KYさんの裁判について(2)

投稿日時 2010-03-22 | カテゴリ: KYさん事件簿

テレビ局に大麻を送り付け、大麻を持っているから逮捕しに来いと検察に手紙を書いたKYさんでしたが、それはテレビ局に取り上げられることも、検察に事件化されることもなく、KYさんはインドへと旅立ちました。そして彼の地から、大麻を吸ってはブログ更新を続け、私も「KYさんワールド」を面白く読んでいました。資金が底をついてきたKYさんは帰国し、いくつか仕事を転々としたようですが、やはり敢えて逮捕されて裁判をやる意思は失せておらず、今回の事件に至ったわけです。
今回の事件の前にも、KYさんは、逮捕されて裁判をやるつもりだとブログに書いていました。敢えて逮捕されて、どのような主張を展開するつもりなのか、私はコメント欄で訊ねました。KYさんは、適用違憲を主張するのだと答えていました。

適用違憲というのは、大麻取締法という法律そのものが憲法違反だと主張するのではなく、KYさんに大麻取締法の罰則を適用するのは憲法違反だという主張です。その論拠として、KYさんは、自分は大麻をよく知っており、大麻を使用することで自分がどうなるか熟知していて、それはKYさん自身にも社会にも何も悪影響を及ぼすものではないという立論でした。それをKYさんは、自分は大麻と「親和」していると表現していました。

しかし、いくらKYさんが大麻と親和していて、本人にも社会にも何も問題はないと言っても、裁判所が「あ、そうでしたか、それならKYさんの大麻所持は無罪です」という判決を出すことが現実として考えられるでしょうか。むしろ、「大麻と親和している」というKYさんの主張は、検察や裁判官にとって、それは大麻に「依存」しているにほかならず、違法行為を正当化する自己中心的な考えであり、順法意識の欠如を示すものとされ、刑を重くしてしまう方向に解釈されるのではないでしょうか。

大麻取締法の罰則規定を、大麻に親和しているKYさんに適用するのは違憲だとするKYさんの適用違憲の主張は、法廷で認められるはずがない。私は今もそう思っています。それよりも、大麻にはアルコールやタバコほどの有害性もないのだから、その大麻の所持を懲役刑という国民の身体を拘束する厳罰で規制するのは憲法違反である、という法令違憲の主張を軸に主張を展開したほうが良いと、私はKYさんに伝えてきました。

KYさん自身がブログに書いていることですが、KYさんも本当はそのような法令違憲の主張をしたいのだけど、KYさんは海外の医学的大麻研究の事例などをあまり知らず、生半可に法令違憲の論拠を述べ立てると、検察に反論された場合、再反論が難しくなってしまう点を危惧しているのだと言っていました。

KYさんがいよいよ逮捕される行動に出ようとするしばらく前、私宛てにメールがありました。KYさんが逮捕されたあと、裁判の様子などを手紙で送るので、それを大麻取締法変革センターのウェブサイトで公開してほしいとのことでした。大麻を擁護する者として、その程度の協力を惜しむつもりはありませんでした。が、やはり勝てる裁判にはなりそうもないし、実刑判決を下される可能性が高いので、やめたほうが良いとも伝えました。そして、やるなら、適用違憲だけではなく、法令違憲の主張も展開したほうがよいとも伝えました。

その後、メールと電話でKYさんと何度か意見交換をしました。その意見交換は、あくまでもどのように裁判を進めるのが良いかに関してで、KYさんがどこで大麻を入手するつもりなのか、大麻所持をどのように警察に知らせて逮捕されるつもりなのか、といった事件そのものに関しては、私はいっさい聞きませんでした。KYさんも、大麻の入手方法などについては、いっさい話しませんでした。

私がKYさんの大麻の入手方法などを知ってしまうと、メールや電話の履歴を調べた捜査当局が、違法行為を「幇助」した罪として、私への家宅捜索令状や逮捕状を請求する可能性を考えました。家宅捜索されても、私は大麻の栽培も所持もしていないので、現物が出てくる心配はまったくありませんが、捜査当局は、逮捕しようと思えば屁理屈をこねてでも逮捕します。中島らもさんの事件で、前田さんが「幇助」で逮捕されたことを見てもそれは明らかです。だから、私は大麻の入手といった、事件を構成する具体的な内容についてはいっさい聞かず、KYさんもそのようなことを私に話すつもりはないと言っていました。

KYさんは、「1週間ほど留守にします」という内容のことをブログに書き、タイに飛んだようです。そしてタイから3gほどの大麻を都内の局留めで郵送したとのことです。しばらくして、郵便局から連絡があったことなど、一連の経過はKYさん自身がブログに書いていました。この間も、私はKYさんとメールや電話で連絡を取っていました。そして、KYさんからは、法令違憲の主張もしたいので、公判の展開を支援してほしいとの要請も受けました。

具体的には、法令違憲を主張するための立論と、そのためのデータを集め、弁護士に提供し、説明すること。そして、その公判の内容をネットで広く周知すること。私はそれを引き受けることにしました。ただ、KYさんが望むような公判を実現するには、いくつもの壁があります。

まず、弁護士の問題。このような難儀な弁護の場合、弁護士を私選するに越したことはありません。弁護士も商売ですから、報酬の少ない国選弁護人では、被告人の思うとおりに動いてくれない可能性は低くありません。唾棄すべきクソ弁護士を私はこれまで何人も見てきました。だから、できれば大麻取締法の問題を理解している弁護士を私選して公判に臨むのが望ましいのですが、その資力はKYさんにもなく、私もとてもじゃないけどそこまでは支援できません。当初、弁護士費用をカンパで賄うことも考えましたが、相当な額になる話なので、国選でやるしかないという結論に至りました。近いうちに国選の弁護人が決まりますが、その弁護士がどのような人かによって、KYさんの裁判は大きく影響を受けることになるでしょう。

逮捕前、KYさんからは、私に特別弁護人になってくれという要請もありました。特別弁護人というのは、弁護士資格のない者が、公判で弁護士と同席し、弁護士と同じ権限で弁論を行う制度です。そのような制度があることは知っていましたが、これは専門的な知識を有することが要件なので、果たして私が特別弁護人として認められるかどうか分かりません。が、この件についても、可能であるなら引き受けることにしました。思う存分に主張を展開するには、国選弁護人だけに任せず、自ら法廷で検察と対峙したほうがやりやすいのは自明です。

そんなことで、私はKYさんの裁判を、具体的な弁論において支援します。これは私自身の意思と責任において引き受けたことです。コメント欄に、本当はKYさんの支援要請を私が迷惑だと感じているのではないか、との懸念が書かれていましたが、そんなことはありません。大麻合法化の活動家として、この機会を少しでもポジティブに活かせればと考えています。KYさんはアホな奴だと思いますが、私も同じくらいアホなので、同じアホなら躍らにゃ孫!孫!孫正義!

★まとめ★

  • 私はKYさんの裁判を支援しますが、事件にはいっさい関わっていません。
  • KYさんの裁判では、適用違憲と同時に、法令違憲を主張します。
  • 次回、裁判の獲得目標などについて書きます。
  • さて 音楽でも聴きましょうか 2月10日に大麻で捕まったYOU THE ROCK★ その後 どうなったんでしょう 気になってます 大麻で逮捕するなと主張したのでしょうか 知ってる人がいたら教えてください
    ちょっと古い歌ですが 私の好きな曲です 

    どうしても吸いたいって言うんだったらばさ♪
    覚悟を決めるっけゃないんだぜ♪
    どうしてすぐ長いジョイント巻いちゃうんだバカ♪
    このままだとどんどんどんどん厳しくなってさ♪
    もう種だけでも逮捕されるようになっちゃうんだから♪

    今度こそはさ 勇気を出してさ♪
    今度こそはさ 勇気を出してさ♪
    今度こそはさ 勇気を出せよ♪

    大麻法は今世紀最後の禁止法ってことさ♪
    本気で守っちゃ損する バカだよそんなの見つからなきゃいいんだから♪
    絶対大麻法は単なる嫌がらせに決まってるんだから♪
    本気で怒んなけゃ損する ドアだけ閉めてもバレちゃうさ♪

    どうしても吸いたいって言うんだったらばさ♪
    もっとやばいケミっきゃねえってのも怖いよね♪
    みんなだってこれからガシガシ吸うところなんだからさ♪
    くだらねぇ夜回りセンコーでしらけるのは嫌なんだよ♪
    とにかく責任はKYが取るわけだからさ♪
    税関が来ようとびびったりはしないで欲しいよな♪
    大枚はたいてタイからタイマ送ったわけだけどさ♪
    何かあればそれはそれで面白いじゃんかYO!

    YOU THE ROCK - HOO! EI! HOO! '98





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