クーリエジャポン2010年1月号
越境的日本人 森巣 博
第32回 任意とは、いったい誰の任意なのだろうか?(2)
警察官に職質されたら、日本国憲法第11条を思い出そう。
森巣さんのこのコラム、毎回大変勉強になります。
任意同行とか任意聴取により逮捕とかってあるけど、任意ってことは、警察に尋ねられ、自主的に協力したってことだよね。それで、犯罪してるものがどうして逮捕にまで至るのかって確かに疑問もつことある。
特に、このノリピーのだんな、高相被告の場合、下着の中に隠していた巾着袋に入れていた覚せい剤が出てきたのだから、おかしい。
森巣氏の3つの指摘が的確ですばらしい。
1、高相が覚せい剤をもってることに自覚的であったら、何ゆえ、任意の職質に同意したのか。
2、たとえ警職法にもとずく正当な職質だったとしても、高相が下着の中まで検査されることに同意したのはなぜか。被疑者の同意の無い身体検査や荷物検査は裁判官の令状がなければできない。
3、以上に答えられないのなら、高相はアホか。
冷静によく考えてみたら、この事件逮捕の経緯は以上のような構図だ。逮捕に問題あるじゃん。
今年の判決で、画期的なのがあったそうだ。覚せい剤男性に無罪、職質時に弁護人選任権侵害。被疑者が弁護士を求めたのにそれを無視して捜査した場合、その後にでてきた覚せい剤、尿検査の結果は証拠能力無しってことらしい。
今までは、なんとなく、結果オーライをあたりまえとしてきた感があるが、要するに、探ってみたら覚せい剤がでてきて悪いことをしてたから、逮捕できてよかった、みたいなね。
ただ、その根本、この法治国家、ジャポンで、そんな強制捜査が堂々まかりとおっていいのかという問題、確かにある。
渋谷とか六本木をちょっと怪しげに(どうやってやるのかわからんが)歩いてただけで、パンツの中まで見せろなんて(大げさに言うとね)、そんなばかな。
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