違法薬物密輸入の罰則が強化されるそうです。
懲役10年に引き上げへ=禁止薬物密輸の罰則強化-財務省
財務省は5日、大麻や覚せい剤などの所持・使用事件が頻発していることを受け検討していた、禁止薬物の輸出入に関する関税法の罰則強化について、懲役刑の上限を現在の7年から10年に引き上げる方針を固めた。11日にまとめる2010年度税制改正大綱に盛り込み、罰則強化を含む関税法改正案を年明けの通常国会に提出する見通し。
関税法で定める覚せい剤や麻薬など禁止品輸出入罪の罰則は、07年度の法改正でそれまでの5年から引き上げられた。しかし、芸能人や学生の間で薬物事件が相次いでいることや、税関における覚せい剤密輸の摘発・押収量が急増していることなどから、一段の強化を図ることにした。(2009/12/06-02:32)
引用元:時事ドットコム/懲役10年に引き上げへ=禁止薬物密輸の罰則強化-財務省
薬物密輸のニュースに触れるたび、祐美さんやTさん、K君の事件を思い出す。この3人は、騙されて運び屋をやらされてしまっただけなのに、長期の実刑判決を受け、今も服役している。
小森弁護士のブログでも11月20日に覚せい剤密輸事件について書かれており、無罪を主張していたスペイン人男性に、懲役10年・罰金500万円の実刑判決が下された記事が紹介されている。
●裁判員に「認識」の判定を求めるのは負担が重いかも
このスペイン人男性の事件については、本当に何も知らなかったのかどうか判断する材料を私は持たないが、騙されて違法薬物の運び屋をやらされ、挙句、「懲役10年・罰金500万円」ではたまったものではない。
冤罪は取り調べ室でストーリーが作られる。だから、取り調べの可視化(録画・録音)は、冤罪という捜査機関による犯罪を防ぐための防犯カメラ・監視カメラとして必要なのだ。それは税関の検査にも言えることだろう。自らの持ち込んだ荷物に違法薬物が入っていることを「認識」していたかどうか、検査時の動画があれば裁判員の参考にもなるだろう。裕美さんの事件では、控訴審で弁護側が検査時のビデオを出すよう求めたが、裁判官に却下されている。その請求が却下されたどころか、控訴審は1度しか開かれず、即日結審して控訴棄却の判決までその日に出ているのだ。つまり、公判が始まる前から裁判官は控訴棄却の判決文を用意してあったのだ。こんな滅茶苦茶な茶番があるだろうか。
違法薬物密輸入の罰則を強化するなら、絶対に冤罪を出さないための、捜査のあり方の見直しも不可欠だろう。
こんな司法を相手に、合法的に活動しようとすることが、無性に虚しくなることがある。
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