マリファナ物語 真中史雄著 第三書館

投稿日時 2010-02-23 | カテゴリ: サルパラダイスの読み

マリファナ物語  真中史雄著 第三書館

この本、5~6年前に買って本棚に突っ込んでたもの。最近、なぜか読んですごく感銘受けたよ。
これ、1990年ころに書かれた本みたいだけど、今の時代にぴったり合ってるんだよね。ようやく時代が追いついたというか、めちゃ先見の明、ばっちりよ。

物語は10人の人物を作者、真中さんが取材する形で構成されている。彼らはマリファナを中心としたドラッグと出会った人々で、彼らがその体験から何を得、どう変わったかというような物語。
とても特殊な体験なのでね、実際、そういう体験した人が取材しないとね、彼らの言ってることはちんぷんかんぷんでうまくまとめられないよね。その点、真中さんは最適任者だね。

ドラッグの体験は、まさに十人十色でね、おもしろいよ。
グッドだけでなく、バッドトリップの体験もでてきてね、ある男性はマジックマッシュをやって自分の両手指が無くなってしまったなんて体験してる。
その同じ人、マリファナして、地下鉄乗ったら、この世が精巧なオープンセットだって思える経験もしている。

グッドなトリップで素敵なのは、2児の母親でもある女性の体験。彼女の表現がすばらしいんだよね。
インドのケララで決めた時は、夕日がすごくきれいで、この世のものとは思われない奇跡でも見ているみたいに感動したって。
そして、コサムイで、これは幻覚性キノコで体験したことだけど、海がすごくきれいに輝いてる。
海に入ると包み込まれて、そのままいってしまいそうになったって。海と一体となる体験だったって。

こんな感じで、いろんなすばらしい体験がつづられてる。

そして、最後に塾経営の若者、光のことが紹介される。
彼は、ビッグになることを目指してた普通の若者だったが、ドラッグに出会い、精神世界へと進んでいく、さまざまなドラッグを興味のままに体験し、最後に瞑想へ行き着く。しかし、ドラッグを全く否定するようになったわけではない。あればするというような、ドラッグが人生を楽しむのに最高のモノであることを認めている。
彼は言う。
「修行者が何年も修行することによって達するハイな世界に手っ取り早く連れて行ってくれる(カンニングペーパー)のようなものなんだよ。」

ドラッグはただ麻薬なのではない。可能性はどこまでも伸びてる。
21世紀は、物質文明から精神文明の移行の時だ。そのためには、まず、人々の意識が変わらねばならないのだが、意識を変えるものとして、ドラッグに優るものはない。

そんなこと、自分も最近感じてたから、この本とフィーリングがシンクロして心地よかったよ。





大麻報道センターにて更に多くのニュース記事をよむことができます
http://asayake.jp

このニュース記事が掲載されているURL:
http://asayake.jp/modules/report/index.php?page=article&storyid=1660