴリ: ニュース速報

覚せい剤:男性被告に無罪判決 職質時に弁護人選任権侵害

覚せい剤取締法違反(使用・所持)に問われた無職の男性被告(48)に対し、東京地裁は29日、無罪(求刑・懲役3年)の判決を言い渡した。水野智幸裁判官は「職務質問の際、男性が弁護士に連絡しようとしたのを警察官が妨害したことは弁護人選任権の侵害。その後に得られた証拠は排除せざるを得ない」と指摘した。
男性は08年11月10日、東京都新宿区の路上に止めた乗用車内で覚せい剤約3.733グラムを所持し、同区内で若干量を使用したとして起訴された。弁護側は、路上で職務質問した際の警察官の行為は、弁護人選任権を保障する憲法34条に反すると主張。水野裁判官は警察官による妨害を認定し、その後の捜査で得られた覚せい剤や尿検査結果について「違法な状態を利用したもの」と証拠能力を認めなかった。【安高晋】

谷川恒太・東京地検次席検事の話 主張が受け入れられなかったことは遺憾。判決内容を詳しく検討し適切に対処したい。

引用元:毎日jp(毎日新聞)2009年10月29日 23時40分

THCに寄せられる相談にも、路上の職質で所持品検査をされ、大麻が発覚して逮捕されたというケースは少なくない。これまでにも繰り返し書いてきたことだが、任意の職質で所持品など見せなければならない法的義務はない。不当な職質に対しては、しっかりと抗議し、できれば録音や録画を採り、その場から弁護士に連絡するのが望ましい。

今年7月にも、不当で違法な職質の末に逮捕された男性が、裁判では無罪となった後、逆に警視庁を訴えて賠償請求して勝っている。
違法捜査裁判:「任意捜査の範囲を逸脱」と都に賠償命令

不当・違法な職質などは、できるだけ録音や録画をしておかないと、現場の警察官などはグルになって裁判では平然と口裏を合わせて偽証する。

この毎日新聞の記事は丸井弁護士の掲示板で知ったが、その丸井弁護士が担当したドレッドTさんの裁判は、極めて不当な判決が罷り通ってしまい、上告も棄却された。いま、ドレッドTさんは、収監を待つ身となってしまっている。
報道されない違法職質や不当な捜査はおそらく相当な数になるのだろうが、裁判で捜査の不当性や違法性が認められることは稀だ。
違法行為を勧めるつもりはないが、不当な職質に対抗するためには、自らの身を守るための法的な知識や、いつでも録音録画できるようにしておくことや、その場から弁護士に連絡できる程度の構えはしておいたほうがよいと思う。





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