大麻をめぐる思考の冒険 モノ・マガジン 1月2日.16日合併号【今週のマスコミよかった大賞】

投稿日時 2010-01-06 | カテゴリ: 今週のマスコミよかった大賞

mono (モノ) マガジン 2010年 1/16号
大麻をめぐる思考の冒険
どうしてマリワナは、いまだに無法者にされているのだろう?


5ページにわたるこの特集、大麻堂の商品の紹介とともに、北山耕平氏の文章がすばらしいです。 冒頭で、編集部からタイトルどおりの問題提起をしており、この問題をしっかり考えることが今の時代を生きてくのに必要なのだ。僕たちが今縛られてるのは何なのかと問うています。
数々の名だたる雑誌の創刊に関わった北山氏は70年代中ごろに「マリワナについて陽気に考えよう」という画期的な特集を組んでいる。その当時も、今もだが、マリワナに対してのネガティブさは日本ではすさまじく、「人間やめますか」の如くマリワナを吸う者の全人格を否定するような扱いがほとんどである。

その反面、アルコールについては無神経であり毎日飲まずにいられないような者はアルコールという薬物中毒であることには気づいていない。
さて、先の北山氏の特集は一部にはヒーロー的に祭り上げられたものの、やはり日本社会では多難な経緯をたどったようだ。この後、この手の記事が出たのは、毎日新聞の「たかが大麻で目くじらたてて」というものくらいらしい。毎日新聞のそれは、このTHCでも紹介されてたよね。しかし、こういう記事ってほんとにそれくらいしかなかったんだね。全くの言論統制状態に我々あったわけだ。

そして司法関係者にしても、当時からマリワナがどういうものであるかということを知ろうとせず、おどろおどろしい前時代的なデータでマリワナの罪を裁いて前途ある若者の未来をダメにしていたとのことで、北山さんはそんな日本を逃れアメリカに渡る。そこで、彼はマリワナの真実へと深く接することとなるのである。

記事読んでて、北山さんの物語の当時と今と時代背景がよく似ていると思ったよ。70年代後半はベトナム戦争に厭世的なムードがただよい、若者は経済や科学といった発展主義的な物、あるいは会社、国家といった体制に疑問をもちはじめ、むしろ個人の内面へと深く傾倒していく。その結果がヒッピーや反戦運動として現れた。その時のアメリカ大統領は民主党のジミーカーターである。
はたして現在はどうだろう。
拡大、右肩上がりといった資本主義自体がクエスチョンとなりつつあるのではないだろうか。働かざるもの食うべからず、努力は報われる、機会の平等といった思想に完全洗脳されていた僕らに大きな疑問がわきあがっている。
アメリカ大統領はといえば、去年就任した民主党のオバマである。

そして、ふたつの時代に共通するのは、人々がマリワナの解放を求める強烈な波が起こっているということだ。その当時の原動力はヒッピーであり、現在は医療大麻だ。北山氏の指摘するように、医療大麻としてマリワナがアメリカで合法化されるのはもう目前にせまっていると私も思う。

年末年始の政治、経済を評論する番組を見ていると、あいかわらずこれまでの物欲に頼って拡大する資本主義の復活をめざすためにどうするかという発想をする人々のほかに、今までのこのシステムを捨ててしまい、我々が本当に幸せに生きる新たなシステムを模索しようという人々が何人か現れ、大きくクローズアップされていた。
え 長い歴史の流れの中で、今、社会の仕組みが大きく変わろうとしている瞬間に我々はいるのだと思う。
これまでのほんの一部の人間だけが富める資本主義はくずれ、人々がそのまま生きることの喜びを追求できるようなシステムへと移行しようとしている。
そんななか、真実を曇らせるアルコールに替わり、物事の本質を悟らせる大麻(マリワナ)がその本来の神聖な物として復活してくれるのだろう。

夜明けはそんなに遠くない。新年そう感じることができた。

2010 賀正





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