オバマ政権になってから、アメリカ合州国では医療大麻をめぐる動きが活発化している。新政権発足直後の2月には、エリック・ホルダー司法長官が、州公認の医療大麻供給者には連邦政府として介入しないと表明した。
※エリック・ホルダー司法長官 州公認の医療カナビス供給者の取締りはしない/カナビス・スタディハウス
10月19日。連邦副検事総長デイビッド・オグデンが連邦検事宛てに発布した書状で動きは決定的なものとなった。「大麻の医療使用について、既存の州法に則っている事が明白であるような個人の行動については、連邦のリソース(人的・金銭的な資源)を注ぎ込まないように」することを明確に指令した。
その後、次々とうねる波のように大麻の医療利用が全米に広がっている。
10月28日。ニューハンプシャー州では残念ながら2票の僅差で医療大麻を合法化した14番目の州になることが叶わなかったが、世論調査によると、同州の71%の有権者が医療大麻合法化に賛成している。今回の投票は、医療大麻合法化法案に拒否権を発動したジョン・リンチ知事の判断を改めて問うたものだが、世論の動向を見ても、もはやニューハンプシャーが医療大麻の合法化を可決するのは時間の問題だろう。
もっとも、時間の問題というのは、この運動に取り組む活動家たちの取り組みや、議員の賛成、そして何より世論の後押しがあってのことであり、自然現象ではないことを、日本で医療大麻の合法化を求める私たちは、しっかり確認する必要があるのではないだろうか。
11月6日のNORML Newsによると、これまで2度にわたって否決された医療大麻合法化法案が連邦政府議会に再提出された。
同じこの日、コロラド州ブレッケンリッジでは、成人の大麻の所持への罰則を廃止するための住民投票が実施され、有権者の圧倒的賛成多数でこれを可決した。来年の1月1日から、同地区では医療大麻に限らず、21歳以上の成人に関しては、最大1オンス(約28.3グラム)までの大麻の個人的な所持に対し、罰金を含めた一切の刑事上・民事上の罰則が廃止される。
11月10日のMPPのレポートによると、米国最大の医師会(AMA)は、医薬品としての価値がないとする第一分類に大麻を規定している現状を見直すよう求める指針を採択した。
そして11月13日。オレゴンNORMLは、医療大麻について定めたオレゴン医療大麻法(OMMA)に則り、ポートランドに医療大麻のカフェをオープンさせた。法に則った手続きを行ったNORMLの会員は、連邦政府の弾圧などを気にすることなく、この医療大麻カフェを利用できることになった。とってもめでたい13日の金曜日である。
医療大麻に関しての取り組みにおいて、日本は欧米各国に比べて極めて遅れている。これは厚労省の怠慢、反国民的な行政に諸悪の根源があり、そして批判精神の欠片もないマスゴミの責任でもあり、医療大麻を擁護する私たちの力量のなさの現れでもある。
この現状を打破するための新たな初めの一歩として、11月20日(金)に池袋で開かれる「医療大麻を考える会 NPO法人設立準備会」に、多くの方が参加して頂きたいと願っている。
※このコラムはTHCメールマガジンvol.3にも掲載しました。
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