大麻の抽出物は難治性の癌の痛みをTHCより効果的に軽減するとの研究結果
2009年12月2日 - プリマス、英国
プリマス、英国: ジャーナル "Pain Management (疼痛管理)" に掲載された臨床試験結果によれば、天然の大麻抽出物(主にTHCおよびカナビディオール、別名 CBD)からなる経口噴霧剤である "サティベックス(Sativex)" の投与によって、プラセボ(擬似薬)や純粋なTHCと比べて癌の痛みを有意に軽減する事ができる。
英国、ベルギー、ルーマニアから集まった国際的な研究チームが、難治性の癌疼痛を持つ患者に対するサティベックス(Sativex)の鎮痛剤としての効用を評価した。177人の被験者が二重盲検法で無作為化されたプラセボ比較試験に参加した。患者らはサティベックス(Sativex)、THC抽出物、プラセボのいずれかを受け取った。
研究者らの報告によると、サティベックス(Sativex)を受け取った患者の痛みの程度は、プラセボもしくは純粋なTHCを与えられた者と比べて有意に軽減されていた。
研究者らは次のように結論している。「この研究結果が示すことは、オピオイドで十分な鎮痛効果を得られない癌患者の痛みに対して、THC/CBDの抽出物である [サティベックス(Sativex)] は有効な補助療法となる事である。」
また彼らは次のように付け加えた。「この研究によれば、THC/CBD抽出物はTHCのみに比べて有望な結果を示している。THCとCBDの間に相乗効果が認められる証拠によってもこの結果は裏付けられている。CBDはCB2レセプターにおける "potent inverse agonism (逆作動作用)" によってTHCの鎮痛作用を向上させるが、これにより抗炎症性を生み、免疫細胞移動を抑制する能力を持っている可能性がある。これらの結果は大変有望なものであり、より一層の研究を行う価値がある。」
2005年に行われた臨床試験では、大麻の抽出物はプラセボと比べて癌疼痛を有意に軽減させる事が示されていた。
25パーセントから40パーセントの癌患者は、通常の鎮痛剤では確実な効果を得られない種類の神経因性疼痛を経験していると推定される。
2006年にはアメリカ合衆国食品医薬品局が、癌疼痛に対してのサティベックス(Sativex)の効果を評価するためアメリカで初めての試験に参加する者を募集する許可を出している。今までに北米、ヨーロッパ、南米、南アフリカの14の国から360人の患者が応募している。この試験の結果は2010年の春に報告されるものと見られる。
サティベックス(Sativex)は既にカナダで多発性硬化症や癌疼痛の治療薬として法的に認可されており、英国や欧州連合でも規制認可の是非が審議されている。
より詳しい情報については、NORML事務局長アレン・セント・ピエール (202)483-5500 にお問い合わせ下さい。研究結果の全文は、"Multicenter,double-blind, randomized, placebo-controlled, parallel-group study of the efficacy, safety, and tolerability of THC: CBD extract in patients with intractable cancer-related pain (難治性の癌疼痛を持つ患者に対する、THC/CBD抽出物の有効性、安全性、忍容性に関しての、二重盲検法で無作為化された多角的なプラセボ比較試験)" としてジャーナル "Pain Management" に掲載されます。
Source: NORML News
Marijuana Extracts Relieve Intractable Cancer Pain Better Than THC, Study Says
December 2, 2009 - Plymouth, United Kingdom
翻訳 by PHO
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