獄中のナタラジャからの手紙(2月20日着信)

投稿日時 2010-02-22 | カテゴリ: ナタラジャ裁判

松山刑務所に服役しているナタラジャから手紙が届いたので転記します。
ナタが逮捕されてから5年。そうか、あれからもう5年が経つのかと、この間の出来事に思いを巡らせると、感慨深いものがあります。
獄中にあって、自らの魂を磨こうとするナタラジャの生きる姿勢にこそ、むしろ外にいる者が励ましを受けたのではないでしょうか。


先日まで寒い日が続いておりましたが、ここ数日は暖かく、確実に春は近づいているのを感じます。安曇野はいかがでしょうか?

早いもので逮捕から丸5年以上の時が経ち、満期出所の日ももう目前に迫っております。今はもう、4月4日の出所のための準備を始めております。白坂さんのほうはどうですか?相変わらず忙しくされていることと思います。(中略)

今日は出所前ということで、これまでの5年間のまとめ、という感じで、今この手紙を書いております。

今、思い返せば、この5年の間、とても多くの方々の気持に支えられ、なんとかここまでやってこられたのだと、とても感謝しております。THCというサイト、掲示板を通して、皆さんからの応援のメッセージを受け取り、本当に励まされました。お蔭様で、この5年間、前向きになる気持を持ち続けることができました。20代後半の5年間を社会から隔離されて過ごすというのは、普通に考えたら、とてもマイナスなことなのだと思いますが、自分は今、全く後悔はしていません。むしろ、良い経験をさせて頂いたと思っています。大麻に対する想いは以前よりも強くなりましたし、今後の自分の人生もはっきりと見えてきました。

人生に一旦区切りをつけて、過去を振り返り、先のことをゆっくり考えるというのは、普通に生活をしていたのでは、なかなかできないことですからね。本当にこの5年で色々なものが見えてきた気がします。

あのまま逮捕されずに社会で生活していたら、それはきっと見えなかったでしょう。そういう意味でも今回の逮捕、実刑というのは、自分の人生になくてはならなかったこと、運命だったのだと思います。

とはいえ、「法がある」という理由にもならない理由だけで、このように自由を奪われるのは、おかしなことですし、それこそ正義であると信じて疑わない社会にも違和感を感じます。

この5年間で、この国の大麻を取り巻く状況に少しは進展はありましたでしょうか。塀の中でTV、新聞を見ている限りでは余計に厳しくなっているようにも感じられます。もうこれ以上、罪のない人たちが悪法の被害を受けるのは見たくありません。自分はこれまでできる範囲で大麻の非犯罪化運動に関わってきたつもりですが、全然足りなかったと今反省しております。
出所後は、これまで以上に、積極的に大麻非犯罪化に関わりたいと思います。真実を知っている者には、それを周りに伝える義務があると思いますので、また実際に大麻取締法の被害を受けた自分にだからこそできる事というのもあると思いますから。

これが、この受刑生活の中で、ずっと考え、出した答えの一つです。

とりあえず、4月4日の朝、ここを出ましたら、THCの掲示板に出所の報告の書き込みをさせて頂こうと思っています。その日まであともう少し。この5年間の修行の総まとめをしたいと思います。

本当に、これまで色々なかたちで支えて下さったこと、大変感謝しております。どうもありがとうございました。

梵 nataraja





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